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あかりの「あ」


「一番やりたいことで
成功なんてできっこない…」
本当にやりたかったことは諦めて
なんとなく就職。

仕事はそれなりに楽しく
充実していたが、
ピタリとハマる感覚はなかった。

29歳で結婚。
迷いながら、最後は親から離れたくて決断。
そんな結婚が長く続くわけはなく
出産を機に、価値観の違いは
浮き彫りになっていった。

それでも幸せな家庭をつくりたくて
家族を優先できるように
会社を辞めてフリーランスとなり
在宅ワークへと働き方を変えた。
それでも溝は深まっていく。

*****

息子はスピリチュアルだった。
生まれる前の記憶があったし、
新月や満月の夜は大泣きした。

夜、息子が寝ている間に夫婦喧嘩をした時は
「せっかく赤ちゃんが見に来ていたのに
帰っちゃったじゃないか!」と
朝起きるなり怒り出したこともある。
「ごまかせない…」と、私は離婚を考えはじめた。

*****

ある人との出会いも大きい。
自分を良い状態に保つために
細々とでも続けようと続けていた趣味の活動で
出会った人だった。

博愛に満ちていて
世間の常識にも囚われていない
浮世離れした人だった。

はじめは偽善を疑うほど
その口からは綺麗な言葉しか出てこなくて
今思えば、この頃から
私の見えない部分が変化しはじめたようにと思う。

離婚後は安定のためには
会社勤めをした方がいいという
勧める周囲の声もある中。
「まずはフリーランスで頑張ってみて
ダメなら就職します」と
私は、この彼に言っていた。

この時、あかりの「あ」。

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