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4.夢が叶った日

2011年に出版された絵本「ちいさなライオン~夢の番人~」は私のデビュー作品です。
この絵本には、私の思いと感謝の気持ちが詰まっています。
この物語を制作したのは専門学校の時。
自分自身が入院をした時の経験から、闘病中の子供たちやたくさんの人に希望を持ってもらえるようなものが描けたら…と思い、生まれた物語でした。
この絵本をコピーしてファイルに入れ、いつもお世話になっている方に見ていただきました。
彼女は「いつか絵本にできるといいね。」と言ってくれました。

それから数年後。彼女から「絵本にしてくれる人が見つかったよ!」と連絡が来たのです!
なんと、ずっとあのファイルをいろいろな人に見せながら、絵本にしてくださる方を探してくれていたのだそうです。
驚きと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

絵本を出版してくださったのは新潟市内の印刷会社さんでした。
絵本の出版は3カ月後の5月9日に決まりました。
10年前のその日は、私が急性骨髄性白血病で入院した日。

担当の方が「エイキさんにとって5月9日は病気と闘う出発点だったけれど、イラストレーターとしての出発点にしましょう!」と言ってくださったのです。
優しい提案に、心があたたかくなりました。

3カ月という短い期間での出版は、印刷会社さんにはとても大変だったと思います。
けれど、印刷会社さんや関係者の皆さんが、頑張って作ってくださった一冊を受け取った時は、本当にうれしくて信じられませんでした。
あの感動は一生忘れません。
言葉では言い表すことのできない、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

ちいさなライオンは小ビンの中で子どもたちの夢がつまった風船を守る、夢の番人。夢が叶った風船は水色からピンク色になって小ビンを旅立っていくのです・・・

私の夢がつまった風船も、ピンク色になって旅立っていきました。

たくさんの方があたたかな手を差し伸べてくださり、誕生した、大切な大切な絵本です。

ライオンehonn(第一印刷所)

*「ライオンデイズ~いつも夢の近くに~」は2014年〜2017年に掲載されたものです。
文章は追記、修正している所もございます^^
記事は掲載当時の順番とは異なる事があります

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