【覚書】母は片思い、ときどき両思い

息子が修学旅行へ行っていたのはもう２週間前。
３泊４日の沖縄。

実は息子。お泊まりで１泊したことはあるが、
学校行事としては幼稚園以来。
幼稚園の頃は、「あの子誘拐されるんやろか…？」というぐらいの
大号泣。それまで息子にほんのり好意を寄せていたかもしれない女子たちも引くレベルの大号泣だった。（息子にとっては黒歴史で、我が家では禁句）
小学生の宿泊研修はコロナでなくなり、
修学旅行はあったのに、息子が行きたくないあまりなのか発熱。（微熱）
まだまだコロナに対する不安感の残る頃だったので、微熱でも
参加はできない。

そんな息子が３泊！！！
それも飛行機！！！泣いたりしても簡単には迎えに行けない！

母としては色々と感慨深いわけである。

早朝出発だったが、空港の搭乗口まで見送る私。
みんなと合流した時点で、「ほか、誰もおらんくない？早く帰ったら？」
と促されるも聞こえないフリを続け、
最後には「私はもう帰ったと思え」と先を歩かせる。
集合場所に行くとチラホラと親御さんがいらっしゃる。
だよね〜？見送るよね〜うふ〜なんて言いながら、人影に隠れ、
柱に隠れながら息子を見守り続ける。（そうです。私が変なおばさんです）

修学旅行に行っている間に何度か
写真を送ってくれとラインを送るも華麗にスルー。
「お金足りてる？」と送れば「うん」
「ペイペイ送金するから言うてな！」と送れば「はい」（お金で釣ろうとするあかん親）
スタンプを送ればスルー。
息子のスマホと私のスマホはリンクさせて、
位置情報が見られるようにしているのだが、
最近息子は低電力モードにしていて、低電力モードだと位置情報は
見られない。
沖縄の間だけでも低電力モードを解除してほしい。
その旨、ラインで懇願するも「むり」とつれない返事。
位置情報を見て何の意味があるのかって？
意味なぞない。ただただ息子の位置が知りたいだけである。

あかん。息子の修学旅行を邪魔したらあかん！と自分に言い聞かせる。
耐えろ、耐えるんだ。
娘の宿泊研修時（４泊）は小学生でスマホもないので、
先生方が気を使って日に何度か活動報告をしてくれていたが、
息子の学校は割と自由でスマホオッケーだからか、
出発してからしばらく何も報告がない。
仕方がなく私は事前にもらっていた活動予定表を眺め、
「今はエイサー見てるんかな〜」
「今頃、宿泊先着いたんかな〜」
「今は晩御飯食べてるんかな〜」と想像を巡らせて過ごす。

友達との写真は送ってくれないが、
夕ご飯（本当にご飯だけ）の写メだけ送ってきてくれた。
いらん。いや、それでも嬉しい。

耐えろ、耐えるんだ、と言い聞かせて、
帰ってくる日を迎え、もちろん空港まで迎えに行った私。
息子の姿をみつけた瞬間、手を振るも息子は手を上げて終わりの
塩対応。（思春期としては普通）
いいの、それでもいいの。
うずうずしながら駐車場に戻り、車に乗った瞬間抱きしめる。
「あーはいはい」とこれまた塩対応（それも普通むしろまだまし）

あんまりあれこれ聞いても鬱陶しがられると思い、
私は聞かずに耐えてきたが、
それでも翌日までついつい抱きつく回数が増えぎみ。
ちょっと大人の対応をしなければ、と
「ほら荷物自分で片付けなさい」なんて言ってみるが
気がついたら若干距離が近くなる私。
最後には「もういいって」と言われた。（それも思春期としては普通）

そうです。
幼稚園から足掛け10年。
やっとこれが普通なのだよ。
だから過度に喜んだり、悲しんだり寂しがったりしなくていいのだ。
でも、結構搭乗口まで見送っている親御さんは他にもいらっしゃって安心する。
私だけじゃないのね。

先日、修学旅行の写真がネットにアップされた。
パスワードを入れて親だけが観られるようにしてあるやつ。
息子センサーを働かせてくまなく息子を探す私。
帰ってきてからも「写真は撮っていない」の一点張りで、
息子は全く写真を見せてくれなかったので、一体どんな様子だかわからなかった
修学旅行の全貌が今明らかに！！！
ところどころ自由行動もあるので、わからない部分ももちろんあるのだが、
日によっては「カメラマンさん！ありがとう！！！！」と手を握りたくなるような息子ばかりやたらと写っている日もあった。
息子は自ら写りに行くタイプではないので、
「この子あんまり撮ってないな…」と気を利かせてくれたのだろうか。（自意識過剰）

ホンのちょっぴり息子からの「お母さんへのお土産」を期待していたのだが、
案の定というべきなのか、そんなものはなかった。
出発前に「（夫の友人）ちゃんとばあばには買ってきてな！」と念押ししたので、
それは買って帰ってきていた。
ばあばにはなんと、シーサー１対（2700円）
なんか…愛を感じる。
ばあばへの愛を感じる。
自分用に、と紅芋タルトとちんすこうを買って帰ってきていたのだが、
「それってつまり『家用』やろ？」と思って1個ずつ食べたら、
「自分用にもう一箱別に買って帰ってきたら良かった…」と言われた。
それって、つまり、やっぱり食べるなってことちゃうん？
え？食べたらあかんかったってこと？
「食べるなとは言うてない。」
え〜…彼の言うことがイマイチわからない。
とりあえずこれ以上は食べず、彼の機嫌を損ねないようにしたい。
母は、オールウェイズ片思いである。