ガセネタに引っかかりたくないあなたには #人生に効く昔話の処方箋
医療情報のガセネタ、芸能情報のガセネタ、投資情報のガセネタ等、世の中にはたくさんのガセネタが流れている。
ガセネタのせいで判断を誤ると色々面倒だ。時には、人生や命に関わる。
「ふるやのもり」という昔話がある。
雨降るある日、
お爺さんとお婆さんと孫が住む山奥の家に
オオカミと泥棒が偶然同じ時に盗みに入り中をうかがっていると
孫が「この世で1番怖いものは何?」と爺婆に尋ねる。
「人間なら泥棒」「動物ならオオカミ」という爺婆の答えに得意げな泥棒とオオカミだったが
「それよりも恐ろしいのは、ふるやのもりだ」
という言葉を聞き、自分達より怖いものとは一体何だろうと思ったところに
爺婆が慌てて「ふるやのもりが来た!」と騒いだもんだから大変。
自分達より恐ろしいという「ふるやのもり」から逃げようと慌てた泥棒がオオカミの上に落ち、背をつかんだのでオオカミも慌て驚き、猛スピードで走り出す。お互いに相手が「ふるやのもり」ではないかという勘違い恐怖MAXで森の中へ…。
その後は、オオカミが森の仲間と「ふるやのもり」を退治しようとする由来譚が続くんだけど。
結局、「ふるやのもり」って何かって言ったら「古屋の漏り」。お爺さんとお婆さんが1番怖いと言っていたのは、古い家の雨漏りだったんだよ。
笑っちゃうけど、笑えない。
私たちって「わからない」状態に中々耐えらんないんだよね。何だかわからないもの、特に怖いかも、危険かもしれないと言われるものを様々な可能性がある「わからないもの」として宙ぶらりんな状態に抱えておくのはストレスだ。
だから人に対しても物に対しても、無意識にとりあえずラベリングし、味方か敵か、有用か不要かなどを「とりあえず」判断してしまいがち。
怖い時ほど、慌てた時ほど
怖がらせようとする人や慌てさせる仕掛けがないかを見ながら
簡単に答えを出さずにじーーっと耐えて
じーーーっと見つめて耳を澄ます。
慌てずにじーーっと覗いていたら
お爺さんとお婆さんが
桶を持って「ふるやのもり」を受け止めているのも見えたかもしれない。
感染症騒ぎの中でも
経済状況の混乱の中でも
恐ろしいといわれる
「ふるやのもり」を
我慢してじーーーっと見つめる。
それが
ガセネタを掴んだり
オオカミの背を掴んだりしないための方法。
怖いな、と思考停止しかけたら
思い出そう
怖い怖い「ふるやのもり」を。