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「もしあの時こうしていれば」―別れと向き合うチャットモンチー「染まるよ」

「染まるよ」は、2008年にリリースされたチャットモンチーの9枚目のシングルで、日本テレビのドラマ「トンスラ」の主題歌としても知られています。作詞は福岡晃子、作曲は橋本絵莉子が手がけ、プロデュースには亀田誠治を初めて迎えたことでも注目されました。この楽曲は、アルバム『告白』に収録され、失われた愛や別れをテーマに、切ない感情を繊細に描いた作品です。

別れと回想、そして自己の変化

この曲を聴きながら感じたのは、別れた後にこそ見えてくるものがあるということです。別れた瞬間は、相手やその関係の全体像を十分に理解できていなかったとしても、時間が経つと、ふとその存在が自分に与えた影響が見えてくる。これが「染まっていく」感覚なのでしょう。過去の出来事を振り返り、そこで自分がどのように変わってきたかを感じることは、人間の成長において非常に大切なプロセスです。

例えば、歌詞にある「いつだってそばにいれたら変われたのかな、マシだったかな」という表現に強く共感しました。自分自身の経験で、会社を辞めた際に同じような感情を抱きました。あの時、自分の立ち回り次第では別の道があったのかもしれないと、今でも考えることがあります。それが後悔という形で残ることもありますが、同時にその経験が今の自分を形成しているとも感じています。

距離を置くことで見えるもの

「染まるよ」は、別れの中でこそ見えてくる気づきや、自己との対話を描いています。別れた後に気づく「もしあの時こうしていれば」という感情は、別れがなければ決して気づけなかったものです。距離を置くことで、相手やその関係性がクリアに見えてきて、自分の考えや行動が変化していくことを感じます。

このように、過去を振り返りながら自己を見つめ直すことで、別れや苦労が結果的に成長の一部となり、次のステップへの糧になるのだと思います。

最後に


「染まるよ」は、私たちにとって切なさを伴う自己反省や成長の過程を象徴しています。別れを通じて、私たちは新たな自分を発見し、時には後悔を感じながらもその経験を力に変えることができるのだと気づかされる作品です。私もまた、自分の選択を振り返りながら、次に進むべき道を考えていきたいと思います。

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