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山下しゅんやの『ガールズ&パンツァー』イラストレーション2、編集者からの裏話。


2022年12月28日。
ついに山下しゅんやの『ガールズ&パンツァー』イラストレーション2がお目見え! 待望の第二弾を心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか?
(2というぐらいなので、1も絶賛発売中ですのよ。2021年に出版しました)

本画集の企画は、私の編集者人生の夢のひとつで。どうしてもどうしても実現させたかったんです。なんでかっていうと

私はしゅんや先生が描く「ガルパン」が大好きなんです!

もうこれに尽きる。この信念だけで突き進んだといっても過言じゃないんです! なのでしゅんや先生や編集部のみんなとたくさん話して、バンダイナムコフィルムワークス様から許可をいただけたときは、本当に嬉しかったなぁ…。そんなこんなでこれらの画集に関して、編集者目線からの思い出話なんかを綴りたいと思います。お時間のある方はぜひ読んでみてください。

すべての始まりは「アーマーモデリング」の表紙から

2019年8月号のアーマーモデリング。この号で表紙としては初めて、しゅんや先生にガルパンの絵を描いてもらったんです。特集はBC自由学園に出てくる車両を中心にガルパンの世界がリアルだったら……?というもの。
そもそもしゅんや先生は超がつくほどの凄腕戦車モデラーで、本誌でも『プラスチック・エンジェル』を連載中(画集二冊出てる) 。

そしてなによりガルパンが大好き!

そんなしゅんや先生だからこそ、アーマーモデリングだからこそ、できるこの企画。絶対に実現させてやる!と燃えていた私はすぐに先生に打診。
とまぁエラそうに書いてますが実際は締切がかなりタイトで、ギリギリの進行だったのです……。それでも先生は言ってくださいました。

「大好きなガルパンが描けるなら!」

この言葉、今でも忘れていません。これらのことがきっかけで、2019年の私はいつか絶対に「山下しゅんや✕ガルパン」の画集を出すんだ!っと決意するのでした……

版元在庫切れになった「おケイさん」が

勢いをつけてくれた!

上の表紙号をやってからも、企画会議があるたびに「しゅんや先生のガルパン本を作りたい作りたい作りたい作りたい」と呪文のように話していた私。

メールを見返すと2019年の年末にしゅんや先生ご本人にも「しゅんや先生のガルパンだけのイラストを集めてミニ画集みたいのを作れないかなと考えています。この辺は2020年後半、もしくは2021年の目標として、ほんのりだけ頭の片隅に置いておいてもらえると嬉しいです。」と相談していたんですよねぇ……。(当時はこのような版権元があるイラストの画集を、通常の単行本として書店等で売るのは難しいのかと思っていたんです)

そんな時に決まった2019年アーマーモデリングのシャーマン特集。

これは表紙で絶対にしゅんや先生のサンダースが見たい! 絶対だ!!
と思い、すぐに企画書を。
そして先生に素晴らしいサンダースの表紙を描いていただき、この表紙に負けないような内容にしようと、みんなで頑張って編集して……

なんとこの号は版元在庫切れ!!!!(丹羽さんはじめ、皆さん本当にありがとうございます!)

そんなシャーマン特集の勢いもあり
ついについに、「山下しゅんや×ガルパン」単行本の企画が動き出すのです!

2021年6月、ついに第1冊目が発売!

そしてすぐに企画が通り、スケジュール、画集の方向性、何を載せよう、どんな本にしよう、など先生との話し合いを沢山して、何回も何回も企画を練り直したりラフを切り直したりして、ついに第一弾の
山下しゅんやの『ガールズ&パンツァー』イラストレーションが発売されました。(こちらは主要校の描き下ろしが多数あります)

見本誌ができた時は涙がほろり。
やりたい、絶対に紙の本にしたい!!!って強い気持ちは大事なんだなって……
夢だと思ってたガルパンの画集をしゅんや先生と一緒に作れた喜びはかけがえのないものになりました。
たくさんの嬉しい声を聞いて、自分まで誇らしくなったものです。

続編の製作を開始。そこで決めた前回を超えるための「選択」

(前置きがめちゃくちゃ長くなってしまいましたね 。もう少しお付き合いください。)

そしてついに2022年の発売に向けて続編がスタートするんですが
今回もプラスチックエンジェル2と同じように
企画以外の編集作業の部分をみほみほ(アーマーモデリング公式Twitter担当の新人編集者)に任せてみることにしました。

(ちなみにプラスチックエンジェル1を見るとかなり今回の画集に通ずるものがあると思います。この画集があったから、ガルパン画集が出来上がったと言っても過言でないので、下記のnoteも画集もぜひ見て欲しいっ……)



これには色々な意図があるんです。

大好きで企画して、こーーんなに思い入れのある仕事なのに、他人に任せるの? って思う人もいるかもしれないですよね……!
でも、でも、これは自分で全部の編集を担当するよりも遥かに勇気のいるチャレンジなんです…!

一作目を超えるものにしたい、と思った時の前向きな決断。

重すぎるプレッシャー(笑)ですが、そんな思いに、みほみほはしっかり応えてくれましたよ!
今回の画集には、前回とも異なる新しい風が吹いてます。
そして隅から隅までじっくり見ると、細かいところに彼女の丁寧さやガルパンへの愛が見え隠れしているんです。

特にメイキング部分はみほみほが「どうしたら先生の意図や気持ちが読んでる人に伝わるか」をすっごくすっごく考えて構成したんです。
そういう編集者の気持ちって絶対にページに出るんです。だからかな、先生にもしっかり届いてました。「しっかり伝わってる!」って分かった時は、私もとっても嬉しかった…。
昔も書いたと思うけど本を作るってチームでやるものだなってのを改めて強く感じました。

もちろん山下しゅんや先生が居なかったらこの本自体ができていません。
でもみほみほが居なくても、この本は世の中に産み出されてないんだなって思うと、編集者として本作りに参加することはとても意義があると改めて思うことが出来ました。
そしてこの本に興味を持った皆さんにもそんな新人編集者が居ることを知ってもらいたいんです。

山下しゅんや先生が描く「ガルパン」で新しい世界を堪能しましょう!

そして最後になりましたが、今回の画集の製作にあたり、著者の山下しゅんや先生の描き下ろし……もうね……ハンパじゃありません……。

収録した1枚1枚に込められたメッセージを皆さんにも感じてもらいたいです。

全部が可愛くて最高なのはもちろん!
それだけじゃないのがしゅんや先生のガルパンだと思います。

先生にしか描けないガルパンを通じて、もっともっと「ガルパン」が好きになる。こんなに豊かなことってないですよね?!

皆さんもこの画集を買って、ぜひ山下しゅんや先生が描く「ガルパン」の世界を堪能致しませんか?


この画集ができた時に、バンダイナムコフィルムワークスの担当さまに
「いつも素敵な本作ってくださってありがとうございます!」と言っていただけた時は
感激して震えました。
中の人まで素敵ってどういうこと?
大好きです、ガルパン。箱ごと推せる……!

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