Re:ステージ新ユニットEP「誘宵アバンダンス」「カラリコロリ」歌詞考察とかレビューとかユニットの話(後半)
前半「誘宵アバンダンス」から続きまして、後半「カラリコロリ」についてやっていきます。
カラリコロリ
ハピかわ!
とにかくかわいい。カラフルなキャンディがカラリコロリと転がるようなポップでキュートなナンバー。リステのユニット曲ではこれまでこんなにストレートなラブソングは無かったのでは?
(トロワアンジュのソロ曲はめちゃラブソングでしたね)
空野音々(C.V.吉武千颯)さん、声かわいすぎ問題。
僕は吉武千颯さんのお声を初めて聞いたのが「ラブライブ!スーパースター!」に登場するサニパのパの方ことサニーパッションの聖澤悠奈ちゃんだったのでCV発表時点でどんな声になるかは大体察していたのですが、創造よりもさらに「カワイイ」に振った歌唱でしたね。
入れて来るよねーイメージカラー。王道だけど好きです。
ミント味が入っているということは終売になった缶入りのサクマ式ドロップスかな。サイダー味は入ってなかった気もする。
全体的にキーが高くてファルセットになっちゃう部分は少し力弱くて残念だけど、キーを下げるとそれはそれで曲の良さを損ないそうではある。
この曲を聴くとしばらくの間頭の中で「カラリコロリ…」と鳴り続ける状態異常にかかる。
泡白昼夢
ゆめかわ…
いやー好き。浮かぶ感じを浮遊感というのなら、溶ける感じは溶解感?融解感?潮解感?ふわとろ。
こういうチルい曲もリステではこれまで無かったかな。
古海チエ(C.V.中林新夏)さんのウィスパーボイスがめちゃくちゃ良いです。
歌詞の内容は、ゆめかわな雰囲気に包まれているけどその中に見逃せない切なさを感じる。
読み解きながら書いているのでまとまっていません。
ミスリードしている部分もそのまま置いておきます。
場面と状況の描写。ここでも雲にイメージカラーが。夢の中の世界や心象風景を思わせるファンタジックで不条理な情景。握りしめている「ワンダーランド」が何を指すのかはまだわからないが、画はハッキリとイメージできる。
「寂しがってた君」へ「ワンダーランド」を届けようとしているのか、
「ワンダーランド」を握りしめている人物に別の誰かが何かを届けようとしているのか。
「泡」じゃなく「Our」なんですね。
韻の踏み方も小気味よく、より浮遊感が強くなる。
「ミュルミュール」は多分フランス語(murmure)で「ささやき声」。
英語で言えばウィスパーボイスですね。この曲はずっとウィスパーボイスで歌われているけど、フランス語だと響きもかわいい。
「心のミュルミュール」は「"もっと輝きたい"」で、前段に「願うよShooting star」があるので、ここでは「流れ星に"もっと輝きたい"と願っている」のかな。
「52ヘルツのクジラ」って知ってますか?
僕は調べて初めて知ったんですが。楽曲や小説など、結構色んなところでモチーフになっているんですね。
「君に逢いに行く」は、この「誰にも届かない声で声を出し続けている誰か」に逢いに行くと言っているのでしょう。
短いフレーズで、三つの色を含んだ情景を表しています。
空が青色(水色)、モンキチョウが黄色、アネモネが赤色(他にも桃色、青色、白色などあるが、代表的なのが赤色)。
メンバーカラーの象徴でしょう。
具体的な花の名前が出ると花言葉から何からとにかく調べるのがオタク。
調べるとギリシャ神話が出てきました。要約すると
「美の女神アフロディーテが誤って息子エロスの矢に射られたせいで少年アドニスを愛してしまう。戦の神アレスがそれに嫉妬し、猪に変身して少年アドニスを殺してしまう。悲しみに暮れた女神アフロディーテは嘆き悲しみ、アドニスの流した血にネクタル(神酒)を注ぐと、血が泡立ち、真っ赤なアネモネの花が生まれた」
もうひとつ
「西風の神ゼピュロスは妻の花の女神フローラの侍女であるアネモネに恋をしてしまう。それに気づいたフローラはアネモネを神殿から追い出し、アネモネは悲嘆のうちに衰弱し斃れてしまう。悲しんだゼピュロスはアネモネを花の姿に変え、自らのそばに置いた」
神、嫉妬で人を殺しがち。
もう少し詳しく書けばまあエモい部分もあったりはするんですが。
アネモネは種を風に乗せて飛ばし花を咲かせますが、強い風に吹かれるとたちまち花が散ってしまうそうです。
ギリシャ語の"anemos"(風)が名前の由来になっているのだとか。英語でも"Wind Flower"と言うそうです。風の花なんですね。
また、磔にされたイエスの血から咲いたという逸話もあり、キリスト教の復活祭(イースター)のシンボルにもなっているみたいです。
なんかもう色々てんこ盛りですね。お花一つで情報が多すぎる。
歌詞考察って普段やらないんですが、色々なものを象徴・暗示しているモチーフを足がかりに、前後の文脈からひとつの道筋を立てていく過程がタロット占いに似てるなと思い始めてきました。
閑話休題。
「"そばにいて"」に対して「"そばにいる"」と応答している。交信ができているんですね。同じ周波数の声を持つ存在と出会えたということでしょうか。
それとも夢の中の出来事か。
「不思議の国」というのは夢の中とか心象風景の話だろうか。その風景は前段の三色の世界だし、「Our」…「白昼夢」…。
ん…?これはもしかして「WANTED」と同じく「泡白昼夢」もユニット結成秘話的な内容になっているのでは?
