警視庁ゼロ係Season.4放送記念創作ストーリー 警視庁ゼロ係Ω

杉並中央署何でも相談室、通称ゼロ係の小早川冬彦警視と寺田寅三巡査長はいつものように市民からの依頼─殆ど唯の雑務─を終えて署への帰路を歩いていた

冬彦「いやぁ今日も寅三先輩大活躍でしたね!」

寅三「警視殿、褒めて下さるのは嬉しいんですが、少しは手伝って下さいよ…いつつ…」

疲れが溜まって痛む肩を回しながら寅三は顔を顰めて言った

冬彦「寅三先輩は出来る子です!僕が下手に手助けしなくても、男をゲットする為に鍛えられた猛獣パワーなら力仕事の一つや二つわけありませんから!」

寅三の肩をバンバン叩きながら笑う冬彦に、寅三は肩をさすりながらいつもの言葉を返した

寅三「あの~警視殿、今日もそろそろタメ口宜しいですか?」

冬彦「どうぞどうぞ!今日も一発いっちゃって下さい!」

寅三「毎度毎度人を猛獣扱いしやがって、あたしだって一応女なんだよこのすっとこどっこいの真っ赤っか林檎野郎ー!」

冬彦「くーっ!今日もシンプルイズベストなタメ口キマリましたね!」

寅三「そのうちまたロングバージョンでかましてやろうかぁ!」

冬彦「いいですよいいですよ!日頃の鬱憤は存分に吐き出しちゃって下さい!」

寅三「いや、お前の所為で溜まりまくってんだよ!」

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「うわぁーっ!」

冬彦「ん?」

路地から初老の男性が叫び声を上げながら飛び出してきた

冬彦「どうかしたんですか?」

男性「あ、あ、あっちに…し、死体が…!」

寅三「死体!?」

冬彦「寅三先輩、行ってみましょう!」

冬彦と寅三が路地に入ると

冬彦「!」

寅三「これって…」

二人が見付けたのはあまりにも無残な惨殺死体だった ふと冬彦は死体の傍らに置かれたカードに目を向けた

寅三「何ですか?そのカード…」

冬彦が手に取ったカードには大きくローマ数字で33と書かれ、裏には「Paradiso 1」と記されていた

冬彦「間違いありません…!」

寅三「え…?」

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冬彦「皆さん、これを見て下さい」

寅三「Ωレポート…?」

冬彦「そうです、僕が科警研時代に最後に書いたΩレポートです」

桜庭勇作「このレポートと今回の事件何か関係あるんですか?」

冬彦「はい、このΩレポートに記した被害者達は皆、かのイタリアの詩人ダンテが残した神曲という長編叙事詩の内容になぞらえて殺害されているんです」

桜庭「ダンテ…?神曲…?」

太田文平「桜庭さん、知らねぇんですか?有名っスよ神曲」

桜庭「あ、そ…」

本条靖子「ふっ、学のない男」

桜庭「あ、酷…」

冬彦「大丈夫です、偏差値の低い桜庭さんにも後でちゃんと保育士さんが園児に読み聞かせるみたいに分かり易く説明してあげますから!」

桜庭「泣いてもえぇですよね?」

冬彦「これまでの被害者達も今回のものと同じカードが傍に置かれていました 但しそれらのカードにはそれぞれInferno、そしてPurgatorioと書かれていました ダンテの神曲は地獄編Inferno、煉獄編Purgatorio、そして今回の被害者のカードに書かれていた天国編Paradisoの三部構成になっています」

寅三「では、地獄編と煉獄編の模倣は過去の被害者達で既に終えているという事ですか?」

冬彦「そうです、犯人は残る天国編になぞらえた殺人を始めたという事です」

横山建夫「じ、じゃあ…この先もまた大勢の人が殺されると…」

寅三「でも、どうして急に…それに何でこんな大それた事を…」

冬彦「分かりません、でも、神曲の模倣殺人が再開されたなら…僕達で止めましょう!」

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古河祐介「またお前等…!」

冬彦「僕達も協力しますよ!」

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「やっぱり力を合わせなくちゃいけませんよね~」

寅三「あんた…!」

安智理沙子「お久し振りです♪」

寅三「理沙子!それにバカ島も!」

中島敦夫「な、中島です…」

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金田一修「お久し振りです、小早川先輩」

伊達春馬「我々も協力しよう」

氷川小百合「これ以上貴方の書いたレポートの処理に追われるのはこりごりですからね」

冬彦「金田一君!伊達さん!元副所長まで!」

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岩瀬厚一郎「気を付けろ、今度の敵は本当に危険だ」

寅三「分かってるわ」

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横山「オメェらは役立たず役立たずって言うけどなぁ、俺の部下達は皆無限の可能性を持ってんだ!俺の前の係長が言ってたんだ間違いねぇんだ馬鹿野郎!」

