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その人はキミのことを友だちと思っているのかな(ムジュラの仮面セリフ考察)

ゼルダの伝説 ムジュラの仮面
そのラストダンジョンで「月の中にいる子ども」のセリフが上記画像である。

ムジュラの仮面のリンクは友をなくして、そのなくした友を探すことから始まる。
そして道中、さまざまな人たちを幸せにしていっぱい幸せがつまったお面を手に入れる。

そんなお面を渡したときに「月の中にいる子ども」の一人が発したセリフがこれ。

「キミの友達はどんな…ひと?」
「そのひとはキミのことを…友だちと 思ってるのかな」

誤解を恐れずに言うと、はっきり言ってこのセリフはラストダンジョンで特に物語としての必要性がない。
でも最後まで不気味でユーザーに深い疑問を問いかけてくる。

最後の最後に人間不信を投げかけてくる、こういうところがムジュラの仮面らしくて好き。

実際に「自分が友達だと思っていたけど実は裏では避けられたり嫌われていたり」することは何度も経験して、そのたびにこのセリフを思い出す。
どんなホラーゲームよりも怖い発言をしているのだけど、大人にならないとこの怖さはわからない。

きっとこのシナリオを担当した人も友達だと思ってた人が実は違ったという経験があるのではないかな。

ムジュラの仮面のラスボスは、はっきり言ってたあだ戦うだけ。しかも強くない。なんならグヨーグの方がはるかにラスボスよりも強い。

だからこそ、じゃないかな。ラストダンジョンというか、エクストラダンジョンを配置して、最後に怖い問いかけをすることで、月の中の綺麗な景色とは対照的な暗い空間で怖い疑問を投げかけることで余計にその対比が際立っているように私は感じる。

ムジュラの仮面は幽霊や怪物などいろんな敵と戦うけど、結局は「生きてる人間」が一番怖いことを思い知らせてくれる名セリフといえる。ある意味ジャパニーズホラーの傑作。

実は筆者も幽霊のようなものを感じることができるのだけど、幽霊というものは余程凶悪なものでない限り物理的に人間に干渉ができない。

そんなことより生きてる人間が一番怖い。
そして、その「怖いこと」のトップ4くらいにはこの「友だちだと思っていた人が実は向こうは友だちと見てなかった」ことじゃないかな。

このゲームの憎いところは「じゃあどうすればいいの?」という答えを用意してくれていないところだ。単に投げかけるだけ。それぞれのプレイヤーの数だけ答えがあるとおもう。

もしこの記事を見てくださる方がいるのであれば。あなたはこんな疑問を持ったときどう思うでしょうか?

自分の場合は……正直怖い。相手が自分のことを嫌っているなら、言ってほしいし、無理に関係を続けられるほうが辛いかもしれない。

そういう時はどうすればいいのか。未だに答えは出ない。

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