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【シティリーグアディショナルシーズン2優勝】クワガノン+インテレオン(12/19 TSUTAYA伊奈店)

0.前置き

※本記事ではカードの通称(例:アルセウス&ディアルガ&パルキアGX→ADP、レスキューキャリー→キャリー)を使用します。

※情報の付与として()、デッキアーキタイプとして【】、カード名として《》を使用します(例:【ピカゼク(《クワガノンV》入り)】)

 松川です(過去の戦績はこちら)。本記事では2021年12月19日にTSUTAYA伊奈店で行われたシティリーグにて、予選全勝から優勝することが出来た【クワガノン+インテレオン】のデッキについて解説します。

 途中から有料となっておりますが無料部分までだけでもお楽しみいただけると幸いです。売上に関しまして、ディズニーリゾートに遊びに行きたいので(ダッフィーちゃんグッズを買いに行きたい気持ちがあります)その費用にあてさせていただきます。

お詫び:正しくは「昆虫王者ムシキング」ではなく「甲虫王者ムシキング」でした。昆虫ではあるが甲虫ではない皆さま(ハエ、チョウetc…)大変申し訳ございませんでした。

以下基本常態。

1.使用したデッキリスト

店舗のTwitterでも60枚公開しているため、デッキリストをFig.1にて公開する。

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Fig.1 使用デッキ【クワガノン】(Dxc848-ZHPerA-x88Yax)


2.アーキタイプの選定

 CL福岡からスタートデッキ100とVmaxクライマックスのカードが追加されたのが今回のシティリーグのカードプールであった。そこで、CL福岡のデッキ分布に対してその2つのカードセットが与える影響を考えた。その結果《レパルダス》《エンテイV》《ハイパーボール》の3枚が環境を変え得るだけの力があると考えた。まずこれらのカードについて記述する。

①《レパルダス》

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 Fig.2 《レパルダス》(特性:とりひき)

 【ムゲンダイナ】にとって非常に大きな強化パーツである。主に【白馬スイクン】の《頂への雪道》+《リセットスタンプ》or《マリィ》の返しとして有効に働く(【連撃ウーラオス】に対しては雪道がどうなったところで不利)。

 また、1ターンに掘れる山の枚数の最大値が上昇していることから特定の場面や対面に対してピンポイントで使いたいサポートを使うことも可能である。例えば対【クワガノン】において《リセットスタンプ》+《ムサシとコジロウ》を使うことによって大きく不利であるはずの対面を5分前後まで引き上げることができる。因みに《白馬スイクン》に対し「ダイランス」でサイドを取ることを強要した次のターンに同様にハンデスを行うのも強力な動きである。

 【連撃ウーラオス】以外の全対面に対して5分以上であると考えており、【ミュウゲノ】が流行していることからも【ムゲンダイナ】が数を伸ばすと考えていた。


《エンテイV》

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Fig.3 《エンテイV》

 想定していたデッキとしては【ビクティニエンテイ】,【エンテイインテレオン】,【ムーランドエンテイ】と2アーキタイプ(本題ではないのでここは割愛する)である。《エンテイV》軸のデッキが不利を取るデッキは《メッソン》《ジメレオン》《インテレオン》(以降裏工作軸と記述)に依存したデッキが多い。そして《エンテイV》はサイズ・打点・サイズともに一級品でありデッキのメインを張ることが出来る性能をしている。

 その点、《ムーランドV》+《スポンジグローブ》によって裏工作軸のデッキに対して強く振る舞うことができる【ムーランドエンテイ】は《エンテイV》を集めることが出来る人間だったら使用度が高くなると考えた。逆に【ビクティニエンテイ】は使ってみると《ビクティニVmax》か《エンテイV》だけで十分と感じ、また【白馬スイクン】と異なり弱点分散が出来るわけでもないので《エンテイV》とシティリーグ参加権利の無駄遣いと考えた。

 《インテレオン》で「アクアバレット」が宣言できないのは大きく劣る点ではあるが、その分《タフネスマント》や《ヒート炎エネルギー》を付けた《エンテイV》のサイズでカバーできると考え、過去に【スイクンインテレオン】が強力なデッキであったように【エンテイインテレオン】も強力なデッキとなり、一定数のプレイヤーが使用すると予測した。


ハイパーボール

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Fig.4 《ハイパーボール》

 裏工作軸以外の全てのデッキを強化するパーツ。特に【ミュウゲノ】【ADPZM】【ムゲンダイナ】は一つ上のステージへ行ったと言っても過言ではない。理由に関してはお察しの通りと思うので記述を割愛する(必要であればTwitterのDMまで)。


 以上をまとめると

・【ムゲンダイナ】
・【ミュウゲノ】
・【ADPZM】
・【炎系統】

が増加すると予測した。

 ここまででプールから流行を推定したが、今回シティリーグ参加に当たってはもう一つ推定方法を用いた。それは「所謂実力者がどの程度アディショナルの権利を残しているか」である。

 結論を述べれば、アディショナルの権利を残している実力者は少なかった。さらに出場するシティリーグが都外であることも踏まえればポケモンカードの地力が高いプレイヤーと対戦することはほぼないことが示唆された。

