FF16 ジルが好きになれない理由
もうどこにも吐ききれないので、ここに記すことにします。言葉を思いつけばまた更新するかもしれません。
※2023年9月、アルティマニアが発売され、それを拝読しつつ3回目までプレイしての感想などを追記しました。
ジル、どうしても無理だった
描写不足は否めませんが、気になるところを書いていきます。
にしてもクラジル、人気ありますね。
うーん、理解しがたい。
・最初はまだよかった
今やどんな視点で見ようが生理的に拒絶してしまう存在になっていますが、初見は途中まで何も思っていませんでした。一登場キャラクターとしての認識でしかなく。幼なじみ、兄妹のように過ごしたとありましたが、遠慮がちで大人びている印象、周囲に遠慮している存在を描く上で仕方なかったかもしれませんが、目立つところが無かった。テラスのシーンも見ようによっては両片思いに見えますが、あれはジルが片思いしてただけじゃないのかな、涙を見せられてクライヴが優しさ発動しかけただけではないかなと思いました。
・13年後の違和感
クライヴと遭遇し助けられるシーンですね。
正直、戦場で、顔も身なりも違って多少汚れていて、戦闘中にバシバシ戦って気付けなかったのに、倒れた瞬間に気づくもの?男はともかく女は変わりますからね…。どんなに手入れしていなくても、10年以上経過して、ひと目で気づく描写に違和感がありました。
また、目覚めた時に抱き合うシーンがありますが、幼少期にそういった仲良しエピソードや心の距離感が描かれていなかったので違和感。
その後もイーストプールで「死のうと思ってた」告白もありましたが、13年も経って、おそらくニサ峡谷以外でもこれまで戦禍に立たされてきたであろうになぜ今?現に死のうと思っていたのに人質を取られたと理由をつけて戦っていたじゃない…どのタイミングで死のうとしていたのか、想像に想像を重ねないと語らなすぎで、しんどい。
側にいたい、一緒に戦う、というヒロインはよくある話ですが、ここまで個性が無いのに出しゃばってくるのも珍しいなと思いました。
決定的にあぁジル無理かもと思ったのは鉄王国に向かう時。これは完全に開発面でのサボりだと思いますが、ジルの背景が描かれてなさすぎで、語られる内容とジルの描写に差がありすぎて置いてけぼりでした。
自分を獣と呼ぶところも、プレイヤーとしてはジルの獣感を感じるシーンが一切なく、本人がただ言ってるだけ。獣=人の言いなりに飼われるもの、という認識なのでしょうか?だったらベアラー落ちしていた方が説得力あったのでは。淡々と戦い、知性と理性に満ちた振る舞いしか見てきていないこっちは全く共感できなかった。死にたいと言いながらも弱い自分の意志に勝てなかったジルは、獣ではなく、ずっとただの弱い人だったのではと思いました。奴隷として耐えたベアラー達の方がよっぽど心を消費したことでしょう。もっと壊れていたり、病んでいたり、無茶苦茶に乱暴になっていたり、ギャップがあれば良かったんですけど、無かったですからね…。
逆にクライヴの場合はベアラー兵経験から荒ぶる態度がプラスされましたね。まぁ少年時から「くたばれ!」は健在だったので、元々ワイルド素質は持ち合わせていたと思っています。
手籠めにして殺された女性を何人も見てきたけどジルは何もされていなくて、他人の様子を見ただけで「玩具にされる」という表現が出てきたのにも驚きました。当人ならまだしも。玩具にされて可哀想だと思っていたという事でしょう?そうやって同情しながらも、13年もの間終わらせずに大量虐殺してたなんて、どう捉えてもそんなヒロイン、ちょっと受け入れがたい。
城で育ち思春期多感な頃に戦禍に巻き込まれたクライヴが身近な幼なじみにしか心が開けない設定なんだ、仕方ない、と受け入れるしかありませんでした。
鉄王国繋がりでもう一つ言うと、過去と決別したいからと言ってドレイクブレスついでに船に乗っていくくらいならそれまでにやっておしまいよ。イムランも殺す必要なかったと思う。本当にただの逆恨み。
もっともっと、弱さを見せてくれていれば、よかったんだけど…。ジルは鉄壁の心の持ち主だから最後まで生に執着したし、一人だけでも生かされたのだと思います。
(以下追記)
アルティマニアから、13歳でイムランの夜伽を拒否するかのようにシヴァ覚醒したとありましたが、それで利用されてしまっていて尚更呆れました。全く救いの補足になっていなくて。以降弱き少数を助けて無関係な多勢を殺していくわけですよね…長いものに巻かれ逆らえないただの人、という印象に変化ありませんでした。3回のプレイ中、クライヴに感情移入して好きになろうと努力したのですけど…。誰か、この女のどこか良い点でヒロイン枠として必要だったのか教えてほしい。
・海外ドラマじゃないんだから
と申したいのは、声です。
声優さんは悪くない。ですが、あまりに酷くないですか。海外ドラマの吹き替えじゃないんだからと思いました。クライヴを始め、他の声達は普通なのに、どうしてジルだけ芝居めいているのか疑問でした。口調の影響かなとも思いましたが…。戦闘中やたら「クライヴ」って呼ぶの本当に耳障りでやめてほしい。
英語版は良かったので、ジルの音声だけ英語にしたかったです。何を話してるかなんて字幕でも分かるし。残念でなりません。
「クライヴ」って呼ぶあの声、本当無理だった。
あと30歳にしては老け声でしたね。
眉毛はあんなに細くて若作りなのに。
・いつだって受け身姿勢
待ってる、待ち続ける、見守り続ける
そのために私は生きたい
という姿勢が目に余りました。
