染色の基本事項~染める段階でメリットとデメリットが変わる~

白いシャツ、白いTシャツ、白いズボンなど白いアイテムはシンプルなカッコよさがありますが、かなりの変態的愛好家でない限りは、白い服ばかりは着用していません。
必ず、カラー物・柄物も着用しているはずです。
カラー物・柄物を作る際には染色が必要なのですが、一口に「染色」と言っても様々な技法があります。
染色職人ではない当方なので染色の技法については解説することはできません。

しかし、一口に「染色」と言っても、どの段階で着色するかという問題もあります。それぞれに特性やメリット、デメリットもあります。
色を染める機会は、綿(わた)、糸、生地、製品と4段階があります。
みなさんが着ている洋服もこの4つのうちのどれかで染められたものなのです。

1、トップ染め
生地を構成する糸は、特に綿やウールなどの天然繊維は、綿(ワタ)を紡いで糸にします。この作業を「紡績」と呼びます。
紡績される前のワタに着色するのが、トップ染めと呼ばれます。

ワタそのものに染料が浸み込んでいるので、色合いに深みがあって、少々手荒に洗濯しても色落ちがしにくい特徴があります。
しかし、ワタの時点で着色されているので、その色の糸やその色の商品が売れなければ、在庫リスクを抱えることになります。

2、先染め
次に糸を染めるやり方です。
業界では通常「先染め」と呼ばれます。
染めた糸で生地を織ったり編んだりします。
トップ染めよりは色に深みがありませんが、少々雑に洗濯しても色落ちはマシです。
ですが、これも在庫リスクが高くなります。糸の時点で色が着いているため、その色や柄が売れないと、着色された糸を他の色や柄に転用することは難しいからです。


3、生地染め(後染め)
次は生地染めです。
ここからは基本的に「後染め」と呼ばれます。
一旦、白い生地を完成させ、それを染めるというやり方です。もちろん無地もありますが、どちらかというと柄物プリントで多く見られれる技法だといえます。
これはトップ染めや先染めに比べて在庫リスクが低くなります。
なぜなら、白い生地でストックされるため、その色・柄が売れなくても他の色・柄を乗せれば転用できるからです。

ただし、洗濯による色落ちはトップ染め・先染めに比べて激しくなります。ネットに入れての洗濯が必須となります。

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