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破産による売却案件を減らしたい

見覚えのある物件の情報が送られてきた。

当時の査定は5000万円前後と記憶している。しかし、送られてきた資料を見ると3000万円を下回る。

これは「買いだ!」とやや興奮気味に送り主に電話をした。

「破産管財人がついています。購入の希望者が出てきてから債権者と交渉しますので。」

そうか、破産してしまったのか。

任意売却の案件である。売れなければ競売になってしまう。

所有者とは面識があったが、数年前から音信不通になってしまった。人懐こい笑顔のご主人だった。

この業界に入り18年もやっていると、このようなケースも決して珍しいものではない。

そして、なんとなくだがその人と話をすると結末が予想できてしまう。

共通するところとしては第一に無計画であること。

そのため住まいの購入時に無茶なローンを組まされていることが多い。物件の価値以上にローンを組まない方が良いのだが、

「一生に一回の買い物ですよ、がんばっちゃいましょうよ」

そんな営業マンの口車に乗せられ、後先考えず高い金利で組んでしまう。さらに夫婦合算、親子ローンなど借りようと思えば借りられる商品が多すぎるのも問題なのだと思う。もちろん、その営業マンも。

「転職」が多いという共通点も見える。

キャリアアップやなにかしらつながりがある、同じ職種ということであるならば収入が増えていることが多いのでいいのだろう。

しかし、ここで言う転職は特に目的がなく選んだ仕事。好きな仕事ならともかく、会う度に職が変わっているとすこし心配になる。

好きな仕事を選べる時代なのかもしれないが、努力をしないでいいわけではない。

どんな仕事でも本気で一生懸命取り組まないと成果ややりがいは感じられないだろう。

楽をしたいという欲望は誰にでもあるとは思う。ただ楽をするために辛いこともしなければいけない時期もある。

今の幸せを感じさせるために、暗い部屋に手足を縛られしばらくの間閉じ込めておくという話を聞いたことがある。

食べ物が食べられる、電気がある、五体満足である

それだけでもどれほどの自由を手にいれているのかということだろう。

何でもいい。とにかく本気で何かをやっている人には自然と運は味方する。

今は連絡がつかなくなってしまったが、破産したからといって人生が終わってしまうわけではない。

ただ同じ過ちを繰り返さないために、原因を突き止め解決してもらいたい。

再起を祈っている。



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石井亮英
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