見出し画像

【かりす杯チーム戦予選全勝】マルヤクデVmax(全文無料・投げ銭)

0.前置き

※本記事は有料設定となっていますが、有料部分にポケモンカードに関する話は一切記載しておりません。いわゆる本分全文無料の投げ銭形式記事となっております。

※本記事の売り上げは主に映画のチケット代、好きな作品のグッズ・コミック・小説・円盤の購入代、布切れをまとった薄汚い20代男性からぎりぎり人間に見える何かに進化するために必要な衣料品の購入代として使用します。

※本記事ではカードの非公式名称(例:アルセウス&ディアルガ&パルキアGX→ADP、こくばバドレックス→黒バド)を使用します。

※情報の付与として()、デッキアーキタイプとして【】、カード名として《》を使用します(例:【ADPZ(《フウロ》入り)】)

 この度は2021年4月11日に行われた自主大会「かりす杯」のチーム戦部門において予選全員全勝(全員戦績4-0, チーム戦績4-0)の結果を残すことが出来ました。

 今回、自分では【炎MM】を超えるアーキタイプを作成することが出来なかったため私自身が使用するデッキはチームメイトのほりでぇ(Twitter:@hori_poke)に外注しました。しかしながら私が提示した原案に同じくチームメイトのマイケル(Twitter:@Michael_pokemo)は好感触を覚えたため、その原案をもとにした【マルヤクデ】を使用しました。

 

 因みに私個人の実績はこちらの記事に纏めておいたので「どこの馬の骨ともわからん奴の記事を読むのは癪だから、せめてこいつがどんな奴か見定めてから読もう」という方はご一読ください。

以下常態


1.環境の予想~CL愛知から何が変わったのか~

 CL愛知を終えて、最も評価が改められたのは【黒MM】であると感じた。先攻2ターン目のデッドムーンGXを受けて返せるデッキは存在しないと言っても過言ではないし、かといって後攻を取らされても《ナツメ&ハチク》で盤石な盤面を形成できるこのアーキタイプはじゃんけんの勝敗=試合の勝敗にならないという点で競技的に非常に強力である。

 また、アタッカーの色も黒と紫を使い分けることが可能であり、相手の色が弱点だから負けというリスクも最小限の抑えることが可能となっている。

 こういった点から、私は【黒MM】を極めて高く評価しており、CL愛知の環境予想のTier1からTier2の間に【黒MM】を加えたものが現環境の評価として適切であると考えた(CL愛知の環境予想は以下の記事の無料部分で確認可能である)。

 【ADPZ】【連撃ウーラオス】【黒以外のMM】【ムゲンダイナ】【マルヤクデ】といったCL愛知以前から認知していたアーキタイプに関してはその特徴や構築上の欠陥を把握していたため、今回のチーム戦に当たってはまず「【黒MM】の特徴や構築上の欠陥を探る」ということが至上命題となった。


2.【黒MM】の特徴

 【黒MM】の特徴や構築上の欠陥を探るため、まずは【黒MM】が理想としている勝利ルートの言語化を行った。それは以下の通りとなる。


・先攻の場合
1ターン目
 盤面のポケモン:《タイプ:ヌル》《ニューラ》《ガラルファイヤー》
 エネ:手貼り+じゃえんのつばさによる計2エネ

2ターン目
 盤面のポケモン:《シルヴァディ》《マニューラ》《ガラルファイヤー》《MMorブラッキー&ダークライ》
 エネ:手貼り+じゃえんのつばさ+《レッドグリーン》で計6エネ
 ワザ:デッドムーンGX追加効果あり

3ターン目
 盤面のポケモン:デッドムーンGXを《MM》で打っていた場合《ヤミバンギ》
 エネ:追加する必要はない(追加してもいい)
 ワザ:グリードクラッシュGXでGXポケモン処理

・後攻の場合
基本は先攻の場合に同じ。但し1ターン目の盤面展開に《ナツメハチク》を使用できる

 動きから見た【黒MM】の特徴としてデッドムーンGXによるソフトロックから安全にサイド6枚を取り切るデッキだといえる。しかし、同じように2回の攻撃でサイドを6枚取るデッキである《ADPZ》よりも素の打点が低いのはデッキとしての欠陥である。これが何を意味するかといえば

・デッドムーンGXでサイドを3枚取れない

・グリードクラッシュのターンに相手の場にHPが210以下のポケモンが存在しない

・相手のメインアタッカーを1回の技で倒すことができない

このどれかを満たしている場合、サイドを6枚取り切るのが難しくなる、ということである。


 また、動きの確認をするとともにデッキリストについても情報を整理した。サンプルリストとしては第四期ポケカ四天王選抜大会で使用されていたFig.1とFig.2を提示する。Fig.3はFig.1とFig.2の差異を明確にすべく共通カードを具体的なカードに、非共通カードを基本フェアリーエネルギーとして示したものである。

