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タンタンメン

約15年通った中華料理屋が閉店した。

コロナ禍ではあるが、コロナが原因というわけではない。

ここのタンタンメンがとても美味しく最低でも月に一回。多いときには週に一回は食べていた。

細めのちぢれ麺に酸味と辛味が絶妙なスープがよく絡む。

替え玉もよくした。欲張って2玉頼むときもあった。


マスターともいろいろな話をした。

車が好きなマスターだった。

「男なら一度はポルシェに乗ってみるといい」

よくそんなことを言われた。


そして、商売やるなら稼いでなんぼと

儲かっている姿を思いっきりだしていた。

その姿が潔よかった。


お店は常にピカピカ。

お客さんとのコミュニケーションを欠かさない。

閉店間際にいっても笑顔で迎えてくれた。

繁盛している店には理由がある。


閉店の理由は 体力の限界。

高齢化が理由だ。

夫婦二人でたまに娘が手伝っていた。


私の知る中では最高峰に君臨していたまち中華のお店。

なくなってしまうと寂しいものである。


タンタンメンを食べながらいろいろなことを学べた。

私の人生の一部といっても過言ではないだろう。


一つのことを貫き、やりきった人生。

晴れやかな姿で引退宣言したマスター。

そんな人生も素敵だと心から思った。

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石井亮英
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