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クーポンやポイント割引に頼る“名ばかりプロパー比率”

アパレル業界の市場規模は9兆3000億円くらいで停滞している。需要総数が伸びないのだから全社が売上高を伸ばし続けるということは不可能であり、必然的に利益率重視の経営に切り替える必要がある。

その利益率重視のモノサシとして「プロパー消化率」が注目されている。プロパー消化率とは、値引きせずに定価で販売した比率のことであり、値引きしないわけだからこれが高ければ高いほど粗利益高が増えるということになる。

これは2009年頃までなら成立していたのだろうと思うが、2010年代からはこのモノサシの精度はそれほど高くないと考えられる状況に陥ったと見ている。

理由は

1、ネット通販の普及

2、実店舗でのタイムセールの普及

である。

ネット通販では、割引きクーポンが頻繁に配布される。これを使って購入した場合の割引率は20~40%オフくらいになることも珍しくない。これが「セール品」としてカウントされるのであれば何の問題もないが、多くの企業は、ここで使ったクーポンの割引額を「販売管理費」として計上しており、この割引率で売れても「プロパー販売」にカウントされてしまうことが多い。

また、実店舗でのタイムセールの値引きも「販売管理費」に計上されしまい、これも30%オフでありながら、「プロパー販売」にカウントされてしまう。

これらの手法が蔓延した2020年代において、従来型のプロパー消化率は実態に沿っていない可能性が高くなった。そんなことを以下にまとめてみた。


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