【映画感想】ラーゲリより愛を込めて/ニノと映画と戦争と
観たいなあ観たいなあと思っていて、
観に行ってきた。
公開前にニノが色々とテレビに出て番宣をしており、
それを見た娘が、
「私もこれ観たいな〜」と言う。
一度目はちょっと聞こえないふりをしてみたら(ひどい)、
娘がもう一度私を見ながら
「これ、私も見たいな〜」と言う。
返事はせずに、じっと娘を見返してみる。
「これ、私も見たいな〜」
3回言われた。
「か、考えとく」
辛うじて返事をする。
だ、だって一人で見たいじゃん。
ニノ、好きなんだよ、私。
娘にもそりゃあね、情操教育というのか戦争教育というのか
そりゃ見せてあげた方がいいのは私だってわかってるのよ、観たいって言ってるんだから。
でもさ、ニノ、好きなんだよ、私。
ということを夫に言ったら、
「あんたの好きとかどうでもいいわ。(娘)ちゃんも連れて行ってやれよ」
と言われた。
こんちくしょう。
夫は、正直に言って、私がニノを好きなのが気に入らない。
数年前、
「今日、嫌な夢見たわ〜。」と言うので
「どんな夢?」と聞いたら、
「嵐のみんなと飲み会してたら、広海ちゃんとニノがこっそり楽しそうに
話してて、浮気してるねん。」
なんなん、その頭のおかしい夢。
ぜひ参加させて欲しいわ。
「ほんま腹立つわ〜」「あいつは性格悪そうやな」と不快そうにする夫。
「松潤はええやつやったけど。」とのこと。
知らんがな。それ、夢やんか。
でも、わかる。君は松潤との方が気が合いそうな気がする。
新婚時代は遠慮がちにしていたが、
嵐の活動休止発表などを経て遠慮がちにしてもいられなくなったので、
推しは推せる時に推せ、と心に決めている。
そんなわけで、
娘に
「『かがみの孤城』も見に行きたいんだよね?どっちがいい?」と聞いて、
選んでもらい、円満に一人でみ見に行くことにした。
(夫にはこっそりと)
空襲シーン、親子が離れ離れになるところに多少の無理は感じたものの、
総じて演者さんの演技が染み渡る、いい映画だった。
なにしろ、これは実話に基づくものなのだから、
それ以上のリアリティはない。
ニノを好きになったのは、
ニノが倉本聰さんのドラマに出たり、硫黄島の映画に出たりした頃である。
彼の演技が好きだ。
静かで、苦悩している様子など最高だ。
表情もリアクションも大きいものではないが、
静の部分と破裂する部分の対比がすごくいい。
あと、性格がややこしそうなところも好きである。
実際は知らないが、なんか捻くれていそうな空気がある。
「ラーゲリ」はその他の役者サンの演技も良かった。
北川景子サン、戦時中にしちゃあまりに綺麗すぎやしないかと
僻んでいたのだが、
彼女の泣きの演技はゾワゾワした。
桐谷健太サンはニノとは対照的に大変いつも圧が強いのだが、
その圧の強さも含めて好きである。
山本さんの手紙一つひとつ、言葉一つ一つに
あの時代、たくさんの悲しみを味わった人がいるだろうことに思いを馳せ、
今も同じような思いをして苦しんでいるということに思いを馳せる。
「知る」ということがまずは第一歩になると信じて、
悲しみを繰り返さないように、不勉強にならないようにいたい。
娘にはまだ早いんじゃないかなと思う場面も多々あったけれど、
娘がやっぱりまだ興味を持っているなら、
見せてあげたいとも思う。
10代や20代の頃、私はたくさん伝えたい言葉があると思っていた。
けれど、今、自分の子どもにすら大切なことをどれだけ伝えられているんだろう、とこの頃思う。
どんな形にしても、毎日毎日言葉を重ねても一体この子たちにどれだけ
伝わっているんだろう、と。
子どもたちが成長していくのをそばで見守る大切な時間を
戦争に奪われてしまった山本さん。
けれど、たくさんの人によってその想いがつなげられていった時に、
彼の言葉は、きっと子どもたちに届いただろうと思う。
たくさんの人が観る「映画」という形にもなったけれど、
きっと伝えたいことは、
家族に対しての言葉であり、
身近な人にいかに思いを伝えるか、それが一番大切だなと
思った今日この頃である。