自学ノートとは何か。ー自学ノートには、いったい何を書けばいいのか。日本とロシアのノートの違い。ー
こんにちは。
自主学習ノート、略して自学ノートというものが日本の小中学校にはあります。
地域によって、「家庭学習ノート」とか「ひとり勉強ノート」とか「自由学習ノート」とか、色々な呼び名があるようですが、要するに、家で勉強するためのノートです。
米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』によれば、ロシアの小中学校では
「ノートは、先生に見せる清書であって、決して書きなぐったり、いいかげんに書いたりしてはいけないもの」らしいです。
※この本では、チェコにあるロシア学校のことが書かれています。
ロシアの試験が基本的に口頭試問とかレポートであり、日本のテストとは形式が違うので、ノートの扱いも違うのだと思われます。
さて、学校の自学ノートに苦戦している、という小中学生も多いんじゃないでしょうか。
学校や担任の先生によっても違いますが、私は個人的に、自学ノートは清書ではなく「練習用紙」だと思っています。
こんなことを書くと「ノート作りに必死になっている小中学生のやる気を削ぐ!」という批判がありそうですが、まあ、色々な考えがあると思うので。
それで、例えば1時間かけて自学ノートを1ページ仕上げる、という人がいます。
これを
「がんばっているじゃないか!」
と褒める方もいらっしゃると思いますが、少し時間をかけすぎではないか?
と私は思ってしまいます。
たいてい時間をかけてしあげた自学ノートには共通点があります。
①カラーペンがいっぱい使われている
②文字がびっしりつまっている
③絵や図が細かく描かれている
④問題文ごと写してある
⑤書いている途中で何回か休憩した
①〜④をオススメする担任の先生もいますね。
特に④の理由は
「問題文を書かないと先生がノートをチェックするとき、何が書いてあるかわからないから。先生のためにわかりやすく」
というものです。
私は、これには賛成できません。
自学ノートはあくまで「自分が家で勉強するための紙」に過ぎず、いちいち担任の先生にわかりやすく書く必要はない、と思うからです。
小学生のときに
「算数の文章問題を問題文ごと全部ノートに写して解く」
ということをやっている生徒は、それが習慣化されて、中学生になっても問題文を写すようになります。
例「問2 Aさんは9時に家を出発し、分速60メートルの速さで図書館に向かいました。15分後に兄が自転車で分速100メートルで追いかけました。途中で兄は弟に追いつきました。兄が弟に追いついたのは何時何分でしょう。」
このような問題文をノートに写す必要があるでしょうか?
私は、必要ないと思います。
ノートの上の方に
「p3 問2」
くらい書いて、あとは式と答えだけをノートに書いて、自分で丸付けすればよい、と思います。
場合によっては、計算、筆算も消さずに書いておけばいいと思います。
そうすれば、1ページ10分〜15分くらいですむし、途中、You Tubeの休憩を入れずにすみます。
※「You Tubeを見る間の休憩がノートづくりなんだ!」
という人は、まあ、それも自由ですけど…。
ノートづくりをあまり必死でやりすぎると勉強ではなく「作業」になってしまうので、注意が必要です。
大切なのは「しあがったキレイなノート」なのか、「勉強をするためにノートを使うこと」なのか。
私は、自分に必要な勉強を、ノートという道具を使ってする、というやり方でよい、と思います。
しかし、これを読んで
「自学ノートに計算だけ書いたら、担任の先生に怒られた。もっと色ペンを使ってまとめろと言われた!」
という場合、そのときは、担任の先生と交渉して下さい。
●米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』、『オリガ・モリソヴナの反語法』
この2冊は友達に薦められて読んだのですが、どっちも面白かったです。ロシアやチェコの学校が出てきてきます。
オススメの2冊です。