画像1

Fig.1. サンプルリスト1


画像2

Fig.2 サンプルリスト2


画像3

Fig.3 リスト差異の明確化


 Fig.3を見ると自由枠のカードは5枠存在すると考えられる。しかしながら、《ポケモン入れ替え》or《あなぬけのヒモ》の違い、高い打点を出すためのポケモンである《ミミロップ&プリンGX》《ゲッコウガ&ゾロアークGX》の違いが自由枠3枠を消費している。故に、2つのリストを対比させた際に生まれる自由枠は実質2枠のみである。

 ここで、2つのリストのどちらかに登録されているカードや規定枠には収まっていないが採用を検討したいと感じたカードをリストアップすると以下の通りになる(掲載順は個人的に採用したいと考えている順である)。

・《マニューラGX》3枚目
・《ナツメハチク》2枚目
・《あなぬけのヒモ》2枚(or《ポケモン入れ替え》2枚、あなぬけ推し)
・《隠密フード》
・《ミミロップ&プリンGX》(or《ゲッコウガ&ゾロアークGX》、ロップ推し)
・《プレシャスボール》
・《ウィークガードエネルギー》
・《ツールジャマー》
・《クロバットV》

 以上のように、相当量のカードを採用したいところではあるが、Fig.3の基本フェアリーエネルギーとして示した自由枠は極めて少ない。また、具体的なカードとして示されている共通カードで不採用に出来るカードはあるかと検討したが、どのカードも減らす或いは不採用とするには惜しいカードである。故に採用検討カードの中から実際に採用するカードは絞る必要がある。

 と、ここで【黒MM】を使う側に回るのであれば採用カードの検討を1枚1枚行っていくわけだが、今回は【黒MM】を倒す側に回ることにしたため、これ以上の思考は進めていない。今回重要なのは採用カードの微細な違いではなく、「枠が狭く、メタカードへの対応が困難である」ということだ。つまり、こちらが適切な対策カードをデッキに盛り込むことができればそのカードに頼った勝利が現実的になる。


3.【黒MM】の対策・【マルヤクデ】に行き着くまで

 2.で述べた【黒MM】の問題点を突くことができるカードをそれぞれの問題ごとに整理する。

・デッドムーンGXでサイドを3枚取れない

→《ビッグパラソル》、《ラティオスGX》のクリアビジョンGX、サイド3の生き物不採用



・グリードクラッシュのターンに相手の場にHPが210以下のポケモンが存在しない

→《デデンネGX》不採用



・相手のメインアタッカーを1回の技で倒すことができない

→HPが300以上で超・悪以外の弱点を持つアタッカーをメインに据える

 《ビッグパラソル》をVmax主体のデッキに2枚以上採用することは《デデンネGX》以外の条件を同時に満たすことが可能であり、非常に有力な選択肢であった。そこで、超・悪弱点を持たないVmaxの中でも注目していた【ムゲンダイナ】【インテレオン】【マルヤクデ】のどれかが有効であると考えた。

 このうち、【ムゲンダイナ】はムゲンゾーンの性質上《デデンネGX》が自然と不採用になる点が評価できた。しかしながら、【黒MM】の対策を第一とするとはいえど【連撃ウーラオス】も一定以上存在すると考えており、《ガラルファイヤーV》をメインで動かすプランでやっと微不利、そうでなければ大きく不利を取る【ムゲンダイナ】を信用し切れなかった。

 【インテレオン】ではゲームが長引く傾向にあり、《ゲッコウガ&ゾロアークGX》のあくのはどうの打点が《インテレオンVmax》を1回の攻撃で倒せるまで盤面が成長しがちであった。故に、【マルヤクデ】の使用を考えた。

 また、デッキの安定感やデッドムーンGXまでに《ビッグパラソル》を引く必要があることを考えると《デデンネGX》不採用を前提として構築することは難易度が高かったことから、《デデンネGX》の条件を諦めることとした。

 結論として、《ビッグパラソル》を採用した【マルヤクデ】に注目した。


4.【マルヤクデ】の確定枠と自由枠

 Limitlessのサイトより、CL愛知でbest8に入賞した【マルヤクデ】2つのリストを確認し、共通カードと非共通カードを明確にした。Fig.4で基本フェアリーエネルギーとなっているのが非共通カードであり、その他のカードは共通カードである。

