こじらせシングルマザーが出来あがるまで④
ナポギストラー博士をご存知だろうか?
某有名アニメの映画に出てくるラスボスである。
私には生後4か月を迎えようとする息子がいる。
突然だが、息子は頭がでかい。
本当にでっかい。生後2か月の時に赤ちゃん用のニット帽を友人からプレゼントでもらったのだが、頭がでかすぎて入らなかった。。。
髪の毛がまだうっすらとしか生えていなく、頭に対して身体は小さい。そんな息子を見ていると、ナポギストラー博士を思い出して笑ってしまう。息子に『糸巻き巻き』を歌うのが偲ばれる (笑)
分からない人は是非映画を観てほしい。
息子の頭がでかいのはしょうがない。私もデカい。そして、「息子の父親」こと「クレヨン野郎」はもっとデカい。全員帽子が似合わないね なんて、まるで幸せな家族のように話しながら今は暮らしている。
今回はクレヨン野郎と正式に付き合うようになった経緯のお話。
私が酔っ払って聞いてなかっただけで、彼は結婚して子供がいる事、別居している事を居酒屋で話していたらしい。それは私の「先輩」こと「ブッとび子先輩」も証言している。
あの日、若気の背伸びで赤ワインを気取って飲んでいた自分のグラスをトマトジュースにすり替えてやりたい。
そんな感じで、クレヨン野郎は私が全て知っていると思っていたらしい。改めて既婚の事実を知った時
浮気ということですね。
位しか言葉が出てこなかった。ビックリしたというよりも、
だから??
という感覚の方が正しい表現だろう。『浮気』というものの本質を理解するには年齢と経験値が当時の私には足りなかった。
私と付き合う前にも3年付き合っていた彼女がいたらしい。そしてその事を奥様も知っていたらしい。
どうやら隠し事が出来ない人間のようだ。
というより、嘘が下手すぎてすぐバレる。
奥様と離婚するという話になったが、クレヨン野郎の御父上が癌になってしまった。癌は気持ちの変化で悪化したりするものだから、今マイナスなとこは伝えたくないという事で離婚するのをやめている
これがクレヨン野郎が私に説明した内容だ。これをふまえた上で、私は何度かデートを重ねた。
そして、クレヨン野郎は何度目かのデートの後に私にこう言った
父の癌は結構重度で本当に長く生きられない。その間は穏やかに過ごさせてあげたい。だから今は離婚できないが、俺と付き合ってほしい。
私に断れるわけがない。
何故なら私は既にクレヨン野郎にどっぷりハマっている
ここまで読んで、こんなの不倫の男に上手く丸め込まれて!と思う方も多かろう。
私とてバカではない。丸め込まれているの位わかっている。
ただ、丸め込まれてもイイと思った相手に出会ってしまったのだ。
実際、付き合って2年もしない間に御父上はお亡くなりになった。
クレヨン野郎は御父上を大変尊敬していた。彼が私の前で大泣きしたのはこの時が初めてである。
御父上がお亡くなりになって早5年が経とうとしているが、今だ離婚していない。『子はかすがい』という言葉の意味がやっと理解できた。
離婚できていない経緯はまた次の機会に。
私は御父上のお顔を拝見することは無かったが、もし本当に天国というものがあって、空からみていらっしゃるのであれば、あなたの孫の顔を見てほしい。
ナポギストラー博士によく似た天使のような顔を。