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ヲタク歴8年の私がアイドルヲタクをやめた話

「あ〜〜、今日も推しが尊い!」

そう、私たちアイドルヲタクは推しに生かされている。

推しがいないと毎日がつまらない。

学校や仕事、日々の生活を頑張れない。干物になる。推しの居ない生活など、キャップのないペットボトルと同じなのだ。(例えの癖がすごい)

私は小学校6年生〜高校3年生の約8年間、推しを追いかけることだけにただ夢中な生粋のアイドルヲタクでした。

親戚からお正月に貰ったお年玉、毎月のお小遣い、アルバイトができるようになってからはバイト代、それらの全てをアイドルに捧げて常時お財布の中は空っぽ。親にはいつも呆れられていました。(怒られはしなかったです)

歌って踊るグループに「磁石のS極とN極なんか?」ってぐらい引き寄せられてしまい、どうも魅力を感じてしまう病の私は1、2年のスパンでグループをどんどん変えながらいろんなグループを追いかけました。

追いかけてる時は好きで好きで仕方なくて必死なんだけど、毎度のことながら急にシューーーーーーと風船が萎むかのように熱が冷めちゃう。で、S極(私)は次のN極(推し)を探すわけなのです。これが俗に言う推し変ってやつ。

「ヲタクやめたい」

これはヲタクの常套句で、例えば推しのスキャンダルが出たり、ライブで干されたり、推しに関連することで何か嫌なことがあるとヲタクはすぐに「あーーー、もうヲタクやめたい」などと口にする。いまこの記事を読んで下さっているヲタクの皆さん、きっと自覚症状があるのではなかろうか……。もはや口癖みたいなものだよね。まあ、発言に反して9割9分9厘やめる気なかったりする。そんな簡単にやめられるものじゃないんだもの。

私もよく「ヲタクやめたい」って口にしてました。

だって、ヲタクをやめれば確実に金銭的な余裕が生まれるし、推しのスキャンダルひとつでこの世の終わりなんかな?ってくらい落ち込む時間も無くなるし。病む時間が無駄ってことくらい十分に分かってるつもりなんだけど、病んじゃうのです。ヲタクだから。推しのことだいすきだから。

やめたいやめたいと口にするのは誰にでもできるけど、実際にやめるぞ!と行動に移すのは本当に至難の技だと思います。ヲタクにとって、推しの存在は生き甲斐だから。言っちゃえば、「ヲタクをやめた自分=何にも持ってないダメ人間」になっちゃう感じがするんだなあ。

ヲタクやめたいわ〜って言いながらもずっと8年ヲタクし続けてきたけど、去年の12月頃、私はついにアイドルヲタクをやめました。前置き長すぎだけど、今回はこの話をしようと思います!します!(前置きだけで記事ひとつ出来そうだったわ。あっぶね〜〜〜〜。)

推していたグループのこと、学生生活とヲタクの両立、受験、友人関係についてなどなどいろいろお話しますね。かなり長くなりそうですが、読みやすいように書くことを心がけますので、よければ最後までお読みいただけるととっっても嬉しいです!よろしくお願いいたします☺︎

まずは、私が推していたグループについてお話ししようと思います。

元々は横浜アリーナだとか大阪城ホールだとか、アリーナ規模の大きいツアーをするようなグループが好きで、毎年春夏と冬に行われるツアーに全力を注いでいました。中学生の時はお小遣いやお年玉から絞り出したお金で家から一番近いところの公演だけ参加していましたが、高校生になってからは推しの為にとアルバイトを始め、「遠征」もするようになりました。

遠征で一番ダメージが大きいのって交通費なんです。(チケット代はのちに推しの生活費となるので実質無料)バス代、電車代、新幹線代。人間一人が日本国内を移動するだけでそんなにかかるんすか・・・ってぐらい掛かります。とにかく高い。お財布大打撃。

それでも、規模の大きいグループは基本的に接触イベントがないので、ライブは自分のお財布と相談して行ける範囲で会いに行く、「セーブする時はセーブする」というスタンスでうまくやっていました。この時はまだ良かった。(この後からが地獄)


