ふきだしがかり(1)
今朝、「Ninja World」の日本向けプレスリリースが出ました。昨日の夜中は画像データの差し替えやテスト配信を繰り返しててんやわんやでしたのでほっとしたのもつかの間、スケジュールに合わせて作画が進んでいるか、デザイナーさんに頼んだアイテムのデザインがいつ揃うかなど気にしながら、翻訳に出すセリフや擬音をエクセルファイルに書き出しているところです。原作者というよりは、何でも屋という感じでしょうか。
このプロジェクトでは原作者は自分の担当する作品の制作進行管理や漫画家さんとÉnmaku間の折衝・調整業務も行っています。
原作を書いて終わり。ではなく、原作を書いた後も仕事はありますし、漫画家さんを探してくるのも原作者の仕事でした。
プロジェクトÉnmakuは原作者チームを中心に最小限の人数で家内制手工業的にやっています。
もともと私は原作者のカウントには入っていませんでした。星野さんの頭の中ではカウントに入っていたのかも知れませんが、私はもともとプロジェクトの運営に関してアドバイスを行う立場でしたので、
「フラットな関係で話が出来るように『先生』という呼称をこのプロジェクトで使うのはやめましょう」とルールをつくったり、必要なツールを選定して運用するバックオフィス要員のつもりでしたし、後に書くワークショップに出ていたのもその延長線上の感覚でした。
普段は製造業で事務をやっています。今の会社は国内・海外両方に製品を販売しているため、同じ製品でも国内向け専用の機能をつけるとか、その逆に海外専売や、特定の企業向けにカスタマイズするモデルを作るなど仕向けによって製品の仕様が変わることが結構多いです。
最初、星野さんとはメールやメッセージのやりとりでしたが、音声で話した方が早いと言うことになり、そこで色々と思いを伺っていました。
その時についうっかり、
「国内で売れないんだったら、どうして海外で売らないんでしょうね。」
といっちゃったのがこのプロジェクトに関わるきっかけでした。
ある程度の規模の会社なら日本で物が売れなければ、海外で新しい市場を開拓します。日本向けの製品がそのまま売れればよいですが、多くは何らかの形で輸出先に合わせて調整する作業が発生します。
とはいえ、その手間(と輸出先の政治的リスク)と売上を天秤にかけて利益が出るのであればやるのが企業の道理です。何らかの形で売上を立てない先には倒産が待っています。
日本で作品が非常に売れる人、過去のヒット作・固定ファンという財産がある人は、このままでも生き延びられるのでしょうが、そうでない人はこの先どうすればよいのか。海外に出稼ぎというのも一つの道じゃないのかという思いが、プロジェクトに関わる礎になっています。他の方々はそれぞれに違う考えをお持ちだと思います。
まぁ、そんなこんなで関わることになったのですが、原作者もとい、久米田康治氏がいみじくもおっしゃった「吹き出し係」をやることになってからの話は、また後日。