念願の再会が復帰戦✨4
長谷川選手を知ったのは、キングスに移籍してきてから。
ホームでの滋賀戦 4Q キングスは10点以上も差をつけられ負けていた。
誰もが逆転を信じながらも、ここからの逆転は奇跡でも起こらなければ難しいという事も、誰もが心の奥で感じていた。
重苦しい時間が過ぎていく
ベンチも、ブースターも、今日の試合は終わったと感じていた重苦しい時間が。
その中で、長谷川選手は
大声で仲間を鼓舞し
コートの中で何度もハドルを組み
真っ赤な顔をしてチームメイトに言葉をかけ続けていた。
何でこんなにあつくなれるのだろう。
何がこんなに彼を突き動かしてるんだろう。
こんな負け試合なのに。
この選手は、どんなメンタルなんだろう。
長谷川選手に持った初めての感情は、疑問と好奇心だった。
‥‥‥
奈良でその答えが見つかった。
開幕戦で骨折という、選手生命をも脅かす負傷を負った彼は
ベンチから
誰よりも大きな声を出して
誰よりも喜び、悔しがり
試合も出ていないのに
誰よりも気持ちでコートに立っていたのだ。
試合に出られない選手でも、必ずチームのためにやるべき事がある。チームのために、やらなければいけない事がある。
彼はそれが何かという事を明確に理解し体現する事が出来る選手だったのだ。
奈良に行こう
試合に出なくてもいい
ユニホームを着てなくてもいい
自分のやるべき事を精一杯やる事がどんなに尊いのか
それだけでも子供達に見てもらいたい
その気持ちを胸に、私達は遠く沖縄から、長谷川選手のいる奈良へ飛び立った。