毎晩頂くばあちゃんのゴハンにはちょっとだけキケンな素材が使われていることもある。でも大好きだよ。
我が家(正確には実家)の晩御飯はわたしの祖母が担っている。料理は得意な方で、一度にたくさんのおかずが並ぶことはあまりないけれど、何でも手早く準備する。季節の食材も好きで、家族が食べる分くらいの野菜を自分の畑で栽培するし、山菜も喜ぶ。1年間の季節の移り変わりを楽しんで暮らしている姿はとてもいいなあと思う。
そんなうちのばあちゃんだけど、料理上手、とはいえその素材選びは絶妙、というか、怪しいところも多い。
今日の献立は麻婆豆腐。麻婆豆腐は我が家でまあまあ定番メニューなのだけど、この麻婆豆腐はいわゆる「麻婆豆腐」とはちょっと違う味がする、あとその都度結構味が変わる。辛いな~とか、概ねトマトだな~とか。たぶん検索して出てくる「麻婆豆腐」レシピとは明らかに異なる調味料で味つけられているし、そのときそのときで家にあるなんとなくそれっぽい調味料を混ぜ合わせて作られている。
普段、ばあちゃんの調理工程を見ることはあまりないので、実際に何を入れて味付けされているのか、よくわからない。同じシリーズでいくとビーフシチューとかがそう、そのときどきで味が変わるし、入ってるものが変わる…。麻婆豆腐もビーフシチューも、きちんとしたものを食べたことのないまま、勘で作っている節がある。それでもなんとなく食べられるものを仕上げてくるところが、ばあちゃんの料理の腕なのである。
今回の麻婆豆腐についてはその調理途中に居合わせた。目に入ったのは「甜面醤」か「豆板醤」的な中華っぽい味噌調味料と、先週末の姪お誕生日会メニューだったしゃぶしゃぶのたれ(ごまっぽいやつ)。あとはたぶんケチャップ(見てはないけどだいたいいつも入れてる)。
そして近くにいた私に「これ開けて」と手渡してきたのが、商品名を思い出せない謎の唐辛子系調味料で(ざん…とか書いてあった、、思い出せない、、、)、賞味期限は2017年であった。
もちろん開封済みのやつだよ。
一応「もう3年も前のだね!」と笑顔でツッコミは入れたけど、何のリアクションもなく、普通に使われている。ばあちゃんの作るゴハンにおいてこういうことはよく起こるし、知らない内に何を混ぜられているかはわからないんだけど、今まで誰も死んでないから大丈夫なんだと思う。
あと具材にしめじも入ってるんだけど、結構日にち経っているやつ、加熱されても結構香ばしいニオイしてた。(私だったら使わないで捨てるくらいの状態)きのこ類は結構いっちゃってても使われている。そのほか注意したいのはモヤシとか豆腐、あと肉類。モヤシは賞味期限結構早いけど、たぶん1週間くらいは過ぎてても使われてる、これまた謎のフルーティー風味が出てるけど、調理されて出てきたら食べるしかないので食べる。お豆腐も、酸味が効いてることが割とある。スライス肉でも使い途中で1週間過ぎてるやつとか平気で出てくる、これが「熟成」なのかな?と思わせる深み…?みたいなのを感じる。でもまあ、どれもよっぽどの変な味じゃなければ食べちゃう。ガンガン加熱されてるしね!
でも賞味期限をすべてムシしているからといって、腐敗しているものを何でも調理しているわけではなく、ばあちゃんなりに「イケる」「イケない」を判断してるんだろうな、今まで我が家のゴハンで誰も死んでないし、たまに捨てられている材料もあるもん。お客さん用のゴハンのときは古い食材とか使わないかもしれないしね、家族だからしれっと怪しい食材使われているというのもあるよね。
そこらへんのサジ加減も、やっぱり絶妙で、ばあちゃんゴハンが好き。
ところで賞味期限を気にする人も多いけど、あれはほんと目安で結構安全面意識して設定されているので日にちだけ見て廃棄するのはもったいないからやめてほしいと個人的に思ってますよ!(3年も過ぎてる謎の開封済み唐辛子調味料だってイケてるし…普通に食べたけど余裕で元気だよ…)
賞味期限って検査結果みて「品質保持できる!」って期間から70%くらいとかに引いて設定されているし、「賞味」って味の保証だから食べたら死ぬとかじゃないし、明らかに変質してるとか腐ってるとかカビてるとかクサイとかなければ基本的にはイケるはずなのでぜひ食べ物は大事にしてほしい。
それでもうちのばあちゃんほどの勇気はないので、私ならあの謎のざん…なんとかの調味料は使うことなくいつか訪れるだろう冷蔵庫大掃除のタイミングで廃棄していたけどね…
うちのばあちゃんのちょっと危険なゴハンの記録でした。
今日のあの調味料、、、「ざん…」なんだっけなあ…もはや頭文字は「ざん」でもなかったのかなあ…