ある日、「最近(推しの)現場もないし、ここの現場遊びに行ってみよ〜」と軽い気持ちでとあるグループのリリイベに足を運びました。

デビューをしているものの、まだ駆け出し中のそのグループはCDを○枚購入すると握手が出来ます!ツーショットが撮れます!サインします!みたいな特典会商法のグループ。かっこいい人と握手?!ツーショ?!そんなの実質タダやん。と気づけばCD買ってた。怖いなあ、もう。事前にプロフィールなどを調べて、この人かっこいいな、と思っていたメンバーの特典会に参加しました。

特典会に参加してしまったのが終わりの始まり。
私は推し(仮)とツーショットを撮ってもらったのですが、ちょっと待て、推しとの思い出がスマホに残るなんて何事だ????これは世紀の大革命だ………今まで推しと直接話せることなんてほぼない世界で生きてきた私には超カルチャーショック。見事に落ちた。帰りの電車でもずっとツーショを見てはニヤついてたな。一緒に来てくれた友達も呆れてました。ヲタクって最高にチョロいし、そのチョロさで経済回してるよね。

そんなこんなでズボっと深い沼に足を突っ込んでしまった私はそこからそのグループの追っかけをすることに。

毎週のように行われるリリイベ、鬼のような出費。今まで推していたどのグループとも比べ物にならないくらい莫大なお金が掛かりました。多い時は週3回現場があることもザラだった。おかしいでしょ(冷静)

当時私は高校生で、学校に行きながらバイトして、週末は現場、学校帰りに着替えを持って行ってそのままリリイベってこともありました。我ながらよく頑張ってたなあと思う。リリイベに一回行くだけで5000〜10000円は当たり前のように飛んでたし、朝早くから並んだり体力的にも結構キツくて、今からあの生活をもう一度しろって言われても絶対できない。あれは若気の至り。

ただ、がんばって通うとやっぱり向こうも覚えてくれるんです。認知ってやつ。この世の全てのヲタクが憧れるよね。考えてみてください。推しが自分のことを認識してるってやばくない?考えただけで頭に血が上って倒れそうになる。

「私」ってことを認識してライブ中に目線が合ったり、レスが来たりするんです。もうここから一生抜け出せんなって思ってた。

リリイベっていうのは大体CDのリリース前に全国各地を回って、発売日前に予約購入をしてもらうことが多いです。お金だけ先払いしてその日に特典を受けてもらって、発売後にCDが手元に来る感じ。つまりリリイベ期間中はCDが手元に来ないからお金をこれだけ使ってるっていうのが物理的に見えない。これ、本当に危険なの!!!警鐘!

発売した後に続々と自宅に届くダンボールの山。A○B48系のグループを応援してて握手会のために部屋中に山積みのCDを抱えてるおじさんをテレビとかで見たことあると思うんだけど、あそこまで行かずとも、近いものがある。というか、やってることは同じです。

CDが手元に来るまではスマホの中のツーショを見たり握手で話したことを思い出したりして思い出に浸れるんだけど、いざCDが届いたときの虚しさたるや。あれはハンパじゃない。「あ〜、何してんだろ」「このお金、もっと他に買えるものあったなあ」とか、負のループに陥り出したら止まらない。

でも一周まわると「こんなに推しに貢献した!」とか訳のわからない思考になってきて、じゃあ次のリリイベもがんばろ!!!ってなる。(バカなのか…?)全部自分のお金でヲタクしていたし、親に迷惑はかけていないつもりだったけど、でもなんだか後ろめたくてCD全部隠してた。バレてたかもしれないけど。

そんな感じで約1年半くらいずっとそのグループを追いかけてきたのですが、去年私は大学受験があって、秋頃からめちゃくちゃ推しに会いたい気持ちを押し殺して現場には行かないと決意。

