Black Book 過酷な運命の話
2021.1.31視聴
2006年公開。監督Paul Verhoeven。オランダの映画。
1944年の第二次世界大戦時ナチス・ドイツ占領下のオランダが舞台。
家族と5人で郊外の隠れ家にひっそり暮らしていたラヘルだが、
ドイツ軍の突然の襲撃により隠れ家を追われてしまう。
偶然居あわせた青年と意気投合するも、
隠れ家の痕跡を辿ったドイツ軍の追跡により夜逃げすることとなる。
夜逃げを手引きしていたレジリエンスの仲間の元、
家族と再会し、新たな隠れ家え向かう。
安心も束の間、月明かりの下一家を乗せたボートは、
待ち構えていたドイツ軍に容赦ない銃撃を浴びせられる。
ラヘル1人を残し一家は惨殺され、ここからラヘルの苦痛な人生が始まる。
命からがら地上へ這い上がると、レジリエンスの一派が力を貸してくれ、
地元民に紛れ込み仕事につき生活できることになった。
ラヘルは一人ぼっちで、家族惨殺の恨みから、
ドイツ軍に近い場所でより危ない仕事も任される。
偶然道中出会った軍人が諜報部のムンツェ大佐だと分かり、
その繋がりから愛人としてスパイをやることになる。
心では憎いドイツ人と分かっていても、ラヘルがユダヤ人だと勘ぐりながらも
真摯な大佐にいつの間にか思いを寄せてしまうのであった。
終戦の混乱期を乱暴に描写したラストは、
戦時下の人間の汚さや罵りを具現化しており見るに耐えない。
不幸にもどちら側についても厳しい仕打ちを受けたように、
ラヘルが翻弄されたのは運命とも時代の流れとも言うべき
逆らうことのできない境遇であった。