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2022年度大学入学共通テスト(国語)の分析

全体
全体的な問題としてはやや難化した印象となった。全体的により共通テストに変わったことを印象付けるような設問もあり、今年度の問題が実質的に共通テスト元年と言えなくもない。この傾向を踏まえた対策が来年度以降にも重要になるため、来年度受験を控えている高校2年生はすぐに
問題を解き、自身が苦手としているジャンルや設問形式を理解しておくと安全。

第一問 
文章量 やや少ない / 文章難易度 やや易 / 問題難易度 標準

知識問題
五問中二問に漢字の意味を問う問題が出題されており、漢文で出題されることのある問題が出たのはいつも通りの出題となっていた。日頃から漢字の学習を進めていればそこまで難しくない字ではあるが、漢字の意味についてあまり意識なく勉強していると難しく感じる可能性もある。日頃から意味を考えて学習していくことは、漢文の基礎もなるため勉強したい要素となる。

読解問題
文章難易度がやや易でしかも、文章量がやや少ないこともあり、丁寧に選択肢を読まないと間違えるような問題が多く、雰囲気や雑に文章を読む癖がついてしまっているとなかなか点数が伸びない可能性がある。また、選択肢を吟味する練習も必要で、日頃の演習の仕方も点数に影響を与える。問題演習をする際から丁寧に文章を読み、文章に根拠を求めて問題を解くという基本的な学習を継続することが点数に繋がると言える。


第二問
文章量 少ない / 文章難易度 やや易 / 問題難易度 やや易

知識問題
今回は出題されなかった。文章自体が比較的平易ということもあり、避けられたとも言える。知識問題は比較的時間を掛けずに解けるという点を考えると出題されない方が不利になる場面が多くなる。読解問題のみの年も今後はありうると考えて文章を素早く読み訓練をしておきたいところ。

読解問題
多くの設問が二択までは簡単に絞れて、そこから細部の表現でより適切なものを選ぶことで正解できる設問だった。文章に書かれていない表現も多いため、その表現に誘導されすぎて文章に全く根拠のない読解をしないようにすることが重要になる。選択肢の吟味については傍線部自体を再度見直すとより良い選択肢に気づくことも多いので、日頃の演習でも二択に絞れたから良いかと中途半端な状況で満足せず、最後まで理由を突き詰めることが大事。

第三問
文章量 やや多い / 文章難易度 やや難 / 問題難易度 標準

知識問題
文法や単語に関する問題がほぼ例年通り出題されている。日頃から知識を増やしておくことで対応できるので、単語帳や文法問題集といった教材を定期的に学習する癖をつけておくことが重要になる。

読解問題
文章自体の難易度がやや難しいため、設問自体は標準的な問題となっている。設問を読むことで、理解しづらい部分を補うこともできるので、設問を読みながら文章を読み進めていくような解き方が有効になる。センター試験の頃から、古文の読解問題は割と設問を解きながら読み返していくと安定する人も多いので、自分にあった解き方を見つけておくのも共通テストの古文では重要な対策の1つと言える。

第四問
文章量 標準 / 文章難易度 標準 / 問題難易度 標準

知識問題
漢字に関する問題や句形に関する問題など例年通りの出題となっていた。日頃から漢文の問題集をこなしていれば苦戦しない程度の問題なので、失点は避けたい問題が多い。

読解問題
押韻に関する問題がやや難しいが、それ以外の設問は全て例年通りで、満点も難しくないものとなっている。文章量も劇的に増加しておらず、誤差の範囲で数年推移していることからも標準的な文章量と難易度となっている。読解問題についても日頃から問題演習に取り組んでいれば苦戦はしない。


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