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朗読劇のお話③

はじめて受けた稽古は、セリフの読み合わせと顔合わせだった。周りの人は全員初対面で、自己紹介をしながらギターのチューニングをするように呼吸を合わせる。演出家さんの頭の中を同期してもらうべくYoutubeを見た。≪こんな感じ≫と見せられた動画にうなずく人々を見て全然自分の頭には同期されないことに不安を感じた。なんせ、私だけ年がかなり離れていたからだ。私以外、みんな20代で尚且つ一番年の近い人でさえみんな社会人だったのだ。子供のころに通ってきた歌のお姉さんもプリキュアも違う。そもそも、セーラームーンとかそれよりも前の世代。

とりあえず、わかったふりをしてその日は何とかやり切った。

帰宅後、ラインのグループで共有されたYoutubeを見ていそいそと≪知ってる人≫を作り出したのだった。

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