ゲーテ格言集 知と愛の言葉
哲学は人間の根幹となるもの。
あらゆる出来事を改めて深く考えずにはいられない時、
偉大な詩人の言葉が身に沁みる。
「人間のあやまちこそ人間をほんとうに愛すべきものにする。」
「ひとりの人を愛する心は、どんな人をも憎むことができません。」
「自発的に頼るというのはこの上なく美しい状態である。そしてそれは愛なくして、どうして可能であろう。」
「人間こそ、人間にとって最も興味あるものであり、おそらくはまた人間だけが人間に興味を感じさせるものであろう。」
「人間があんなに犬を可愛がるのに不思議はない。
お互いに憐むに堪えた浅ましい奴なんだから。」
「能ある者はそっと黙っていよ。そっとしておいても自ずから現れてくる。
どんなに装ってみても、結局は、人の問題だ。」
「なんじが終わりえないことが、なんじを偉大にする。」
「全ての階級を通じて、一段と気高い人はだれか。
どんな長所を持っていても、常に心の平衡を失わぬ人。」
「若いよい頭脳が、他の人々によってすでに認められた真理を認めると、それによって独創性を失うように思うなら、それは凡そ誤りの最も愚劣なものである。」
「われわれの持っている天性で、徳となり得ぬ欠点はなく、欠点となり得ぬ徳もない。」
「内面のものを熱望するものはすでに偉大で富んでいる。」
「地上の子の最高の幸福は人格なれ。」
「外国語を知らないものは、自分の国語についても何も知らない。」
「自分自身をなくしさえせねばどんな生活を送るもよい。
すべてを失ってもいい、自分のあるところのものでいつもあれば。」
「自負しすぎない者は、自分で思っている以上の人間である。」
「すぐれた人で、即席やお座なりには何もできない人がある。
そういう人は性質として、その時々の事柄に静かに深く没頭することを必要とする。
そういう才能の人からは、目前必要なものが滅多に得られないので、われわれはじれったくなる。
しかし、最も高いものはこうした方法でのみ作られるのである。」
「大衆に仕える者は、あわれむべき奴だ。
彼は散々苦労した挙句、誰からも感謝されない。」
「実際の道徳の世界は大部分悪意と嫉妬とから成り立っている。」
「はるかな世界と、広い生活を、長い年々の誠実な努力で、絶えず究め、絶えず探り、完了することはないが、しばしばまとめ、最も古いものを忠実に保持し、快く新しいものを捉え、心は朗らかに、目的は清く、それで、一段と進歩する。」
「人を知らねばこそ人を恐れる。人を避ける者はやがて人を見そこなう。」
「どんな場合にも口論何ぞする気になるな。
賢い人でも無知なものと争うと、無知に陥ってしまう。」
「予め慮れば簡単であるが、後になって慮れば複雑になる。」
「もはや愛しもせねば、迷いもせぬ者は、埋葬してもらうがいい。」