まちづくりをする不動産屋さんになるまで⑫
つながりを生かす
事務所が決まり、いよいよ本格的に動き始めたもののいきなり資金繰りで悩みます。
当初は1000万円程借り入れし当面の運転資金も、と思っていましたが、どうやらこの金額は難しいことがわかります。半分を借りることすら厳しいかもしれない…
数日どうしたもんかと悶々と考えていました。そんなとき、ちょうど自治会長たちが集まる会議がありました。
雑談の中で、独立起業を決めたものの資金繰りに困ってるんですよねぇとポロッと話したところ、
会長仲間「ったりめーだよ!どこの誰だか知らないわけぇのに大金貸すやつがどこにいんだべ」
私「そうですよねぇ。でもネットとかには創業時最大7000万円までとか書いてあったんですよ!」
会長仲間「まぁ、税理士紹介してやっから」
私「税理士?どうせなら銀行紹介してくださいよ!」
会長仲間「とりあえず、税理士んとこ資料もっていってこい!話しとくから」
ただそれだけ言われ、指定された日時に紹介いただいた税理士さんのところへ行きました。
すると、通されたのは応接室。まだ何も契約もしていないのですが、そこには公庫の方も来ていてなんだか丁寧に話をしてくださいました。
公庫「○○様のご紹介でしたらなんとか協力させていただきたいと思っております!」
私「先日、門前払いされたばかりなのですが平気ですかね?」
公庫「大丈夫です。○○様と○○先生が薦めてくれる方でしたらほぼ問題ないかと思います。」
私「そ、そういうもんなんですね」
希望額を少し減らしたりなどアドバイスも受け、言われるがままに手続きを済ませました。すると数日後すんなり融資をうけられることになりました。
「なるほど。」
正面突破だけが全てではなく、目的を達成するためにはいろんな手法があるんだなと身をもって感じました。
一人で抱え込まず、誰かに頼ることも必要だということ、相談できる相手がたくさんいることにも気づきました。
こうして多くの学びを得ながら、事務所は完成し、許可関係も全て無事に取得。
仕事と地域活動を両輪にした、経営者としての人生をスタートすることができました。
しかし、またすぐに厳しい現実を目の当たりにすることになります…
つづく