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白黒付けずにいられない病をどうする? #人生に効く昔話の処方箋
ルール違反の酷い過ちは正すべきである。白黒はっきりすることは、とても大事。
そう考える人が多いから、皆、ルールを守り、摩擦の少ない社会生活が送れる。
でも、性急に白黒付ける癖は、色んなことを見落とすから、よく分からない気持ち悪さを抱えることは意外と大切。
昔話「ぬすっと女房」は
旦那に盗みをさせる女房の話。
盗みをしたくない男は、すぐに見つかるようなものばかり盗むのだが女房がいつも上手。
男が畑に置かれた採れたての青いネギの束を盗めば、女房は湯気に当てて黄色いネギの束にし、怒鳴り込んだ持ち主に間違ったと謝らせる始末。
男が牛を盗めば、ツノを温めて曲げ、別の牛のようにして売り飛ばし、男が子どもの死体を盗めば、酒屋の戸に立て掛け、店の者が戸を開けた勢いで死んだとイチャモン付けて金を取る。
それで夫婦は一生楽に暮らして、女房のぬすっともなおったとさ、という結末。
え?
いいの?そんな話で?よくないよね?
多くの人が口伝えで伝え続けてきた
昔話の知恵って何なん??え?
あの、ご先祖たちは
この話を伝え続けて来た理由をに200字で説明してもらってよかですか?
気持ち悪いし、座りが悪い、理不尽なもやもや。
勧善懲悪のテンプレートにのらない話で
もやもやを注入。
誰もがスパーンと問題を解決してスッキリしたい。白黒はっきり、勧善懲悪、弱気を助け強気を挫く、めでたしで終わりたい。
でも、スッキリ終われない、謎の理不尽、意味不明なことも横たわるのが人生だ。
意味不明、理不尽なまま何かを一旦受け止める。
えーっと、牛のツノの形を変えたように一部を変えれば特許侵害にも、ビジネスモデルの模倣にもならない、っつー教えでしょうかね?
などと、何からでも教訓を引き出し、何でも意味付けてしまう病に付ける薬。
「ぬすっと女房」
だから、何で長年わざわざ伝承してるんだっつーの?
どこかのお爺さん、夢枕で教えて〜。
全てに善悪、全てに白黒、全てに意味を求めない。
そういうことじゃよ…。