画像5

Fig.4 【マルヤクデ】共通カードと非共通カード

 共通カードの不採用も検討したが、54枚すべてに採用理由を感じたため自由枠を非共通カードの部分とした6枠のカスタマイズにより構築を完成させることにした。

 まず、3.で述べたように【黒MM】対面で非常に有効であることから《ビッグパラソル》を2枚採用した。この時点で自由枠の残りは4枚であるが、採用したいと感じるカードは4枚以上存在していた。それらは以下の通りである。

・《フィオネ》
・《デデンネGX》2枚目
・《マルヤクデVmax》4枚目
・《ポケギア》1枚目以降
・《リセットスタンプ》3枚目以降
・《ツールスクラッパー》
・《グレートキャッチャー》
・《ツールジャマ―》
・《大きなおまもり》
・《ボスの指令》4枚目
・《ヒート炎エネルギー》3枚目以降
・《巨大なかまど》4枚目

 これらの中から採用する4枠の選定を行うため、まず役割が共役しているカードの圧縮を行った。

 《フィオネ》《ボスの指令》《グレートキャッチャー》はキョダイヒャッカを当てる対象を変更することでよりきれいに6枚のサイドを取ることを狙っていたが、【マルヤクデ】にとってこの役割に最もフィットしていたのは《フィオネ》であった。

 《マルヤクデVmax》のサイズは現環境では1回の攻撃で気絶させられることが少ない。故に先殴りを徹底することが出来れば1体の《マルヤクデVmax》は2回の攻撃が可能になる。ここで、キョダイヒャッカの理想的な打点の変化を見ていくと

1回目
 手貼り+《溶接工》の3エネで160点
2回目
 手貼り*2+《溶接工》*2+キョダイヒャッカ*1の7エネで320点

と1回目の攻撃では《デデンネGX》までを、2回目の攻撃では《ビクティニVmax》《ADP》《マルヤクデVmax》あたりまでを一撃で倒すことができる。

 こちらが無暗にベンチを展開していなければ相手は《マルヤクデVmax》を倒しに来る必要があるわけで、2回目の攻撃を効果的に使うことは比較的容易である。そこで、1回目の攻撃を有効に使うことができるのはどのカード化と言えば《フィオネ》なのである。

 《デデンネGX》を取れるなら《グレートキャッチャー》が適していると思われるかもしれないが、160点を相手のアタッカーに当てることができると後に《ヒードランGX》を使ってサイド回収を行うことも可能になる点・こちらから見てキョダイヒャッカを当てたくないポケモンを序盤に複数用意することは難しい点・《クイックボール》からアクセスできる点・《ポケモン通信》の弾になれる点を考慮すると《フィオネ》こそ最適解であると私は考えた。


 次に役割の重複が分かりやすい《大きなおまもり》と《ヒート炎エネルギー》について考えた。これらのカードは《マルヤクデVmax》《マルヤクデV
》を守るカードというよりむしろ【ビクティニMM】の先2ダイビクトリーへの抵抗である。

 《大きなおまもり》は《ビッグパラソル》とは同時に使えないことから《ヒート炎エネルギー》3枚目が有力かに思われた。しかしそもそも《ビッグパラソル》が必要になる【黒MM】は素点が低く《マルヤクデVmax》のサイズが素で300を超えている時点で、同時使用不可な点はさほど問題ではなかった。

 そこで《大きなお守り》と《ヒート炎エネルギー》の差を考えたところ、《大きなおまもり》を付けた《ヒードランGX》はサイズが220になりグリードクラッシュでサイドを3枚持って行かれないことから、弱めである《ヒードランGX》スタートのリスクを多少減らせる点を評価し1枚《大きなおまもり》を採用した。正直ここはどちらでも大きい差はないので1枚採用の見た目の汚さを嫌うなら《ヒート炎エネルギー》でも問題ないように思える。


 同じ役割を持ったカードの選定という意味では最後の組になる《ツールジャマ―》《ツールスクラッパー》であるが、こちらは両方不採用とした。【マルヤクデ】にとって厄介な相手の道具はほとんどの場合《大きなおまもり》である。しかし《ツールジャマ―》を気にして《大きなおまもり》の採用が減っている点、デッキ内の道具枠を《ツールジャマー》に圧迫されて《大きなお守り》の採用が減っている点を考えるとこちらの《ツールジャマ―》《ツールスクラッパー》が有効に働く場面が《ツールジャマ―》実装前より減っているのは明白であった。


