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6.東日本大震災と絵本㊤

東日本大震災の日から今日で4年。(2015年時点)
信じられない光景が広がり、たくさんの尊い命が奪われました。
一日も早い復興と、被災された方々の心の傷が少しずつでも癒えることを願っています。

東日本大震災の後、たくさんの方が何か自分にもできることはないかと考えたことでしょう。
私ができる事といったら少額の募金程度…と、自分の無力さを感じていた中、絵本制作のお話をいただきました。
その絵本が東日本大震災をテーマにした「しんちゃんのランドセル」です。日本赤十字社新潟県支部さん、第一印刷所さん、アナウンサーの伊勢みずほさんと一緒に制作したのですが、お話を聞いた時は、その重大な役割に迷いがありました。
現実味のない絵ばかり描いている私に、しっかりと現状を伝えられる絵が描けるのだろうか…と不安でいっぱいでした。
けれど、何か少しでもお役に立つことができれば…と思い、挿絵を描かせていただくことになりました。

それから、取材のために皆で宮城県南三陸町に伺いました。
南三陸町も大きな被害を受けた被災地の一つです。
現地はニュースで見るよりも、はるかに悲惨な状況で、がれきの山と建物の足場だけが残っていました。
その風景をただただ、ぼうぜんと眺めていました。
ここでたくさんの命だけでなく、思い出や大切なものも全て流されてしまったのだと思うと居たたまれなくなりました。

けれど、現地の方々は笑顔で私たちを迎えてくださったのです。
計り知れない悲しみと辛さでいっぱいのはずなのに…
その姿に強く胸を打たれ、勇気をいただきました。
そして、ずっと私の中にあった絵を描く不安がなくなったのです。

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*「ライオンデイズ~いつも夢の近くに~」は2014年〜2017年に掲載されたものです。
文章は追記、修正している所もございます^^
記事は掲載当時の順番とは異なる事があります

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