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お腹ゆるゆる問題(盲腸手術その後)

 盲腸の手術前は、モルヒネでようやく痛みがおさまっていたような状態だったのに。手術後目覚めてみると、嘘みたいに痛みがおさまっていました。もちろん、しばらくの間は動けば手術痕があちこち痛かったし、お腹が腫れて妊婦のようになってしまいましたが。動かなければ特に痛みもなく、順調に回復していきました。

 ただ退院後にまず困ったのは、ソファ。あまり活発に動き回ったりできないので、1日中ソファに座っている時間が長くなったのですが、それまで座っていたソファには痛くて座れませんでした。うちのは腰が深く沈み込むタイプのソファーだったので、座るとお腹の部分が圧迫されてしまうんです。

↑ このソファ

 仕方ないので、パティオで使っていた屋外用のソファーを部屋の中に持ち込んで座ることにしました。

↑ 半屋内のようなエリアで使ってたガーデンソファ

 こういうシンプルなソファーだと、背筋を伸ばしたまま、お腹を圧迫せずに座れました。足を伸ばしたい時は、色の違うクッション部分を背中にあてて、横向きに座れるし。

 
 そしてさらに困ったのが、お腹ゆるゆる問題。入院中はそれほど気にならなかったのに、退院してからお腹がどんどんゆるゆるになっていき、そのうち1日に4、5回も大きい方でトイレに駆け込むようになりました。食事をすると、お腹が受けつけなくて水溶状のまますぐに出てしまうんです。

 炭水化物系の白飯、パン、うどんだけを食べていると比較的大丈夫な気がするけど、それでもダメ。トイレに行きたくなると我慢できないから、外出するのが怖くて、怖くて。どうしても外出しなければならない時は、緊急時に駆け込める最寄りのショッピングセンターやファーストフード店のトイレの場所などをすべて把握してから行動するようになりました。

 手術後1ヵ月経った頃、執刀してくれた医師のフォローアップ診察日がありました。手術痕はもうほぼ綺麗になって、かさぶたが少し残っているだけで何も問題なし。でもトイレに困っている、と相談してみました。私の担当医はただの外科医ではなく腸の専門医でもあるようで、受付にはIBS(過敏性腸症候群)などの情報も豊富に置いてあったし。

 その先生が言うには。まず、手術後かなり強い抗生物質を点滴から入れていたから、腸内細菌の状態が最悪になってしまったはず。善玉菌も死に絶えてしまっただろう。だからプロバイオティクス(ビフィズス菌とか)を毎日しばらく接種しなさい、とのことでした。

 毎日ヤクルト飲みなよ、ヤクルト。ヤクルト知ってる?ってこちらの医師に言われました。「うん、知ってる」って返事したけど、わたしゃ日本人だー!ヤクルトおばさんが会社まで販売にやってくるのが普通なヤクルト発祥の地から来たんだぞー!って言いたかったー。

 ヤクルトはここ10年くらいですっかりコアラの国でも普及してきています。いまや、どのスーパーでも購入できるし、色違いの類似品(シロタ菌なしで味だけ同じの安物)が出るほどメジャーな製品になってます。すごいね、ヤクルト。

 そして、食物繊維をとることも大事なのだそう。「繊維の多い野菜を食べると、消化できなくて余計にひどくなりませんか?」と聞いてみると。確かに食物繊維は消化しにくいが、ゆっくり腸内を移動して、水分も保持する。食べた物をお腹の中で保てず、水溶状のまま出てしまう私の状態に必要なのは、食物繊維だ、と言われました。便秘にも下痢にも、食物繊維は必要なのだそう。こちらでは、食物繊維を手軽にとれるメタミューシルという製品があるのですが、それを毎食、もしくは朝晩とってごらん、とのこと。


 メタミューシル(Metamucil)は通常パウダー状の製品で、水と混ぜるとオレンジドリンクになる製品なんですけどね。これ、薬っぽい味で、苦手なんですよね~。オレンジ味のついてないナチュラル味のバージョンを、朝食のシリアルにふりかけて食べる人も多いけど、私は朝はシリアルよりトースト派だしな~。カプセルも買ってみましたが、カプセルだと大量に飲まなくちゃいけないしな~。

  メタミューシルの中身は、Psyllium Husk(サイリアム・ハスク)というオオバコの一種からとれる小さな穀物を殻ごと砕いたもの。私のいる国ではメタミューシルが最も普及している製品なのですが、上の写真のような粉末、またはグラノラの粒のようになった製品も各社から出ています。シリアルに混ぜて毎日朝食で摂取するのが一般的。

 日本だったら、麦飯や五穀米を1日1回は食べることにしてもいいかもしれないですね。あぁ麦飯にとろろのせて食べたいなぁ……。

 コアラの国では、麦飯にとろろなんて夢のまた夢なので、私がたどりついたのは、この製品。

 無味無臭の白いパウダーで、かなり溶けやすく、使い勝手がとても良かったです。紅茶に混ぜたり、汁物に混ぜたり、ヨーグルトに混ぜたり。たいていの食べ物、飲み物に振りかけたり混ぜたりすることができました。炭酸飲料だけはうまく混ざらなかったけど、溶け残りの舌触りもそれほど悪くないので気にせず使ってました(あとでよく見たらラベルに「炭酸飲料には溶けない」って書いてあった笑)。こういうサプリは、日本の方が豊富にありそう。

 

 というわけで、毎日必ずプロバイオティクスと食物繊維をとることにしました。粉の食物繊維を毎食時にティースプーン2杯、そしてヤクルト毎日1本か錠剤のプロバイオティクス、という生活を10日ほど続けてみたら……ブラボー!ようやく1日1回、とっても快適にトイレに行くことができるようになりました!手術前より良い状態になったかも?なくらい。

 ただし、1週間やってみても改善しないようなら、きちんと検査しなさい、とのことです。私も実は、1週間では改善しなかったので(10日くらいかかった)、念のためGP(かかりつけ医)で検査もしました。まだ結果をもらってないのですが、もうこの状態だと心配ないような気がします。

 それ以外には、盲腸の痛みがあった場所が、今でもふとした時にシクシクと、痛みでもないんだけど痛み未満の何かを感じることがあります。特に、背中側の方。でもまぁ体の一部を切ったり縫ったりしたんだから、しばらくは仕方ないのかな。

 盲腸やそのほかの胃腸の手術後に、私のような状態になる人もいるかもしれないので、書き残してみました。


追記:後日、GP(かかりつけ医)での検査の結果がでました。問題になりそうな菌やウイルスも見つからず、大腸がんでもなし。ハレルヤ~。
「もしまだ調子悪いなら、次はラクトースのアレルギーがあるかみるために、乳製品を1週間やめてみてって言おうと思ってたんだけど。もう調子がいいなら良かったわ」とのことでした。



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