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【読書の思い出】ドキュメント横浜高校VS PL学園

夏の高校野球が好きだ。
真夏のギラギラした太陽を受けながら、よく日に焼けた細い腕を高く突き上げる彼らの姿に胸が熱くなる。
額の汗を袖で拭う姿。
始めは真っ白であったはずのユニホームは泥だらけ。
その泥がなんと美しく見えることか。
プロ野球選手とは違い、まだ体の出来上がっていない彼らの華奢な肩には、
希望や期待、重圧がのしかかる。
けれど、それらを全身で受け止め、
ただ野球ができる喜びを体全部で表している気がする。

夏になるとテレビにかじりついて見ていた少女の前に現れた、
怪物・松坂大輔。
すぐさま虜になった。
強かった。圧倒的に強かった。誰も敵ではないような気がした。
しかし、「怪物・松坂」と騒がれる中で
選手の誰もが一人一人努力を重ね、優勝を夢見て戦っていた。
みながみな、一歩ずつ優勝へと向かっていた。
決して諦めない気持ちで必死に。
PL学園も本当に強かった。
とったり取られたり。
抑えたり抑えられたり。
詳しい内容がきちんとわかるほどではない私にも
見ていてただただ前のめりになる試合だった。
延長17回、テレビの前でずっと息を呑んで見守っていた。
途中塾の時間になって最後まで見られなかったように思う。
車でラジオをつけてもらって「どうなった?」と言いながら
塾へ行ったのではなかったか。
延長17回を投げて、さらに翌日の明徳義塾戦はでないのかと思いきや
最後登板して抑えて勝利し、さらに決勝戦ではノーヒットノーラン。
後日、感激しすぎて、読んだのがこちらだった。
父が購入して読んでいたのを私も読ませてもらった。
あの激闘の裏側が隅々まで再現されている。
あのとき、選手がどんなふうに思っていたか。
横浜高校の選手たちのチームプレー。
PL学園の戦略。
高校野球ってこんなにも奥が深いのか。

先日、松坂選手が勇退された。
現役にこだわり、メジャーで活躍したあと日本でまた選手として
活躍される姿には高校野球時代とは別の熱い感情をアラフォーに送ってくれた。
たくさんの拍手を送りたいと思う。

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朝月広海
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