SNSも全部消して情報も全てシャットダウン、推しのいない生活に切り替えました。モチベーションとして推しの活動をSNSで追うのもアリだったんだけど、私の場合、見てしまうと絶対勉強できなくなるって分かったいたので思い切って断ち切りました。

この決断が実は大正解で、受験が終わった頃には全く興味がなくなり、知らない間にアイドルヲタクをやめることに成功しました。

戻った頃には一緒に現場に行っていた友達たちもみんな冷め始めていて、降りるムードが高まってたのもあってすんなり。あんなに何度も「ヲタクやめる」って言ってもやめられなかったのに、こうもあっさりとやめられたものだからなんだか寂しくなっちゃうくらいでした。

8年もずっといろんなアイドル追いかけてたから、自分の中では、かなり大きい喪失感みたいなものがありました。

ここからは高校生と両立してヲタクをしてきて思うことを綴ります。

私は学校で陰キャだったし、目立つことをして人に後ろ指を刺されるのがこわくて何にもできなかった。でも音楽やアイドルが好きだったから、週末は好きな服を着て大好きな友達と推しに会いに行く。

平日は大人しくしてるけど、週末は好きなことを好きなだけ。これで平日とのバランスを保っていました。結構こういう人、多いんじゃないかなあ。学校で嫌なことがあっても、推しがいてくれるおかげでがんばれた。

絶対に推しがいなくちゃ高校生活は乗り切れなかったと思います。学校生活ももちろん楽しかったけどね!

学校が終わってからのバイト、現場がない土日のバイト。楽じゃないけれど、バイトをすると少し常識人になれるし、大人の世界を知れる。モラルやマナーはバイトで沢山学ばせてもらったと思っています。

推しがいなかったら働く理由がなかったからここまで必死にバイトしてなかったと思うし、お金を稼ぐことの大変さも知って、大人へのリスペクトも増えたし!バイトをがんばれたのも推しのおかげです。

ただ、少し後悔していることもあって。

何でもヲタクを優先して生きてきたせいで、学校の友達とあまり遊ばなかったんです。誘ってくれてもリリイベがあるからお断りしたり、学校終わったらすぐ教室を飛び出して現場に行ったりしてたから本当にもったいないことをしたなあって思います。友達はみんなめっちゃ優しくて、「今日もライブ?楽しんできてね!」っていつも送り出してくれていたけど、時々でも現場より友達を優先してもよかったんじゃないかなあと。現場にも友達はいたから、そこを天秤にかけるのはちがうとは思うんだけどね。

いま現役でヲタクしながら中高生をしている子に伝えたい!推しも大切だけど、学校での友達も大事にしてね。私の友達はみんな優しい子ばかりだったから見捨てずに友達でいてくれたけど、突き放されてもおかしくなかったと思う。推しだけに夢中にならず、周りにいてくれる人のことも大事にね!

私がヲタクをしていて本当に良かったと思うこと

まず、友達が沢山できたこと。みんな同じグループを応援しているからなのか、考え方とか価値観が似てる人が多くて、話していてめっちゃ楽しい!学校の友達にも話せないことも、ヲタクの友達には話せたりする。

一人でどこにも行けなかったような超方向音痴の私が、遠征をするようになってから知らない街でもなんとか一人で歩けるくらいにはなりました。これって凄い成長!未だに地図が読めないので危うさはありますが(おバカです)

あとはファッション。メイクや服なんて興味もなかったけれど、ヲタクをするようになって気を遣うようになりました。ヲタクってまじで可愛い人多いんです。ヲタクしてなかったら気にしてないままだったかもと思うとゾッとする。服もメイクもお金かかるけど、楽しい!