 そこで、現環境の中でも難易度が極めて高い【連撃ウーラオス】は使用者が0になってもおかしくなく、そもそも全体的に難易度が上がりがちな裏工作軸+Vmaxのデッキ全般を高い出力で使いこなせる人間も少ないことを前提にデッキ選定を行った。

分布予想

Fig.5 分布予想

 Fig.5において増加に分類されているものに対して悪くても五分に立ち回れるデッキとして【連撃テンタクル(チャーレム入り)】,【ADPZM】,そして【クワガノン】が候補になった。【クワガノン】のリストはFig.1で提示しているため、【連撃テンタクル(チャーレム入り)】,【ADPZM】のリストをそれぞれFig.6, Fig.7にて示す。

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Fig.6 【連撃テンタクル(チャーレム入り)】(fkkVwV-bz1Izn-VVVkFV)

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Fig.7 【ADPZM】(yyMyMS-6gUwSF-yMXyy3)


 【連撃テンタクル(チャーレム入り)】と【ADPZM】についてそれぞれの評価を述べる。


【連撃テンタクル(チャーレム入り)】

・《インテレオン(クイックシューター)》×2が盤面に揃うと「クイックシューター」×2+「ヨガループ」と「スマッシュアッパー」の往復で【クワガノン】への対話拒否が可能

・逆に上の条件が揃わないとほぼ【クワガノン】には勝てず、揃うのは体感4割程度

・【クワガノン】と同じく非ルール軸であるためサイドレース有利

・【クワガノン】に比べると対【ADPZM】,【ムゲンダイナ】の勝率は落ちる

チャーレム

Fig.8 【テンタクル】にはチャーレムを入れたほうがいい話


【ADPZM】

・【白馬スイクン】には《ザマゼンタ》,【黒馬バドレックス】【ミュウゲノ】には《ガラルファイヤーV》, 【ムゲンダイナ】には《ガラルサンダーV》とアタッカーの使い分けが得意

・「ボールが足りない」と言われてきたが、十分すぎる性能のボールを得た

・《キバナ》によって飛び道具的な勝利が可能

・《やまびこホーン》が入った【クワガノン】には相当初期手札が良くないと厳しい

キバナ

Fig.9 【ADPZM】の《キバナ》が強い話


 さて、【クワガノン】以外の2デッキについて考えてみたところ、【クワガノン】に勝利することは予想以上に難しいことが判明した。対【クワガノン】の勝率を担保する方法を探したが、いくら探しても見当たらなかったため同じ労力を払って最も高い成績を得られるのは【クワガノン】であると結論付け使用を決定した。


3.採用カードの選定

3-A.原型の作成

 Fig.10~Fig.12を一通り触り、【クワガノン】である以上は絶対に必要するべきであると考えたカードをFig.13 に示す。

新潟best4

Fig.10 シティアディショナル新潟best4

PAO大宮best8

Fig.11 シティアディショナルPAO大宮best8

CL福岡2

Fig.12 CL福岡準優勝

原型

Fig.13 原型
※自由枠は《基本フェアリーエネルギー》

 Fig.13の原型作成についての補足は以下の通りである。もしより説明が欲しいと言った要望があればTwitterのDMまで。


・《ポケモン通信》は強いカードなのか?

 まず原型を見て多くの方が思われるであろうこととして、「《ポケモン通信》は確定枠ではないのか?」というものがあげられる。結論から述べると、「欲しいが常に強く使えるわけではない」と考えている。

 【クワガノン】は技を打つターンを平均して1ターンに2.5回程度《レベルボール》《しんかのおこう》を使うものだ。そのためその2枚が1枚サイドに落ちていれば3回目の技で躓き、サイド落ちがなくても4回目では1回躓くことになる。これをカバーするために入っているのが《ポケモン通信》である。とはいえ常に手札に余剰なポケモンがあるというわけでもなく、不自由なく使用できることが保証されるのは大体《回収ネット》と一緒に使った時のみである。

 しかしながら、そもそもミラーと対【連撃テンタクル】以外は自分が非ルールである都合上サイドレース優位になりやすいことから、1ターン《メッソン》の「どんどんよぶ」で盤面形成を行う余裕がある。これにより《メッソン》を置くための《レベルボール》を節約し、デッキを圧縮することでドローサポートから進化ポケモンの現物を引きやすくすることができる。

 そのため、「どんどんよぶ」をうまく使いつつ《レベルボール》《しんかのおこう》を慎重に使うことで《ポケモン通信》を採用しなくても問題ないと結論付けた。それに伴い、《アゴジムシ》をサーチする《レベルボール》を節約できるという理由から《キャプチャーエネルギー》は4枚採用とした。


・《インテレオン》の配分

 「うらこうさく」と「クイックシューター」の配分について、絶対的な正解は無く使用者のプレイ傾向によって相対的な正解配分が設定されると考えている。配分は「うらこうさく」:「クイックシューター」=2:2or1:3or2:1のうちどれかを選ぶ人が多いと予想しているが、どの配分が向いているかといった傾向は以下の通りである。

