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2.絵の道を目指したきっかけ

「絵を描く仕事をしたいと思ったきっかけは?」と聞かれることが多くなりました。
絵を描くことは昔から好きでした。
幼い頃の絵は、大人になってから見ると落書きにしか見えませんが、好きな動物、キャラクター、ただのグチャグチャの線でさえも真剣で、純粋に〝楽しい!〟という思いがいっぱい詰まっています。
その時にしか描けない、とても大切なものです。

私の場合、その〝楽しい!”に〝夢〟がついたのは、ある出来事からでした。
急性骨髄性白血病で入院中、院内学級の先生が私の絵を廊下に展示してくれたことがありました。
その絵は、昔いっしょに暮らしていたペットを描いたものでした。

それを見た、同時期に闘病中だった小学生の男の子が

「僕ね。この絵、何度見ても飽きないんだ」

と言ってくれたそうです。

院内学級の先生から、その言葉を聞いた私はどのような反応をしたのでしょうか。
当時は思春期だったので、きっと照れくさくて生意気な言葉を発したのかもしれません。
けれど、心の中はうれしい気持ちでいっぱいでした。
”飽きない”なんて珍しい褒め言葉ですが、最高の褒め言葉だと感じました。

私の絵を見て、喜んでくれる人がいるなら絵を描きたい―。

何より、その言葉が大きな夢を目指すきっかけになったのです。

今でも、その話を先生から聞いている当時の光景は鮮明に覚えていて、
思い出すと心がじんわりとあたたかくなります。
あの時の男の子は元気にしているだろうか…。
彼はそんな出来事を全く覚えていないかもしれません。

けれど、何げなく彼が発した言葉は、私のとても大切な宝物です。

心から「ありがとう」と伝えたいです。

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*「ライオンデイズ~いつも夢の近くに~」は2014年〜2017年に掲載されたものです。
文章は追記、修正している所もございます^^
記事は掲載当時の順番とは異なる事があります。


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