《亀山良夫「私は立派な部下を持って幸せだと思っています、ゼロは何をかけてもゼロ、何でも相談室はゼロ係と揶揄されましたが、私の部下は全員ゼロどころか無限の可能性を秘めた者達ばかりでした」》

横山「俺ぁなぁ、あの人からアイツらの命預かったんだ!ここで引き下がるわけにはいかねぇんだ馬鹿野郎!」

【亀山「彼等を、宜しくお願いします」】

【横山「はい、必ず…!」】

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寅三「警視殿…!」

冬彦「今回ばかりは、僕…本気で怒ってます」

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神の落とし子「ベアトリーチェの導きが我等を救う…!」

冬彦「………今だけタメ口いきますよ」

寅三「…!」

冬彦「つべこべつべこべうるせぇんだよ糞野郎!さんざ人の命を弄びやがって、お前なんかのくだらねぇ理想の為に何人犠牲になったと思ってやがる!こん中で一番のクズはお前自身なんだよ、この夢浸りのウジ虫野郎がっ!!!」

警視庁ゼロ係Ω─神曲模倣連続殺人事件─

〇登場人物

★小早川冬彦/杉並中央署何でも相談室のメンバー 階級は警視 元科警研
元総理の父を持つかは不明 最近弟が婚約したとの話
空気は全く読めないが人の心は読める
警察は市民を守るのが仕事と言い切れる強い正義感の持ち主である愛すべき赤い食物野郎

★寺田寅三/杉並中央署何でも相談室のメンバー 階級は巡査長 婚期が危うい寅三先輩 髪の毛によくさきイカをつけている
ディノペプチンを摂取したかは不明
冬彦にいつも振り回されているが何だかんだで良き相棒である愛すべき寅

★本条靖子/杉並中央署何でも相談室のメンバー 定時帰宅は当たり前
突然しおらしくなって「雅彦兄様(はぁと)」とか言ったり着物を脱いで「抱いて…」とか言ったりはしない
一見事なかれ主義にも見えるが過去に殺されかけた事で被害者の心境を知り連続殺人を食い止める為他のメンバーを鼓舞した事もある愛すべき重力に押し潰されたペチャンコ女

★桜庭勇作/杉並中央署何でも相談室のメンバー ノーカレーノーライフな黄レンジャー 犬とカレーが絡むと本気になる 本庁への栄転よりも交通課の鮫島弥生への愛を選んだ愛すべきTKO木下

★太田文平/杉並中央署何でも相談室のメンバー ハッキングと勤務中も堂々ゲームが特技 東北訛りがチャームポイント
魔法使いに憧れてるかどうかは不明
顔認証システムを独自に開発したり情報を迅速に収集したりと先代ピンクレンジャーの安智理沙子より明らかに有能キャラ 本庁への栄転よりも気ままにゲームが出来る環境を選んだ愛すべきゲーマー

★横山建夫/杉並中央署何でも相談室の二代目係長 通販大好きな酒乱
特殊状況下事件捜査課からゼロ係に転属させられたかのは不明 Start your engine!
金田一君に彼が望んでいた真っ当な警察官としての在り方を思い出させる為にノンアンコールの酒で気合いを入れた愛すべき本願寺課長

★古河祐介/寅三の喧嘩仲間的な腐れ縁の刑事 犯人に特殊な薬を投与して5分で30日を体感させたりはしない 何やかんやで協力してくれるいい人

★金田一修・伊達春馬・氷川小百合/冬彦達の嘗ての仲間 神曲模倣連続殺人事件解決の為に駆け付けた 金田一君は最近、氷川警視正は頻繁に榊マリコと仕事をしていたような気がする 個人的に(駿河氏の気が向いたらいつでも)伊達ちゃんのカムバック希望

★安智理沙子/杉並中央署何でも相談室の元メンバー 冬彦達のサポートの為に舞い戻ってきた ゼロ係時代はあまり活躍の機会に恵まれず扱いの悪さに疑問が残るものの冬彦達とXレポートの事件解決に尽力した愛すべきピンクレンジャー
SEASON.2でゼロ係を脱退したのは原田女史の産休の為と思われる

★バカ島…中島敦夫/古河によく怒鳴られてた人 何やかんやで理沙子と結婚した

★岩瀬厚一郎/SEASON.1以降パッタリと出番が無くなった寺島進さん 警視総監の運転手をしている 階段を上る女性のスカートの中を覗いちゃうお茶目なおじ様
いざとなったら木の枝に乗ってライフルで支援してくれるかは不明

★亀山良夫/杉並中央署何でも相談室の初代係長
大ショッカーの地獄大使や雁木戦法を駆使する将棋の真剣師との関連は不明
嘗てはスパイとして冬彦を監視していたがその後はゼロ係を支える父親のような存在となった愛すべきお腹グルグル
現在は定年退職しておりSEASON.3では電話のみの意味深な登場だった
今でも空の向こうからゼロ係の皆を見守っている

★神の落とし子/ダンテの神曲を模倣した連続殺人を起こした謎の犯人 単独犯ではなく複数犯の可能性もあるという

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