【ポッドキャスト補足】自学自習型の塾で、なぜサボる子が出なかったのか
先日、出演しているポッドキャストで、
私がかつて長野県で運営していた自習塾の話をさせてもらった。
中高生限定の3テーブル(予備机1つ)の少人数制。
何をやるかを決めるのも全部生徒自身。私はキホンそばで見守るだけ。
もちろん質問があったら受け付けるし、
悩んでそうな子には声をかける。
ただ、あくまで生徒主体で何をやりたいか決めさせて、
1コマ90分勉強してもらった。
収録中、もたいえみちゃんから、
「サボる子とかでなかったんですか…?」
と聞かれ・・・
そういえば、いなかったな。サボる子。
でもさ。
確かに、こういうほぼ自学自習スタイルだと、
喋ったり、遊び始めたりとかする子がいて
教室崩壊してもおかしくないよね。うん。
なんでサボる子が出なかったか・・・。
意外と大事なポイントかも、と
過去の記憶をひっぱりだして、自分なりに分析してみた。
仮説❶ ハードル低めの自習スタイル
一人の生徒の持ち時間は1コマ90分。
でも、もちろん、
みんながみんな90分常に勉強するわけではない。
今日の報告がしたくてたまらない子は、一通り喋らせたし
眠気が止まらず白目をむきだした子には、5~10分寝させたし
まあ、普通の塾ではしないようなことをしてたかもしれない
持論としては
眠いままでは勉強に集中できないし
心にモヤモヤがあっても同様なわけで
結果、残り時間の勉強に集中力が上がれば、ある程度はアリ。
「コラあ おまえら、勉強しろやァ!」
といった時点で負けかなとか思ってて。
(言っちゃう時もあったけどね)
ちなみに宿題はキホン出さない(!)
私自身、
往々にして宿題をしなかったクズ野郎で、
説得力とその効果への実感がゼロのため。
その代わり、突然 抜き打ちテストをしたりした。(オススメ)
また、
ある期間自由に休んだり、
突然来てもいいシステムにしていた。
数回だけ来るのもいいし、
部活で忙しくなったら休んでもイイ。
出入り自由だ。
生徒も私も
「ここにいるのが短い期間かもしれない」と思い
お互いのするべきことに打ち込む。
これは意外と健全な運営には
大事かもと(今)思った。
通塾期間は集中力は上がり、費用対効果も上がる。
一方、テスト前なんかは、
みんなの本気度(今やらねぇとヤバイ度)も上がって
開いている時は毎日きたり、
居残りしたい生徒もでてくるので、
空いた席で居残りさせたりすることも。
(無料でいくらでも残させた)
とにもかくにも、基本的には、
気持ちの思うままに勉強させたということが大きい。
仮説❷ 勉強への意志がある子だけ入れる
入塾テストなんかないけど、なんとなくあった入塾基準。
その生徒が
ほんのすこーーーーしでもいいから
「やべー、この勉強できなさを、なんとかしてェ…」
みたいな気持ちがあるかどうか。
実際はそんなことなかったのだが
そこで、本人が何かを渋ったり
受け入れがたい態度を親御さんや私に見せたりしたら
「はい、出直して来てください」となっただろう。
「お母さんに言われたから来たじゃ、悪いけど入れられません」
と、生徒さんにも、親御さんにも、
わりとハッキリ伝えていたと思う。
小学生を対象にしなかった大きな理由の一つがコレ。
入塾が本当に自分の意志かどうか、判断つかないんだよね・・・
また実際通い始めて、
その子に勉強への意志が全く感じられなかった時があり
意志疎通もできず、親御さんに現状を報告し
「部活で今しんどいのかもしれないし、
またやりたくなったら来てください」
結局、その子はそのまま辞めたんだが
そうやって去った子がその後どうなったかは知らない
ここが必要だと感じてくれる方にだけに、注力した
仮説❸ 親御さんとの意思共有
生徒さんじゃなく
親御さんこそが私と向いている方向が違ったら、
もうその時点で、この仕事は成立しないなーなんて思う。
もし違う方法論を強要されたり
便利使いをされてるなと感じたら
「すんません、たぶんそれうち(の塾)じゃない方がいいです」
って退塾をお願いしたかもしれん。
経済と心のスポンサーである
家族のご理解は、まじで継続に(自分の気持ち的にも)かかわる。
だからできるだけ、
気になったことは
どんなささいなことでもいいから
教えてくださいって毎回ペコペコ
送迎に来てくれた親御さんにも、
できるだけ車までいって喋った。
ああ、ウザかっただろうなあ…(笑)
ただ。この仮説、参考にならんかも。実は、親御さんとのトラブルや衝突は一度も記憶になくて(いや、あったかもだが全く思い出せん)来る方、来る方、本当に良い方しかこないし、私のポンコツすら、支えてくれるのである。そして時々諫めてくれるしっかり者の友人・知人たちに恵まれ。一重に、ポンコツ具合と引き換えに、イイ方々に出会える強運。感謝。
ポンコツの自分ができるのは、
ほんと1%くらい。
すべての子どもは救えない。
だから直のこと、
この3者の落としどころを見つけることが
(ベースの考え方が違ってもいいから)
大大大前提なんだと思う。
おわりに
そんなことをしているうちに
私のこの緩いスタイルから
家だと入らない勉強スイッチを入れにくる子どもが
増殖(失礼)してくれたのだと思う。
「家で勉強しないから、せめてここでオワラセナイト…」
なんとも通塾するには
消極的な理由かもしれないが
将来何のためになるかもわからず
それでも学校に通おうと決めた子たちが、
なんとなく目の前の現実と戦うために
パワーチャージする場所として成立していたのなら
それはそれで本望かなーって
今もまなぶてらすでも、
だいたいの考え方は変わんないし、
この1%のために仕事をしたいと思ってるよ。
以上仮説と補足おわり。
みなみ
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