出てきましたね、風が。これがアネモネと紐づいてる表現なのか確証はありませんが。
諦めてた君を笑わせたいとか、52ヘルツの君に逢いに行くとか、これらもアルシュシュから不特定の誰かへではなく、アルシュシュのメンバー同士が互いに想い合う言葉だという印象に変わってきました。
「きらきらしたい」
前にも「もっと輝きたい」という似た表現がありましたね。
「目指すYour shining star」
「あなたにとっての輝く星を目指す」ということは、自己実現のような願望から輝きたいのではないんですね。自らの輝きで「あなたを照らすため」または「導くため」か、輝いて「あなたに見つけてもらうため」か。
「やっと見つけた星」は「もっと輝きたい」と願った結果「Your shining star」になって見つけてもらえたということかな。
そして星に向かって歌う。52ヘルツの声で。
リフレインですが、ここで新しく出てきたワードは
「繋ぐ」と「君がくれた夢」ですね。
そしてラストのリフレイン。
「Nous Sommes アルシュシュ」は「私たちはアルシュシュ」と訳せます。
かつて各々が孤独を感じる存在であった3人が、互いの輝きに惹かれ出会い、互いに「"そばにいて"」「"そばにいる"」と求め合い与え合うように繋がった関係が「アルシュシュ」なんだよ。と語っているように受け取れました。
ただここで歌の外の世界の要素を入れてみると、少し違う解釈になります。
ライナーノーツで「泡白昼夢」のページに描かれているのは古海チエです。
アルシュシュの各メンバーの公式プロフィールを見てみると、音々と詩穂は幼馴染であり、チエは元々トロワアンジュが通っていた小学校から転校して来て音々と詩穂に出会っています。
また、チエの好きなものには「友達」、苦手なものには「寒い場所」があり、どちらも「孤独」に関連しそうです。
孤独だった52ヘルツのクジラはチエを指していて、2人と1人が出会い「アルシュシュ」になったという経緯が心象風景として描かれているのかもしれません。
ただ主体になっているのはチエではなく音々と詩穂の2人のようですね。
「寂しがってた君」「諦めてた君」がチエなら、曲中で「君」と呼ばれている人物はチエということになりますが、では「君がくれた夢」の「夢」とはなんなのか。それがアイドルに繋がるのでしょうか。
アルシュシュのストーリーが楽しみです。
詞も曲もめっちゃ良いんですが、ミックスもすごく良かったですね。
楽曲制作がほぼhotarubi体制になってから、音の安っぽさはずっと気になってたんですよ。最近は改善されてきたような気はしていますが。
伊藤翼さんは作曲家としてはもちろんサウンドエンジニアとしてもやっぱり有能な人なんだなと改めて思わされます。環境作りも含めて。
Merry Go Wonder!!
エモかわ!
古いメリーゴーランドで流れる音楽みたいなワルツがスローダウンし、ハイハットのカウントでサビ終わりのフレーズからイントロへ。
イントロがめちゃくちゃ良いですね。これから冒険が始まるような期待感。
賑やかさ、楽しさの中に少しの勇ましさを加えたようなエモさがあります。
双葉詩穂(C.V.平塚紗依)さんの歌声、好き。
ハッキリ言って好みです。甘さの中に芯がある。面で当たってくるけど点の印象がある、そんなお声です。
「わたしを乗せて めぐる世界」の「世」とか、「泡白昼夢」の「雲はピンクとブルーとイエロー」の「ピン」のところにある、裏返りそうな、鼻から抜けるようなところが本当に愛おしい。
まだお若いので、めちゃくちゃ伸びて欲しいなと思います。
(すでにプリティーシリーズ新作での主演が決まっていますが)
👏 👏 👏👏👏
↑この手拍子、ライブで絶対盛り上がるやつですよね。
早く昭島で👏 👏 👏👏👏になりたい。
曲中、サビのこのフレーズが3回繰り返されるので印象的です。
特に「たとえすれ違っても また戻ってくるから 悲しい顔はやめて」のところが好きですね。失敗しても次があるって言われると、元気が出ます。
まさに「Re:」の部分。
アウトロでまたイントロのリフが帰ってくるけど、ベースラインが変わって違うコード感で楽曲全体を解決する方へ向かっていく展開、よくあるんですけどこれに勝てないんですよね。本当に好き。
大団円感もありつつ、まだまだ冒険は続くという感じもあり、マジセトリの最後にやってほしい曲ランキングNo.1ですね。これで終わるライブ、絶対に気持ちいいので。
ユニットの話
アルシュシュは全員2年生ですが、1年生の時に出会ったとするとその当時のエピソードが気になるところです。また、メンバー全員が既存のキャラクターとの関係を示唆されているのでそこも注目ポイントですね。
個人的にはチエがどんな「Re:」を持っているのかがとても気になっています。早くストーリーが見たい。
余談
9割泡白昼夢の話になってしまいました。前半はほとんどWANTEDの話だっただけに、今回単にRYTHEM(WANTEDの作詞作曲:加藤有加利さんと泡白昼夢の作詞:新津由衣さんのユニット)に殴られただけみたいな結果にはなったものの、またリステに好きな曲が増えたことをとても嬉しく思います。
今はとにかく3月の昭島ライブイベントが楽しみで仕方ないです。
チケットご用意されますように。