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引っ越し

先日取引をした物件の引き渡し前の確認をした。

こちらのお客様は東京の西の方へ引っ越しすることになり、ここの住まいにくるのはこの日が最後。

鍵を預かるとき一瞬手が止まったように見えた。

新婚で新築マンションに住み、子どもが産まれ、生活に不自由など一切感じなかったそうだが、仕事の関係で引っ越さざるを得ない状況になったという。

子どもは一歳とちょっと。おそらくここに住んでいた記憶はないであろう。

思い返せば私も引っ越しを繰り返す家庭だった。

今の家は記憶を辿ると6件目だ。職業にも寄るのだろうが割りと多い方なのではないだろうか。

一つの拠点が短かったからか、はたまた子どもだったからか、私は引っ越しが決まると常にワクワクしていたもので寂しさを感じたことはなかった。

今の家は気がつけばもう10年。これから引っ越すことは考えてはいないが、引っ越さなくてはいけなくなってしまってはさすがに寂しい気持ちになるのだろう。

そんなことを思いながら鍵を預かり、お客様と最後ではないがしばしのお別れの挨拶を交わす。

購入してくれたお客様とはご近所付き合いが続くが、売却して遠くに引っ越してしまうお客様とはなかなか会えるものでもない。

不動産を通して数ヵ月の間だが、濃い期間を共に過ごすとお別れは寂しいものだ。

新しい生活も幸せな日々であることを心から祈念している。

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