飲食業こそもっと社会的なメッセージを発信するべきだと思う。
このnoteを読んでくれている人ならもうわかってくれていることを前提に話すけど、俺は自分のことをラーメン屋だとは思っていない。
もっと言うと『料理人』とも思っていない。
自分のことを特定のジャンルにカテゴライズしたくない。
「いや、あんさん食べ物作ってますやん。しかもラーメンによう似てますやん」
と言われると思うけど、俺はただただ表現活動をして生きていきたいと子供の頃から考え続けて、たまたまラーメン屋という職業に出会い、この仕事を続けた結果…
「俺はラーメン屋に当てはまらないな」
と気付いたからラーメン屋を名乗ることを辞めた。
ただそれだけだ。
表現をして生きていく
そんな俺が『表現をして生きていきたい』と思うようになったのは、間違いなくロックンロールとの出会いだっあ。
具体的にはブルーハーツとRCサクセションだった。
特にRC…
というよりも、忌野清志郎さんからめちゃくちゃ影響を受けた。
最初の出会いは12才だったと思う。
それまでも音楽が好きで楽しんで聴いていたが、何がロックかなどは(当然ながら)全くわからずに聴いていた。
なんとなくボウイとかがロックかと思っていたが、その認識をぶっ飛ばしてくれたのがRCサクセションの『COVERS』だった。
全編カヴァー曲で彩られたそのアルバムは、戦争反対、原発反対の詞で締められていた。
その過激さからか発売停止になったことを新聞の広告で知った。
広告を打ったのは他でもない忌野清志郎本人で、その内容は記憶が間違いでなければ
「内容が素晴らしすぎて発売停止になりました」
だった。
12才の俺は意味は分かっていなかったけど、「え?素晴らしくて発売停止になるの?!」となぜか興奮した。
何かそこに理屈ではない不穏であり、過激であり、人を惹きつける『何か』を感じた。
レンタルショップに急いで向かってCDを借りて、一曲目からぶっ飛ばされた。
「お前は殺しのできる年。でも選挙権もまだもたされちゃいねぇ」
今までそんな歌詞を聴いたことはなかったし、『選挙権もないのに殺しができる??』その意味を探ると、子供でも戦場に駆り出される国や地域があり、日本もかつては少年兵も繰り出されたことを知る。
こんな有名な人が、有名なアーティストが、こんなことを言うんだ!!
これこそがロックだ!!
と何がロックかなんて(つか今でも)わからないままに興奮した。
そして…
「いつかは俺も、こんな風に人に影響を与えられる存在になりたい」
と12才の時に決めた。
あの日から俺はずっとずっと変わらずロックンロールデイズを過ごしているだけだ。
もう少しパレスチナに関心を持ってほしい
昨日(2024.2/11)のニュースでイスラエルによるガザ侵攻でのパレスチナの死者が28000人を超えたと知る。
なぜこのニュースに日本人はここまで関心を持たないのか?本当に不思議でならない。
遠い他所の国のことだからか?
本当にイスラエルとパレスチナが対等の【戦争】をしていて、その戦争は『どっちもどっち』とか思っているのか??
この無関心さに本当に不安になる。
この国は、この国の国民は、本当に大丈夫なのか??
これは戦争なんかではなくて、イスラエルという植民主義のアパルトヘイト国家が、パレスチナ人の歴史や文化ごと、この地球上から消し去ろうとしているんだということを知ってほしい。
そしてその『犯罪主義国家』のイスラエルを、我が国日本が支持をしているということを知ってほしい。
なぜそこで、感情が揺さぶられないのだろう??
俺たちはパレスチナ人が、今この瞬間も死んでいくことに、『加担』をしているんだぞ??
なぜシンプルに
『戦争反対!』
の声が高まらないのだろう??
それは知識不足なのか?それとも想像力の欠如なのか??
わからないけども、誰かが叫ばないといけない。
戦争反対。
即時停戦。
イスラエルに対してNO!
その声は飲食業から上がってもおかしくない
自分も飲食業の端くれとして痛感していることがある。
飲食業はとても社会的な職業だと思う。
震災や戦争、環境破壊などによってこれまで当たり前に使えた食材が手に入らないことがある。
または材料の価格が高騰をして、今までの価格で販売ができなくなることがある。
東日本大震災の時は俺は神奈川県でラーメン屋を営んでいた。
計画停電が始まると、途端に営業ができなくなった。
やりたくてもできないのだ。
これほど無力なことはないし、ラーメン屋とは『都市生活の賜物』なんだと痛感した。
俺たちは社会情勢に常に左右させる職業なのだ。
世の中の変化を皮膚感覚で感じることのできる職業なのだ。
そして、その皮膚感覚をそのまま自分の料理…つまり作品に反映することができるはずだ。
ならば自分の中の違和感や、危機感、絶望感、または希望、夢、愛、この世の中への希求の想いを作品に込められると俺は信じている。
そしてそれらの感情を言葉にしてもいいと思う。
いや、するべきだと思う。
「政治的な発言をするとお客様が離れる」
のかも知れない。
だからと言って、本音を語らずにニコニコと(または無表情で)やり過ごすことが正しいとは俺には思えない。
俺は俺の中の素直な感情や想いをお客様に伝えたいし、お客様もそこから自分なりに感じたり考えたりしてほしい。
俺と同じ考えになる必要はないし、反対意見があったっていい。
これだけ残虐で一方的な虐殺が行われているのに無関心でいるよりかは、「南はうるさい」と思われた方がまだマシだ。
そのおかげで少しでもパレスチナに関心を持ってもらえるなら、それでいい。
ロックンロールデイズは続く
誰がこんなことを言った。
「ジョンレノンがイマジンを歌っても何も変わらないし、U2がサンデイブラッディサンデイを歌っても世界からは戦争も紛争もテロもなくならないじゃん。何も変わらないよ」
本当にそうか?
ジョンレノンのイマジンを聴いた当時の若者が、何人ギターを手にしたんだ?
そしてそのうちのなん人が次の世代のミュージシャンになったんだ??
ほら、間違いなく世界は変わろうとしている。
そして12才の時に忌野清志郎さんにバチクソ影響を受けた俺は、スープヌードルキュイジーヌという俺しか作れない料理を…つまりは俺だけのロックンロールを鳴らしながらいつもお客様に語りかける。
「少しでもいいからパレスチナに関心を持ってほしい。平和を実現したい。能登に安息の日が訪れますように」
と。
そしてまた、いつか誰かに俺もバトンを渡したい。
そんな日をずっと夢見ている。
必ず世界は変わる。
俺たちが意志を持ってまえにすすむことで、世界を変える。
それは飲食業から発信したっていい。
いや、するべきだ。
だから今日も明日も想いを込めて準備をして、また営業を始める。
そしてまた語りかける。
「愛してるぜ」
それはまるで清志郎さんのように!