 残りのカードは役割の共役による圧縮が出来ないため、デッキの方向性によって決定することになった。直前まで【炎MM】という種軸の安定性が高いデッキを使っていたこともあり、Vmax軸の【マルヤクデ】では事故率が高いと考え、残り2枚の自由枠は安定感を高めるカードを採用することにした。

前述の候補カードのうち安定感に関係するのは

・《デデンネGX》2枚目
・《マルヤクデVmax》4枚目
・《ポケギア》1枚目以降
・《巨大なかまど》4枚目

である。この中でまず初めに不採用になったのは《ポケギア》であった。ポケギアが《デデンネGX》ではいけない場面はベンチが埋まっているor山上の7枚目に《溶接工》が埋まっている時のみであり、《ポケギア》で《溶接工》を取れたところでつけるエネルギーを持っていない点から《ポケギア》を採用するくらいなら《デデンネGX》2枚目の方が優秀と考えたからである。故に《デデンネGX》2枚目が追加され、候補から《ポケギア》が消えた。

 《マルヤクデVmax》が3枚であるというのは《マルヤクデ》のままでもねつほうしゃによるターンの延長で《マルヤクデVmax》を引けるという判断に由来するものである。しかしCL愛知以降、軽いエネルギーで動ける【連撃ウーラオス】やエネルギーの伸びが大きい【黒MM】の増加が見込まれ、CL愛知より前と比べるとねつほうしゃでターンを稼げるゲームは減少すると予測された。結果、《マルヤクデVmax》の4枚目が必須と判断し、60枚のリストが完成した。


画像5

Fig.5 かりす杯で提供したリスト(予選全勝)


5.プレイ方針

 相手のサイド3のポケモンを2体、あるいは相手のサイド3のポケモン1体とサイド2のポケモン1体と残り1枚のサイドの回収を目指す。《ボルケニオン》のフレアスターターは強力ではあるが、進化デッキである点、《ボルケニオン》が2枚しか入っていない点を考えると先攻後攻選択の権利がある場合は先攻を選択する。

 1度キョダイヒャッカを打った《マルヤクデVmax》は既にダメージを受けている相手のポケモンを狙わないように注意する(《フィオネ》or《ボスの指令》)。また、2回の手貼りと《溶接工》を受けキョダイヒャッカを使った《マルヤクデVmax》は本体で殴るのではなく《ヒードランGX》にエネルギーを付け替えてヒートボンバーGXを打った方が強い場面もしばしばある。2回の手貼り&《溶接工》、キョダイヒャッカのエネルギーを付ける効果を外れなく成立させ切ることは難しいがどれか1つ外した程度ならヒートボンバーGXを使い相手のサイド3の生き物を一撃で倒すことも可能である。

 【黒MM】に対して《ビッグパラソル》によるデッドムーンGXの妨害は強力である。しかし《ビッグパラソル》を引くまでの過程でGXポケモンを複数体おいてしまうとグリードクラッシュ2回で敗北する。グリードクラッシュだけでサイドを取り切られないような盤面の構築、あるいは1回目のグリードクラッシュを打った《ヤミラミ&バンギラスGX》か《MM》を倒せるように《マルヤクデVmax》の育て方を考えること。

 色相性で【インテレオン】に不利を取りがちではあるが、2体の《マルヤクデVmax》に《ヒート炎エネルギー》か《大きなおまもり》を貼れると確定数がずれ、育った《マルヤクデVmax》のキョダイヒャッカを当てる先によっては十分勝利可能なマッチアップである。

 私本人が使わなかった理由でもあるのだが、【炎MM】に後1から技を使われるとその後捲るのはかなり厳しい。《マルヤクデV》を削られるとそのまま負け直結になり得るので《ボルケニオン》を前にしてターンを返す、《マルヤクデV》を削られたらそこは進化しない等に気を付ける。


6.結び

 根も葉もないことを言ってしまえば新規性に当たりそうなものが《ビッグパラソル》の採用くらいだが、そこそこ勝てるデッキだったことと現実逃避に作文をしたくなったので本記事を執筆した。


引用・参考文献

・ポケモンカード トレーナーズウェブサイト
デッキ構築
(https://www.pokemon-card.com/deck/)
最終閲覧日 2021年4月17日

・LimitlessTCG
Champions League Aichi - Standard
(https://limitlesstcg.com/tournaments/?id=292)
最終閲覧日 2021年4月17日


有料部分にはシンエヴァ見て思ったこと(ネタバレ有、全肯定人間なのでネガ意見無し)を置いておきます。本文よりさらに日本語ぐちゃぐちゃです。真面目ぶったnote書いている人間が普段どれだけ「キツい」オタクしてるのか見たい人は是非。


ここから先は

2,079字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?