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‪未来を担う子どもたちのために/日本新薬株式会社

南区情報ステーション「みなみなみなみオンライン」は,京都市南区役所が,南区に関わる誰もが南区をもっと知って・学んで・楽しんで・好きになってもらうことを目的に,南区の皆様によるまちづくり活動の紹介,区役所からのお知らせ等を,SNS等を用いて配信するWebサイトです。このnoteでは,まちづくり活動に取り組む方々,地域貢献活動などに取り組む企業・事業者の方への深堀りインタビューを掲載していきます。

「日本新薬株式会社」は,1919年の創業以来,100年以上の長きにわたって特長ある薬づくりに取り組んでこられ,特に肺動脈性肺高血圧症やデュシェンヌ型筋ジストロフィーといった難病,希少疾患の治療薬の開発で大きな成果をあげておられます。

今回は,そんなお薬の研究開発をしている同社が,「絵本」に関する取組をされていると聞き,JR西大路駅の北側にある本社オフィスにお邪魔して話を伺いました。

お話をきいた人
久 智子(ひさ ともこ)さん / ESG・内部統制推進部 ESG推進課長
坂 智子(さか ともこ)さん / ESG・内部統制推進部 ESG推進課 課長補佐

長年つづく「日本新薬こども文学賞」

まずは,「日本新薬こども文学賞」の取組についてご紹介いただきました。

こども文学賞は,「未来を担うこどもたち一人ひとりが夢や希望を持ち,健やかに成長してほしい」という想いからはじまり,日本児童文芸家協会の後援を受けて,物語と絵画の2部門で広く作品を募集し,選ばれた両部門の最優秀作品で絵本を制作するプロジェクト。

第13回として開催された2020年度は,4ヶ月の募集期間の間に全国から物語1,133点,絵画218点の作品が寄せられたとのこと。応募作品の中から物語と絵画各部門の最優秀賞を含む16点の入賞作品が選ばれ,両部門の最優秀作品で制作した2万冊の絵本は,全国の医療機関や図書館等の公共施設を通じて子どもたちのもとへ届けられています。また,作品の読み聞かせの音声付き動画をyoutubeで配信されているそうです。

はじまりは,創立90周年のプロジェクトから

このプロジェクトのはじまりを担当したのが,久さん。当時,90周年の記念事業を検討するチームメンバーに選ばれ「社会貢献」をテーマにアイデアを考えていた際に,未来を担う子どもたちのために何ができるかを議論したとのことでした。そのとき,子どもたちに手にとって触れてもらえるものを残したいという想いから「絵本」というアイデアにいたったそうです。

また,当初は「単に作家に依頼して絵本を制作して配布する」という案もあったが,より多くの人たちに関わってほしい,届いてほしいという視点から「参加型の文学賞」というかたちに変わり実現したとのことでした。現在,850箇所ほどの全国の図書館や病院,銀行に寄贈したり,京都市にも500冊ほどを寄贈し,小学校や幼稚園,児童館等で子どもたちの手にとってもらえるようになったそうです。

また,「きらきら未来こども募金」という取組では,社員に募金を呼びかけ,公共施設への大型絵本の寄贈や朗読会の実施などに充てているそう。一般の方からも寄付を受け付けており,寄付者にはこども文学賞で制作した絵本をお届けされています。

創立100周年でつくられた「きらきら未来ゴー!」

活動はさらに発展をしていて,開始から10年後には,創立100周年記念事業として,2019年11月,子どもたちに夢ある読書体験をしてほしいと願い「はしる図書館 日本新薬きらきら未来ゴー!」をつくられました。

(webページより)

「きらきら未来ゴー!」は,こども文学賞で制作した絵本を含む約1000冊の絵本や図鑑,ユニバーサルデザインブック(点字や聞く絵本),タブレットで閲覧できるデジタルブックなどを搭載した車で,イラストレーターの山内マスミ氏が描いた,豊かな緑と海と陸の生き物に囲まれ幸せに暮らす子どもたちのイラストでラッピングされています。

これまでに,京都市教育委員会のイベントへの出展や,近隣の幼稚園や小学校,児童館などへの訪問のほか,公園のイベントなどに呼ばれて行くこともあり,子どもたちやスタッフから「また来てほしい」という声をもらい好評とのこと。

もし,「きらきら未来ゴー!」が伺えるイベントがあれば,声をかけてください!とのことでした。

ボランティアプログラムの導入・活用

更にお話を伺っていくと,日本新薬では,2020年4月よりボランティアプログラムを導入し,社員がボランティア活動をする際は「ボランティア休暇」や「ボランティア離席(3時間未満の離席)」といった制度が活用できるそうです。1人での活動はもちろん,同じ部署のメンバーや同期社員の活動,また,家族での参加なども進められていて,現在のコロナ禍においてもさまざまな社会貢献に取り組んでいるとのことでした。

この制度を利用して「きらきら未来ゴー!」が訪問する際も,社内スタッフが子どもたちに本を届ける役割を担っているそうです。いろんな部署の社員が参加してくれていて,子どもたちと触れ合う時間では笑顔になっている様子も伺えて,よい活動になっているとのことでした。

(webページより)

地域への貢献へ

最後に,今後の取組の展望についてお話を伺っていくと,本社のある「西大路エリア」を中心に,地域への貢献ができないかを検討されているとのことでした。

現在行っている日本新薬硬式野球部による近隣の幼稚園との交流事業では,今後は他の団体や事業者の方々と連携する方法を考えておられるそうです。

(webページより)

その他にも,社屋で夏の節電対策にもつながる「グリーンカーテン」を実施し,環境に意識を向けるための活動を行ってみたいと考えていたり,「西大路マルシェ」といったイベント開催も検討していきたいとのことでした。

もし記事をご覧になって,日本新薬さんとの取組を考えたい方や「きらきら未来ゴー!」に参加してほしいイベント等がある方がいらっしゃれば,ぜひ問い合わせてみてください。

南区情報ステーション「みなみなみなみオンライン」
取材/文 まちとしごと総合研究所

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