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違うから、面白い!

こんにちは!
今年ももうあと1カ月となりましたね。
毎年この時期になるとこんなようなことを書くと思うのですが、、
あっという間の1年だったような、
いろんなことがあった1年だったような、
きっと充実した一年だったと思います。

今年1年の振り返りは来月に書こうかなと思いますので、
今月号は前号からの続きで、
「外国人とのクリエーション」
について思ったことを少し書こうと思います。

ブータンの方のクリエーション

僕の住む海士町はJICAとのつながりでブータンの方が毎年のように研修にやってくるのですが、今年も10名のブータンの方が海士町に2週間ほど滞在し、その中でデザインの講習をさせてもらいました。

前回は通訳の方に頼りっぱなしだったのですが、今回は英語で資料を作り、英語でプレゼンや授業をさせていただきました。
つたない英語なので、ところどころ通訳の方に助けてもらいながら、僕もたくさん勉強させてもらいました。ありがとうございました!


伝えるデザイン

今回のデザインの研修では何を伝えようかと思ったのですが、国の行政や地域のまちづくりに関わる方たちで、皆さんデザイナーというわけではないので、表現としてのデザインの研修と言うよりは、伝えるためのデザインのプロセスの研修をすることにしました。

それぞれの参加者が、いろんな地域から集まって来ていると言うこともあり、「何を考えて、何をしたいと思っているのか」をこの研修を通じて知ってもらい、自分の思いを伝えるためにどのようなプロセスでデザインしていくと良いのか、ということを考えてもらうワークショップをさせていただきました。

海士町に来て何を感じて、何を持って帰って欲しいかなと思ったら、やはり「ないものはない」かなと思います。
「ないものはない」というのは、
「全てここにある」と言う意味と「無いものは無いんだから仕方がない」と言う2つの意味があります。
でも、
ないならアイディアを出し、それに変わるもの、いやそれを超えるユニークなものを作っていこうと言う考え方です。


今回は、ロゴマークを考えてもらいました

以前のブータンの方への研修ではチームになってもらい、自分たちのアイデンティティーを探るためにみんなで自分の地域のロゴマークを考えてもらう研修をしましたが、今回はより身近な自分を見つめ直してみるというプロセスからデザインをしてもらおうと思い、それぞれ自分のロゴマークを作ってもらいました。
名刺に載せるとしたらどのようなロゴマークを作りますか?と言うようなイメージで考えてもらいました。

なぜかと言うと、ロゴマークと言うのは1つのモチーフ(形)で自己紹介するものです。

企業のロゴマークなど、たくさんのロゴマークが世の中にあると思いますが、すべて自分たちの意思や思いが込められています。

さらにそこには、他とは違う自分らしさの独自性も必要になってきます。
例えばSNSのアイコンもぱっと見て違いがわかるように色やデザインを差別化し、自分たちの独自性や、どのような人にどのような気持ちで使って欲しいかというのを意識して、色や形などをデザインしていると思います。

そこで今回のワークショップでは、ロゴ作りを通じて、皆さんに、どのような思考プロセスでアイディアを組み立てて、自分のアイデンティティーを非言語で表現するワークショップをしてもらいました。

その結果、10人の方がそれぞれ全然違うロゴマークで自分らしさを表現することができたと思います。

例えば自分のイニシャルである「N」と言う文字をシンプルにそのまま表現し、その3つの線にそれぞれの思いを込めていました。
1つ目が自分が向かうべき壁。(左の垂直の線)
2つ目が自分が落ち込んだ時。(中央の右下下りの線)
3つ目がそれをもう一回立て直す意志。(右の垂直の線)
という意味を「N」の3つの線と言うアルファベットの形に込めたと言う素敵なロゴでした。

他にも多彩な色でイラストを描いていたり、ブータンの国旗のオレンジと赤を基調にして名刺を作る方がいたり、様々なアイディアがここに溢れていて、みていて楽しかったです。

きっとブータンの方々も、他の人のロゴマークを見て、
「こういうことをやりたい人なんだなぁ」とか、
「こういう環境に身を置いてるのかなぁ」とか、
その人の「らしさ」が、ロゴマークを通じてより深くわかってくれたのではないかな、と思っています。

研修後には、自分の頭の中が整理されて面白かったと言っていただけて、良かったなと思いました。もし興味がある方はぜひ自分のロゴを作ってみてくださいね!
自分の中で眠っている何かが発見できるかもしれませんよ。


フランス人映画監督のクリエーション

前号でもお伝えしたように、9月に行われた後鳥羽院芸術祭にアートトラベラーとして参加してくれた、映画監督のルーさんが隠岐で映画を撮るとのことで、芸術祭に来た後に映画の説明やロケハンで何度か来てくれました。

僕は隠岐に住んでいるので、ロケハンやロケに同行したり、いろんな人に会ってもらったり、気の合いそうな人をつなげたりしながら映画作りを横からサポートしながら見させてもらっていました。

