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慰めてくれるのは牛とコーヒーだけ~東海シクロクロス愛知牧場DAY1
東海シクロクロス・愛知牧場ラウンドDAY1
ME1 35位(44出走 -1LAP)
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愛知牧場のレースは以前から出たいと思っていた。
会場の雰囲気やダイナミックなコースレイアウト、JCX戦も開催されるような広いキャパシティの会場と聞いて、東海シクロクロスの中でもアイコニックなイベントの一つ、ME1に上がる前からいつか走りたいコースと思っていた。
本来なら年明けは千葉から始動なのだが、今年は仕事の都合でイベントをスキップ、その補充で遠征ということで愛知牧場を走るチャンスが訪れた。
二日間の開催だったが、後泊するかどうか悩ましかったので、比較的ロジスティクス的に無理のない土曜日のみの出走とした。
今回のトピックは待望のニューマシンBianchi Impulso PROがいよいよ実戦デビュー。
昨年11月ごろからバイクを作り始め、年末にいよいよ完成。
年明けから数日間にわたってテスト走行を繰り返し、かなりの手ごたえを感じており、フィジカル的にはベストではなかったが、ニューマシンの走りには期待するものがあった。
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このマシンは実質上Bianchi ZOLDER PROの姉妹車両で、ジオメトリが全く一緒。ストレートに言うならばZOLDER PROの色違いのバイクだ。
完成車で購入したが、ほぼほぼすべて組み替えてシクロクロスで使いやすいようにアレンジした。
12速のアルテグラDi2(R8170系)に組みなおし、東洋フレームから移設したPraxisのカーボンクランク、ホイールもイチから組みなおし2セット用意。
完成状態で重量は7.2kgと恐ろしい軽さに仕上がった。
完成車から変えずに使っているものはヘッドの下ワンと、シートクランプくらいだった。
しかし、そのわずかな部分がレースで問題を起こすことになる。
レース前日に積雪があり、コンディションが心配されたが、当日は日差しも良く気温が上がり、お昼前にはすっかり水分は飛びハードパックな路面になっていた。
朝の試走は間に合わず、コースサイドから軽く眺める程度になり、コースチェックは昼からの試走のみ。
それもME1レースの直前の時間というのもあり、時間はフルで使えず、低強度のウォームアップ後に2周弱ほど走って切り上げる程度にとどまった。
タイヤはセンタースリックのChallenge Chicaneを1.6barで走らせたが、少しコシがないように感じたので、1.8Barに上げて本番に挑むこととした。
ゼッケンは28番で、最後列ではなく4列目程度のグリッドインとなったが、スタート前の心拍がいつもより10~15高く本調子ではなく、バイクも初の実戦だったので、スタートはスローな立ち上がりで行こうと決めた。
ひとまずの目標は30位以内だ。
スタートはクリートキャッチも反応もまずまずだったが、それほど攻め込まず、番手を下げ気味に入っていく。
40番手程度の位置に落ち着くと、そこから少しづつペースを作り上がっていった。
自分はヒルクライムがあまり得意ではないのだが、バイクの登坂のフィーリングが良く、半周過ぎたあたりから、登坂部分を中心に選手をパスしていき、28位前後を争う5~6名パックに合流した。
コーナーは初めてのコースかつまだそれほど慣れてないニューバイクなので、グリップ感やラインも探りながら、少し保守的なアプローチでレースを進めていく。
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ラップタイムは7分30秒~35秒でコンスタントに周回。
中盤になると登坂が厳しく、少し体を落ち着かせるためにパックの後方につき、コーナーを少しづつ攻め込んでいき、何とかその後方にしがみつく。
登りに下りにラフなカーブとかなり忙しいコースで、ジェルを口にする暇もなかったが、これだけ登坂の多いコース、無対策では終盤に足攣りを起こすだろうと思い、少しパックから離れてしまったが、ジェルを飲んで終盤に備えた。
しかし、レース時間も45分が過ぎ、あと2周回程度とゴールが見えてきたタイミング、シケインからのリマウントでシートポストがずれて下に落ちてしまう。
それほどどっかりとリマウントで体重をかけてしまったつもりはなかったのだが……いずれにしてもサドルが下まで落ち切ってしまい、上りや下りカーブでサドルに体重がかけられずこれでパックからは完全に脱落。
些細なトラブルだがピットには誰もおらず、どうすることもできない。
せっかくここまで良い展開で来ていたのに、あと10分のところでレースを失ってしまったことに、いら立ちが隠せず、レース中に何度もハンドルをたたいてしまった。
結局2周でいくつかポジションを落としてしまい、35位でゴール。
%で言えば79%の順位なので、ここしばらく80%以上のポジションだったことを考えると、トラブルで後退しながらもこの順位は悪いものではなかったのだが、12月は最下位ばかりのレースが続き、久し振りに良い展開でレースらしいレースが出来ていると思ったら……というトラブルである、レース後はただ受け入れがたく、久し振りにイライラしたまま片づけをした。
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ただ、今回初めて実戦投入した車体なのでマイナートラブルはつきもの。
レース後にクールダウンをしてBUCHO COFFEEを飲みながら牛を眺めていたら、少しばかり癒された気がした。
シートクランプは次回までに対策をし、やや癖のあるハンドリングにもっと慣れて、次回大洗では50%以内のゴールを目指したい。
お写真はKIKUZOさんより