バイクの後部座席は一番の特等席。
外出自粛の最中、うちの家族は散歩ではなくバイクで外の空気を吸ってきた。
道路は車ばかりだから、
マスクする必要もないし
換気も運転してるだけでできるし、
それはそれは最高だった。
それでね思ったの、車の助手席もいいけれど、バイクの後部座席の方が楽しいって。
だって、窓越しに外を見るより、ヘルメット越しに見る景色の方が壮大だもの。
信号が青になる。
バイクが走り始める。
走っている道路をじっと見つめ続けると、速度がどんどん加速していって、アスファルトに含まれたガラスの破片みたいなものたちがキラキラと輝いている。
視界を少し上に向けると目の前に広がるのは田園風景。
桜が散りあっけなく春を終えた日本が、次に迎えるのは、新緑で包まれる自然いっぱいの夏だ。
水田に目を向けると、隣にある緑色に負けないくらい青々とした空が反射していた。
そして頭上に広がっていたのはただただ青い空。
コロナさんのことなんて空には知ったこっちゃないとでも言っているかのように、今日もいつも通り空は晴れていた。
おうち時間をひたすら送っている私にとって、全てが新鮮だった。
自由に飛べる鳥たちに少し嫉妬をした。
だって、鳥は毎日こんなに気持ちの良い空で羽ばたいているのだから。
私は人間だから残念ながら飛べはしないけど、風に当たりながら、髪を靡かせながら360度で「今」という瞬間を体感できるのはバイクくらいだと思う。
そして私は思った、
「日本はやっぱり綺麗だ。」