恋愛面でもそうですが、息がかかりそうな程顔を近づけておきながら、相手がキスしてこなければしない。二度も攫われておきながら、しっかり助けてもらう気満々なところとか。
あれ君、以前死にたかったんじゃなかった?と思いました。大切にされる存在だからこそ、きっと助けにきてくれるという待ちのスタンス、敵に抗おうとしない姿に、やはり元獣としてのニオイは感じませんでした。ちょっと抵抗してみるもダメならすぐ諦める。ドミナントの中で一番石化したくなかった人なんじゃないかと思っていました。(クライヴが思ったのではなく、本人が)
それにしても船で連れ去られた時はいよいよ目の前で殺されてミュトスピンチに一役買って出ると思っていたので、本当に残念でした。ジルは賢い子だから、自分が死ぬことでシヴァが消滅し、器完成度が高まるのを防ぐという考えに至りそうなものなのに。ご都合主義ですかね。
・海岸での一件から彼女感が目に余る
裸のシーン、石化は一体どこへ?石化して可哀想に、という僅かな同情さえ無くなりました。スクショしても分かりませんでした。確かタルヤ心配していたと思うし血も吐いてたと思うけど。
私は上記のように呆れた視線でしかジルを見れなかったので、最高の笑顔と称されたお顔は悪女の微笑みにしか感じませんでした。全ジルファンを敵に回してる自覚あります。
よかったね、ついに結ばれたね、待った甲斐あったね。
船を待つ間佇む二人は、昨晩お楽しみでしたねの雰囲気満載。奥手を装っていたジルにまんまと手籠めにされたクライヴを心配そうに見守る母親の気持ちでした。
以降、人目をはばかることなく抱きついたりするわけですが、恋人と決別したばかりのディオンの前で抱きつくのはデリカシーが無かったですね。まさに恋は盲目というところでしょうか。
開発側も、一線超えてしまえばあとはいいだろ、と開放的になってしまったのかな。
(以下追記)
アルティマニア年表から、30歳で積年の想いが実り結ばれる等というのがありましたが、恐かった。積年ですよ、積年。恐怖以外なにものでもない。あと30歳までの処女を抱かせるなんて開発陣どうかしてると改めて思いました。結ばれる必要ありました?もう結局それしかない。そして、年表に書くくらい重要なことです?やっぱり恋愛要素はいりませんでした。それに尽きる。
・私の宝物
これ、気になって友人に打ち明けたら同志がいて安心したのですが、大切な人の事を宝物と表現するのってアリです?幼い子供ならまだしも。
日本語で表現する時に使うとすれば、自分よりも下に見てる人に対していう言葉。自分の子供が幼い時など、ですね。というか年相応の相手に言う言葉としては個人的には少し失礼かとも思ってしまう。しかもこれまで賢くて理性があって常識的だと思われている人が。
英語ならまだしも、日本語だと違和感あって受け入れられませんでした。
しかも、これまでベアラーや奴隷をさんざん扱って来て救ってきて「これからは人と同じ様に生きて良い」と豪語してきたのに、まさかの宝物。
口調や発声からも少し態度が大きく上から目線の偉そうな印象でもあったので、ジルからはクライヴの事は対等もしくは上からの目線で見ていたのかもなと思わざるをえなかった。アネゴ肌的な?どうしてこんな台詞になってしまったの。
ちなみにこのイベントをやってしまうと、オリジンに向かうまでパーティメンバーになってしまうため2回目以降はクエストやりませんでした。
1回目、ジョシュアとトルガルの3人だったのに愕然とさせられました。
・物語のヒロインとしては成り立ってるから仕方ないけど良しとする
チープな描き方ではありましたが、色んな愛を表現する上で恋愛要素を取り入れたかった気持ちは伝わりました。
まぁジョシュアの兄さん愛が強すぎて、女性のヒロイン必要だったか?と疑問はあります。
ただ、そこにはめ込んでくるなら、しっかりジルという女性を描いてほしかった。生きてきた背景、性格構成、なぜクライヴじゃないとダメだったのか、それが伝わってこなかった。プレイヤーがジルの事を好きになるタイミングがなかったのが原因だと思うけど、じゃあ逆に刺さった人はどこにも疑問を持たなかったのかな…それも凄い。
米津玄師さんのテーマに合わせて、切ないエンディングにピッタリの二人なのは分かります。でも、いなかったとしても物語は成り立ったと思えてしまうのが寂しい。
結局のところ、クライヴが大好きになってしまったが故に、彼の求める些細な幸せのためには理解するしかないな、というところに落ち着いています。ストーリーを疑問なくそのまま受け止めるなら、それでいいですよね。
・まとめ
補完されていないエピソードだったり、その背景は知りたいですが、今後小説やDLCで補ってほしいかといえばそれは必要ないなぁと思ってしまう。もう今更なんですよ…。もうあとは妄想でカバーします。してます。
これだけアンチヒロインを書いておきながらですが、ヒロインのダメさはさておき
総評して、面白かったと思います。
全体を通してストーリーは単調、バトルも簡単。見せ場もたくさん、映像も綺麗。与えられた場面を見てるだけで簡単です。
ただ、これまでナンバリングをプレイしてきた人にとっては少し物足りない。また、キャラクターや歴史の背景が気になったりする人にとっては、1回目のプレイだけでは納得いかない部分が多いです。
ジルに関しては大方、良心的な見方が多い事に驚いています。なぜ…。おかげで声優さんまで苦手になってしまいそうで、こんなの初めて。
(以外追記)
DLCが2本、出ると決まったようです。
ジルについてもっと好きになる要素がほしいと思ってこの記事に連ねましたが、DLCではぜひヴァリスゼアの歴史や、リヴァイアサン、灰大陸と外大陸の関係などに集中してほしいです。