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【覚書】年下男子について妄想する時

「ロマンスは別冊付録」を完走した。

https://www.netflix.com/jp/title/81045349


私は年下男子というものと、付き合ったことがない。
みな、1、2歳であれ年上ばかりだった。
そして最終的に、結婚した相手は二十も上の人。
年下男子というものには幻想しかない。

そんな私にも「ロマンスは別冊付録」というのが
メルヘンの極みであることぐらいはわかる。
「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の方が
まだ現実的だと思う。

でも、でも…
「メルヘンじゃん」「現実的じゃない」と言われようとも!
イ・ジョンソクに「ヌナ〜」と呼ばれているような錯覚に陥ることが
できる、このドラマを観ている時間が幸せだった。

単に好みの問題かもしれないが、
「ビッグマウス」を観て、「イ・ジョンソクのスーツ姿…いいやん…?」と
フラフラ〜と誘われるままに(いや、誘われていないが)
観始めたこちらのドラマでは、主人公が私と同年代、バツイチ子持ち、
それに対してイ・ジョンソクが「ヌナ」と笑いかけてくれる。
「え、私を呼んだ?」と答えたくなる。

年下イケメン男子の上に売れっ子作家という
メルヘン設定。
年下なのに、奢ってくれるし、
ありとあらゆるものを買い与えてくれる。
なんだ、この夢見心地な展開は。
二人の交際を反対する両親はすでに他界していて、
二人を遮るものは、自分の心のみ、という

どこまでも、イ・ジョンソクという年下男子を
ただただひたすら愛でてください

というドラマ展開である。
ソン・ジュンギからの流れで、ワタクシ、アラフォーにして
自分の好みを悟ったのだが、
色白・長身・小顔・口角上がった・スーツの似合う男子が好きなようである。
(今更)
ソン・ジュンギが一番なんだが、
イ・ジョンソクもいいね。
色白の、ほんのり唇が赤いところもまた可愛い。
不意に主人公カン・ダニの唇を奪うシーンには
身悶えてしまう。
絶対、ベチャッとかしなさそう!
幼い頃から少女漫画にて夢見がちに育った少女は、
ファーストキスの瞬間、
「え、なんかベチャってした!!!」という感想しかなかった。
イ・ジョンソクには「べちゃ」とかなさそう。
今、ふわっと唇包み込みましたよ!ヌナ!
唇、ぶつかってませんよ!

この年下男子が、年上のお姉さんに向かって
「ヌナ」っていうの…いいな。
年上男性に向かって言う「オッパ」も好き。
「トッケビ」を見ながら、「おお、我が家は『アジョシ』か」と
感心したものだ。

この名前以外の親しみを込めた呼び方があるってのは
なんというか…関係性の近さ・距離感・近付く瞬間が
明確ですごくいい。

日本にも敬語はあるけれど、たとえ敬語を話さなくても
「えっと、心の距離は遠いですよ」という人はたくさんいる。
学生時代に、バイト先で別大学の男の子が
私が一つ年下だと分かった瞬間にタメ口で話してきて
引いたことがある。
年齢の問題じゃないだろ。心の距離感だよ、と思った。

彼らは、ドラマを観ていると相手が年上なら誰でも「オッパ」
「ヌナ」になるわけではない。
「ソンベ」と呼んだり、役職で呼んでいることもる。
それが「オッパ」「ヌナ」に代わる瞬間の、ある種のときめき。
幼い頃から呼んでいる場合は違うのだろうが、
幼い頃から呼び合っているぐらいに近しい人ですよ、あなたは、
となるのだから、心の距離がグッと近づくのだろうな、と思う。

今度生まれ変わったら、私、韓国の人になって
「オッパ」と呼んでみたいなと思うこの頃。
もしくはイ・ジョンソクやチョンヘインに「ヌナ」と呼ばれたい。

ここだけは日本では相手が誰であろうが、
呼ばれることはないのだから憧れしかない。

人間とは悲しいもので、
自分の人生で得られなかったもの、もう得ることのできないものに
対して憧れを抱く。
別に夫に不満があるわけではない。(いや、あるけど)
そんなことを言えば、夫も
ソン・イェジンに「アジョシ」と呼ばれたいだろうよ。
私には今の所、夫が最良であることは重々分かっている。
それに独身時代は、舘ひろしや中井貴一、佐藤浩市・大沢たかおらを
「素敵❤︎」と思い、年下には見向きもしていなかったのだから、
若き日の自分に「年下男性」の魅力を説いたところで
受け入れず、今の自分の人生は自分で選んだもののほかならない。
そう、私に今ないものを欲しているだけなのだ。
ないものねだりなのだ。

それは分かっている。

その「ないものねだり」という心の空白を埋めてくれる、
それが私にとって、「ドラマ」という存在なのだ。
ドラマを観ながら、脳内変換によって、私は
「ヌナ」と呼ばれる人生を、その時間内だけ送ることができるのだ。




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朝月広海
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