推しって、その人のことを「可愛い」「かっこいい」「尊い」とか、人によって抱く感情は違うと思うけど、応援したいと思わせる何かしらのとんでもない魅力があるから応援するんだよね。だってその対象でないならお金払えないもん。お金払いたくなるくらいにめっちゃ魅力的なの、推し。

私はいろんな人を推してきたけど、どの推しに対しても言えるのは「人として尊敬できる人」であることです。

勉強熱心な推しの姿を見て私も勉強したり、推しが人に怒らないすごく優しい人だから私もそうなりたい、とか。見習いたい、こんな素敵な人になりたいと思わせてくれる人たちを応援してきました。

いま、私という人間を構成してくれているのは歴代の推したちだと思います。決してこれは大袈裟じゃなくて!本当に感謝しています。

何でこんなにも思い入れがあって、感謝もしているのにヲタクをやめたのか、自分なりに整理して色々と考えてみました。

まず、さっきも少しだけ触れたんだけど、認知だとかそういうものに固執してしまう自分がすごく嫌になったということは理由の一つかなと思います

必死になって会いに行っていたのも、推しに「自分のことを忘れて欲しくない」っていう黒い渦みたいな気持ちがあったからで、だんだんと通うにつれてただ100%好きって気持ちだけで会いに行けなくなった。それって何だか悲しいし、そういう理由で会いに行くことを否定するわけでも何でもないんだけど、私自身はそこに関してちょっと違うな、と思う部分がありました。

次に、1つ目と少し似ているんですが、知りたくない部分を見てしまったこと。スキャンダルとか全然そういうことではなくて、はぐらかさずにはっきり言ってしまうとファンへの対応です。

接触アイドルの界隈は「金が物を言う」世界です。(言い方が悪くてすみません)推しの特典会に積むために夜のお仕事をするファンの方も少なくなかったので、全通(全てのイベントに参加すること)、おまいつ(全通ほどではないが比較的いつもいる人)の方々への推しへの対応はやはり違っていたりします。できるだけ平等にと心がけてくれているのは伝わってくるのですが、会いに来る回数が多い人ほど親しさも増しますし、お金を沢山払えないファンが首を突っ込むことではないけれど仕方のないことです。

そういう部分を目の当たりにしたり、差を見せつけられるとだんだんしんどくなることが多かったです。高校生がいくらバイトを頑張ってもお給料はそんなに多くないですし。こういう考えに至ってしまっている時点で、もう純粋に楽しめていないんだなあと。

3つ目はポジティブな理由だったりします!「自分のやりたいことが見つかった」。単純なことだけど、凄く嬉しいしワクワクすること。自分がやりたいことに向かって努力をしたり勉強をしたいと思えるようになったことです。ずっと誰かを応援してその人が夢を叶えていく姿を見ていたけど、それを今度は自分にスポットを当てることにしました。目標や夢ができると目の前が開けてくる。人生一度きりです、やりたいことをやろう!

以上が私のヲタクをやめた理由たちです。いろいろあるけど、ヲタクするのは本当に楽しかったので最高の思い出です。今でも写真を見返すと戻りたいな〜〜!って思ったりします。戻らんけどね!!!(なんなん)

ヲタクをした8年間で私は人として大きく成長することができたと思っています。それは推し、ヲタク友達、呆れずにいてくれた学校の友達、親、全ての人のおかげです。本当にありがとう。

そしていま、誰かのヲタクをしている人へ!

もしヲタクをやめるとするなら、その時は案外必然と来ます。だから無理してやめる必要はないと思うし、いまが楽しいのであれば全力でヲタクしてください。そもそもヲタクは犯罪ではないからやめる義務もないしね。「推しは推せる時に推せ」です。これはマジだよ。私自身推しが脱退して心底後悔したことがあるから、同じ思いはしないようにしてほしいです。楽しんで!!!!!

ここまでつらつらと私のヲタク人生について書いてきたわけですが、アイドルにしてもアニメにしても何にしても、ヲタクって最高の生き物だと思うし「好き」に真っ直ぐなヲタクが大好きだったりします。全てのヲタク、幸せになってくれ!!!私の人生の中で一番濃いエピソードってやっぱりヲタクをしていたときの話なので、それを上回るエピソードを生産できるように人生がんばろうと思います。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました☺︎

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twitter:@mina_wkwk

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杉岡 みなみ
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