そしていよいよ今回、1週間ほどの日程で映画の撮影を行いました。
今回は監督や役者プロデューサー兼カメラマン含めて4名ほどのクルーやスタッフです。少人数だから小回りが効き、その場その場で感じたことを作品に落とし込みやすいというのを横で見てすごく感じました。

おそらく大所帯の撮影では、事前に必要なカットや構成やアングルなどを決めてそのイメージに沿って作っていくと言うやり方だと思うのですが、今回の少人数の映画では、天気はもちろん、この土地の雰囲気や登場する島の人たちの感覚に合わせて微調整していったんだろうなと思います。

映画作りと同じように、広告の仕事も少人数と大所帯では準備やつくるプロセスも違うので、ものづくりの感覚は一緒なんだろうなと思いました。
僕は東京の時は割と大所帯での仕事もしていましたが、海士町に来てからのように少人数でやるのも面白いし、自分や規模に合ったクリエイティブができるいい時代になったんですよね。

映画のテーマというかキーワードは「カラス」

ここ隠岐にも、監督の今住んでいる東京にも、フランスにも、カラスはいますよね。
カラスを見て何を思いますか?

フランス人監督の目線で隠岐を切り取るとこんなふうに見てるのか。
とか、これをいいと思う感覚は同じだなとか、そんな共通点や違いを楽しみながら映画を作る現場を初めて観させてもらったので、とても面白かったです。



事前情報なしで見るドキドキを

作っているのはショートフィルムなので20分程度の作品になるそうです。
映画の見方はアートの鑑賞と同様にさまざまでいいと思うのですが、僕個人としては、内容はここではあまり語らず、初めて見るときの感覚を大事にしてみてもらいたいなと思います。

最近は事前の口コミなどで、あらかじめ面白そうとか自分に合いそうとか、ある程度知ってから展示やイベントを見に行ったり、物事に取り組む人が多いような気がしています。

でも僕は、SNSなどで知らない人の情報に左右されるのではなく、自分で面白そうと判断したものを見に行くのが好きです。
その結果、当然面白かったり、面白くなかったりする。
2000円損したーとか、2時間返せーとか。
そういうふうに自分で選んだ結果がダイレクトに自分に返ってきた方が、ものを見る目が養われていくとおもいます。

僕は映画を見る場合、予告編もあまり見たくなくて、事前情報はなるべく無いまま見たいんです。
事前情報はサムネやチラシのビジュアルとコピー、監督や出演者で十分で、初めて見る映像のワクワクとドキドキを楽しみにして見たいなと思ったりしています。

初めてってなんでもワクワクドキドキしますよね。
でも、その感覚って2回目以降にはもうなくなっていて、やっぱり初めてって何か刺さるものがあるんだろうなと。
そんな感覚をクリエイティブでも大事にしたいなと思っているからかもしれません。

もちろん、最初にも書いたように、これはアートの見方同様で、好みですので、ご参考になのですが、情報あふれる現代だからこそ、ぜひそんな見方も試してもらいたいなと思います。

映画の試写会は隠岐(島前・島後)でしようと思っていると言ってもらっているので、ぜひお楽しみにしてください!


違うから、面白い

今回のように自分とは生まれたところが違っていたり、育った環境が違っていたり、見てきたものや聞いたものが違っていたり、そんな様々な違いを感じて、その違いの中から自分らしさを発見していくことを改めて考えました。

「ないものはない」は、そんな違いの中から見つけられることかもしれないですね。

僕の今住んでいる隠岐島の海士町は、僕の生まれた東京の渋谷とは大きく違う場所です。そんな環境に身を置いているから、違う考え方が生まれたり、地元の人との違いから自分を見ることができたりする。
そんな環境にいるのかもしれません。

ぜひ皆さんも「違う」と言うものを見つけて違いをポジティブに捉え、違うからこそ面白いと言うことを考えながら、デザインや生活をしてみたら、また違ったふうに世の中や自分が見えてくるかもしれません。

逆に、全部同じものだらけの世の中だったら、つまらないですよね。
全部同じだったら旅に行く楽しみもないし、コミュニケーションの楽しみもない。
だから、違いに価値を感じて楽しんでいければいいんだと思います。
(四季があり、旬があるのはそういうことなのかもしれませんね)

身近でできることは何かな?と思ったら、
オリジナルで作ったり、カスタムをしてみてください。
「自分だけの〇〇」ができれば、当然のように他とは違うものができて、愛着も湧きますし、そこに価値が生まれると思います。



今年もあと1ヵ月、寒い日があったり、暖かい日があったり、体調を崩しやすい気候が続いていますが、適度な運動や自分に合った食事やサプリメントなどを補給していこうと思っています。

季節の違いも楽しみながら、鍋やコタツなど、夏にはできない違いで、これから来る冬を楽しみましょう!

それではまた!

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