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東横キッズ vs サピックスキッズ!?:「ヒルビリー・エレジー」を読んで感じたアメリカの格差社会とトランプ支持の理由

『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』を読み、その内容がとても印象的でした。この記事を通して私が伝えたいことは

本書を通して、「アメリカの格差社会の現実」及び「貧困層の思考・行動」が理解できると同時に「なぜ、トランプが選ばれるのか」というポイントが明確になるよ

って感じです。

*この記事は勢いで書いているので事実誤認などもあると思います。その点はご容赦くださいませ。


「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」について

詳細は以下のAmazon紹介文を読んで欲しいですが、ざっくり言うと「悲惨な環境で育った著者の成り上がりストーリー」と「成り上がりの過程で著者を取り巻く環境」について書いた本。今回の記事とずれるけど、この成り上がりストーリー自体(特に子供の時から海兵隊に行くまでの過程あたりまで)は読み応えがあって面白く、その部分だけでもお勧めできるぐらい良い本です。

無名の31歳の弁護士が書いた回想録が、2016年6月以降、アメリカで売れ続けている。著者は、「ラストベルト」(錆ついた工業地帯)と呼ばれる、オハイオ州の出身。貧しい白人労働者の家に生まれ育った。
回想録は、かつて鉄鋼業などで栄えた地域の荒廃、自分の家族も含めた貧しい白人労働者階級の独特の文化、悲惨な日常を描いている。ただ、著者自身は、様々な幸運が重なり、また、本人の努力の甲斐もあり、海兵隊→オハイオ州立大学→イェール大学ロースクールへと進み、アメリカのエリートとなった。今やほんのわずかな可能性しかない、アメリカンドリームの体現者だ。そんな彼の目から見た、白人労働者階級の現状と問題点とは? 勉学に励むこと、大学に進むこと自体を忌避する、独特の文化とは? アメリカの行く末、いや世界の行く末を握ることになってしまった、貧しい白人労働者階級を深く知るための一冊。

Amazon紹介文

著者:J.D.ヴァンスについて

ジェームズ・デイヴィッド・ヴァンス[1][2]英語: James David Vance、1984年8月2日 - )は、アメリカ合衆国政治家作家ベンチャーキャピタリスト2023年オハイオ州選出の上院議員に就任し、2024年大統領選挙において共和党候補者ドナルド・トランプの副大統領候補に選出された[3]

Wikipediaより

ちなみに、私がこの著者と本に興味を持ったのは以下の記事を読んだから。

特に、この部分を読んでトランプの副大統領候補って何者だよ!?って強く惹かれました。

貧しい労働者階級の町で離婚と薬物中毒を繰り返す母の貧困家庭で育ったこと、高卒で海兵隊員となってイラクで従軍した経験を持つこと、除隊後に苦学してオハイオ州立大学からイェール大学に進んで弁護士資格を取得した異例の経歴を持つこと、二年前に浪人中のトランプ大統領の支持を受けて当選したこと

ヴァンス副大統領候補を侮るべきではない「平和構築」を専門にする国際政治学者

本を読んだ感じたこと

アメリカの格差社会の現実

この本では、著者が育ったオハイオ州ミドルタウンの状況を軸にアメリカにおける貧しい地域の実情について述べられています。具体的には、貧しい地域では、早すぎる結婚・出産と離婚率の高さや家庭内での暴力、大学への進学率の低さ、犯罪行為やドラッグ蔓延などについて述べられています。
詳細は割愛しますが、以下の引用にあるように「問題がある人」はどのように世界を見ているか、という点がより明確になりました。そして、この部分がトランプ支持に大きく影響していると理解しました。

読者の皆さんには、本書を通じて、人種というレンズを通したゆがんだ見方をするのではなく、「貧しい人たちにとって、社会階層や家族がどのような影響を与えるのか」を理解してほしい。

本書ではさまざまなデータを用い、ときには自説を補強するためにさまざまな研究成果を参照するが、本書の第一の目的は、すでに知られている問題点を指摘することではない。問題を抱えて生まれてきた人たちが自分たちの問題をどう感じているかについて、真実の物語を伝えることにある。

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち

トランプ支持の背景

日本語版の解説箇所では、本書の内容と関連付けながらトランプ人気の要因について言及しています。私が理解した限りだと、

  • トランプ元大統領が貧困層の声を代弁している

  • 一方で、民主党支持者は貧困層への理解が浅く、指示が得られていない

という感じな気がします。

貧困層の代弁という意味では、例えば貧困層が感じる「自分たちが貧しい理由」として「メキシコからの移民が仕事を奪っている」とか外部に理由を作っている(この外部というのが貧困層にとって重要っぽい)
著者のヴァンスの言葉を借りるなら

自分の人生なのに、自分ではどうにもならないと考え、なんでも他人のせいにしようとする

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち

という側面が強くあり、トランプはその部分をちゃんと理解した上でアピールしているように感じました。

東横キッズ vs サピックスキッズ(とその家族) が起きているってこと?

この状況は日本で例えると、「東横キッズ」と「サピックスキッズ(とその家族)」との対立が国中で起きているようなことなのかな、と思いました。
東横キッズは、家庭環境が荒れがちで、困難な状況の中で生き抜いている一方、サピックスキッズは、熱心に塾に通い、教育にお金をかけて中学受験を目指す子供たちであり、教育熱心な家庭の代表的な存在です。こんだけ環境が違えば考えることも全然違うし、求めるリーダー像が全く異なるのは当然。そう考えると、トランプの出現は違和感はない。日本は幸いにして、アメリカほど格差が極端ではないため、現時点で国内の大きな対立はないと思っています。しかしながら、アメリカのような事態にならないためにも、貧困層へのケアや教育格差の是正はとても重要だと理解しました。

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