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男子の本懐 おじいちゃんの価値観を知る時の本
城山三郎著 新潮社出版 19.04.2020 読了
本懐とは、本来の希望のこと、本望。
明治から昭和、1880年頃から1930年頃の浜口雄幸の生涯を学生時代から通じて、
内閣総理大臣になるまでの政治観、仏教観、生き様を描く。
無口で歯を見せて笑わない、1度決めたことはやり通す、侍のような精神。
第一次大戦後の不景気や政治不安の中、
文字通り死ぬ気で決断を執ったライオン宰相の話。
相性抜群のコンビと言われた銀行員出身の井上凖之助の生涯もまた
背筋の伸びるものである。
ニューヨーク駐在のための3ヶ月もの船旅、英語での交流に苦悩する日々、
いつ何時も身嗜みを乱さない、年長者にもはっきりと物申す。
両人に共通するのは、人一倍勉強家であり読書家であることである。
人の上に立つ者の努力と苦悩を見る。
自分で自分を律することができる戦時を生き抜く登場人物像を目に、
おじいちゃんに思いを馳せずにはいられない。