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時価総額加重平均を採用したインデックスファンドとは
加重平均とは、平均値を算出する場合に、単純に平均せず、量の大小を反映する計算方法のことで、時価総額加重平均株価指数は、組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計と比較することで求められます。
さ、「時価総額加重平均」です。教科書には上のように書いてあります。
難しいので、「なんとなく」の理解で十分だと思います。
要は「時価総額の大きな会社順にその相当額を投資するぞ」ぐらいの意味で十分だと思います。
実際に具体的な中身を見て、その実態を掴んでいきましょう。
eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)
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続いて
eMAXIS Slim 全世界株式
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どんどん行きます、次に
SBI バンガード S&P500
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楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天 VTI)
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最後に
楽天・全世界株式インデックスファンド (楽天 VT)
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こんな感じです。
「なんだ、組み入れている銘柄は比率こそ少し違うけど大体ほぼ一緒じゃん」なのです。
なぜこうなるかというと、米国を代表とするGAFAMと言われる情報テクノロジー関連会社の時価総額は、全米はもとより全世界においてもかなりの時価総額を有しており、この「時価総額加重平均」というやつで算出して組入比率を決定するとこうならざるを得ないというわけです。
なので、つみたてNISAをはじめるの記事で「この中で一つに絞っても良いし、色々やってみたければ、S&P500と全世界株式を半々購入などでも大丈夫です。」と書いたのはこういう事なのです。
そこで疑問が出てきます。
「過去、ITバブルの崩壊などテーマ株はピーク後急落するけど、GAFAMだって同様にブームが去れば急落するよね。そうなるとこのおすすめ投資信託も同様に急落するのでは?」ということが考えられます。
もちろん、昨今その影響を受けてこれらファンドも調整局面を迎えているわけですが、ここでGAFAMの一角であったFacebook(現メタ・プラットフォームズ)の組み入れに注目してください。
2022年9月末現在ですが、メタの株式組み入れで上位10位以内に入っているのは「SBI バンガード S&P500」だけで、他のファンドにはありません。
メタの株価は、昨年9月のピーク時から現在1/3以下に急落しており、当然時価総額も1/3以下になったため、「時価総額加重平均」の観点からは上位10銘柄からはずされてしまったというわけです。
そして現在は、あのイーロン・マスク氏率いるテスラが代わって上位に君臨しています。
このように下落する銘柄は外され、上昇する銘柄は自動的に組入比率が増えるのが、「時価総額加重平均」採用のインデックスファンドのとても優秀なところだと思います。