「うらこうさく」2枚/「クイックシューター」2枚
・一言で言えばバランス型
・「アクアバレット」をプランに組み込むことに慣れている(対カチカチロック,対【連撃テンタクル】)
・《ボスの指令》を打たなければならないターンを受け入れられる
・ミラーはじゃんけん+「アクアバレット」

「うらこうさく」1枚/「クイックシューター」3枚
・一言で言えば攻撃型
・《ミュウ》を1ターンで処理したい
・《ボスの指令》を打ちたくない、山から抜きがち
・ミラーは「クイックシューター」

「うらこうさく」2枚/「クイックシューター」1枚
・一言で言えば欲張り
・テックカードやメタカードの力で特定のデッキに勝ちたい
・練習量には自信がある


・《キャプチャーエネルギー》以外のエネルギーについて

 【クワガノン】というデッキが知れ渡った昨今では、《デンジムシ》×4+《キャプチャーエネルギー》×4の8枚のエネルギーのみでは十分に戦うことは出来ないと判断した。

 「うらこうさく」のインテレオンで「アクアバレット」を宣言できるように《基本水エネルギー》を採用する、あるいは「クイックシューター」のインテレオンが1回の手貼りで「たきのぼり」を宣言でき、また《クワガノン》につけるエネルギーとしても優秀な《ツインエネルギー》のどちらかは採用するべきである。

 比較した結果、技の素点だけで《フリージオ》を倒すことが可能であり、「ちょうでんじほう」と合わせることで《こくばバドレックスVMAX》《はくばバドレックスVMAX》のHPである320点に到達できる「うらこうさく」の《インテレオン》が強力であった。そのため、《基本水エネルギー》は最低でも1枚採用すべきと決定した。


3-B.細部の決定

 自由枠8枠の選定を行う。

 まず理由が言語化しやすいものとして、《インテレオン》の配分を決定することにした。

 私は【白馬バドレックス】の《フリージオ》や【ムゲンダイナ】【ゲンガー】の《ガラルマタドガス》を処理する際最も綺麗な方法が「うらこうさく」の《インテレオン》で「アクアバレット」を使うことだと考えていた。また、トラッシュのポケモンを回収する手段がないデッキの《ミュウ(ベンチバリア)》を《ボスの指令》で処理してしまえばゲームをショートカット出来る点を評価しており、相手のデッキに《ミュウ(ベンチバリア)》を回収するための《ふつうのつりざお》を採用するスペースがあるかどうか程度の判断は出来た。

 そのため、3-Aで述べた傾向に当てはめて「うらこうさく」「クイックシューター」を2-2で採用することにした。それに伴い、進化元の《ジメレオン》4枚採用、《ボスの指令》1枚採用になった(4枠消費)。

 次に、《シバ》を採用することにした。Fig.10, Fig.11使用時とFig.12の使用時の感触について、前者では7枚新しいカードを見ることができる回数が少ない点が気になった。《博士の研究》の2枚目も検討したが、残しておきたいカードを残しながら新しいカードを見ることができるという点で《シバ》を「うらこうさく」のサーチ先選択肢として持っているとプレイの幅が広くなることが評価出来た。そこで、《シバ》を1枚採用した(1枠消費)。

 《ポケモン通信》がないことから《レベルボール》《しんかのおこう》を節約することが大事なデッキであるため、手札にポケモンを加えることが出来るカードとして《レスキューキャリー》の4枚目を採用した(1枠消費)。ポケモンを加えるという点では《ハイパーボール》《クイックボール》《スーパーボール》が比較対象になるが、前2枚はコストとして捨ててもいいカードがなく、最後のものは確定でポケモンに触れるわけではないため不適と感じた。そこで、新しくポケモンに触ることは出来ないが《ジメレオン》《メッソン》を再利用できる《レスキューキャリー》は有効であった。《デンジムシ》を再利用できることが注目されがちだが、4枚あると盤面を作り直すために雑に使えるためプレイ難易度も下がる。

 残った4枠について、採用候補のカードとその性質を列挙し吟味した。その内容がFig.14の通りである。

自由枠

Fig.14 自由枠について

 自由枠候補カードが【クワガノン】【黒馬バドレックス】【白馬バドレックス】を意識したものになっているが、これらの対面は「うらこうさく」の《インテレオン》が「アクアバレット」を宣言できると楽になる。そこで、《基本水エネルギー》と《たっぷりバケツ》を採用し、「アクアバレット」を容易に宣言できるようにした(2枠消費、自由枠消滅)。

 60枚が確定したため、ここで既にFig.1にて提示したものではあるが改めてFig.15にて使用リストを示す。

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Fig.15 使用デッキ【クワガノン】(Dxc848-ZHPerA-x88Yax)


4.カードの説明・注意点

 既存のアーキタイプでありすべてのカードを1枚1枚説明するよりも必要なところを抜粋して紹介したほうが効果的と考えたので、そのように記述する。必要があれば追記あるいは個別説明を行うため、TwitterのDMまで。


・逃げるエネルギーが1の《アゴジムシ》について

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