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まちづくりをする不動産屋さんになるまで⑧

会社員時代の自治会との付き合い方

自治会長に就任したときはまだ勤め人。
正直、雇用されながらの自治会活動は物理的にも精神的にも負担が大きかったです。

なにより時間をとられます。当日はもちろんのこと会議のための資料の準備や、それ以上に「自治会について考える時間」が増え、はじめた頃はゆとりがなくなりました。

会社も売上が第一なので「自治会の会議のため遅れます」「運動会なのでお休み下さい」というのはなかなか心苦しいものでした。

売上が上がっているときならまだしも、そうでないときは上司や部下からも、冷ややかな目で見られていました。

上司「運動会?そうですか、今月は成績悪いんだからそっちではがんばって一等賞とってきてください。」

なんて皮肉を言われることもしばしば。

しかし、不動産営業マンとしては自治会活動は悪いことなのだろうか?

地域を知ることは仕事にも活かせる

不動産営業を10年以上続けていて感じたことは「地域密着」の安心感や説得力。

地域のために自分の能力や時間を使うのは正しいことであり、後ろめたいことではないはず。

むしろ全社員が積極的に自治会に関わるくらいの活動をした方がいいんじゃないか?

と、思いはじめました。

そして、会長三期目を務めるにあたり、少なからず会社に迷惑をかけるとも思い、当時の社長にも時間をとってもらい話をしました。

私「地域で活動し、地域のことを知り、魅力あるまちにすることは会社のため、そして業界の発展にもなると思います。私はその道も追求したい!」

社長「いいね!でも、やることやって売り上げあげてからね!」

私「そ、そうなりますよね!」

秒で撃沈。

想定内ではありましたが、雇用されている状態ではまぁ当然かなぁとも思いました。

そんな話をしたことを当時の上司に報告もしました。

私「…とまぁそんな内容でした。」

上司「そうだと思ったけど、自分の口で言えて答えもらってすっきりしたでしょ?」

私「すっきりはしませんが、まぁそうだよなって感じです。」

上司「おれも20年以上いるけど、結局なにもできないままというか、毎月のノルマに追われて今まできちゃったなぁ。売上をあげても月が変わるとまたその月のノルマがあるから新しいことなんてできないし、始めても売上が下がったらやめさせられちゃうしなぁ。」

その話を聞いたとき、ようやく決心がついた気がします。

葛藤。そして決意。

結局、雇用されている状態では自分が正しいと思っていることもできないんだなぁと思ってしまいました。

20年後も30年後も地位や給与は上がったとしても環境は変わらないんだと。

そんなこともあり、自分の人生、自分で運転したいという気持ちが高くなっていました。

それなら、30歳で独立起業したいと思っていた夢を実現させよう。

挑戦の先には成長か成功しかない!

そうとも思えました。

つづく


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石井亮英
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