東横キッズ vs サピックスキッズ!?:「ヒルビリー・エレジー」を読んで感じたアメリカの格差社会とトランプ支持の理由
『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』を読み、その内容がとても印象的でした。この記事を通して私が伝えたいことは
って感じです。
*この記事は勢いで書いているので事実誤認などもあると思います。その点はご容赦くださいませ。
「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」について
詳細は以下のAmazon紹介文を読んで欲しいですが、ざっくり言うと「悲惨な環境で育った著者の成り上がりストーリー」と「成り上がりの過程で著者を取り巻く環境」について書いた本。今回の記事とずれるけど、この成り上がりストーリー自体(特に子供の時から海兵隊に行くまでの過程あたりまで)は読み応えがあって面白く、その部分だけでもお勧めできるぐらい良い本です。
著者:J.D.ヴァンスについて
ちなみに、私がこの著者と本に興味を持ったのは以下の記事を読んだから。
特に、この部分を読んでトランプの副大統領候補って何者だよ!?って強く惹かれました。
本を読んだ感じたこと
アメリカの格差社会の現実
この本では、著者が育ったオハイオ州ミドルタウンの状況を軸にアメリカにおける貧しい地域の実情について述べられています。具体的には、貧しい地域では、早すぎる結婚・出産と離婚率の高さや家庭内での暴力、大学への進学率の低さ、犯罪行為やドラッグ蔓延などについて述べられています。
詳細は割愛しますが、以下の引用にあるように「問題がある人」はどのように世界を見ているか、という点がより明確になりました。そして、この部分がトランプ支持に大きく影響していると理解しました。
トランプ支持の背景
日本語版の解説箇所では、本書の内容と関連付けながらトランプ人気の要因について言及しています。私が理解した限りだと、
トランプ元大統領が貧困層の声を代弁している
一方で、民主党支持者は貧困層への理解が浅く、指示が得られていない
という感じな気がします。
貧困層の代弁という意味では、例えば貧困層が感じる「自分たちが貧しい理由」として「メキシコからの移民が仕事を奪っている」とか外部に理由を作っている(この外部というのが貧困層にとって重要っぽい)
著者のヴァンスの言葉を借りるなら
という側面が強くあり、トランプはその部分をちゃんと理解した上でアピールしているように感じました。
東横キッズ vs サピックスキッズ(とその家族) が起きているってこと?
この状況は日本で例えると、「東横キッズ」と「サピックスキッズ(とその家族)」との対立が国中で起きているようなことなのかな、と思いました。
東横キッズは、家庭環境が荒れがちで、困難な状況の中で生き抜いている一方、サピックスキッズは、熱心に塾に通い、教育にお金をかけて中学受験を目指す子供たちであり、教育熱心な家庭の代表的な存在です。こんだけ環境が違えば考えることも全然違うし、求めるリーダー像が全く異なるのは当然。そう考えると、トランプの出現は違和感はない。日本は幸いにして、アメリカほど格差が極端ではないため、現時点で国内の大きな対立はないと思っています。しかしながら、アメリカのような事態にならないためにも、貧困層へのケアや教育格差の是正はとても重要だと理解しました。