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レ・ミゼラブル2021.8.6マチソワ観劇レポ

今回はレ・ミゼラブル2021博多座公演の感想です。21年公演の内容にガッツリ触れてます。ご注意ください。


キャスト(昼)

ジャン・バルジャン:福井晶一
コゼット:加藤梨里香
エポニーヌ:生田絵梨花
マリウス:三浦宏規
アンジョルラス:相葉裕樹
ファンティーヌ:和音美桜
ジャベール:上原理生
テナルディエ:駒田一
マダム・テナルディエ:森公美子

アンサンブルキャスト

この日のマチネ(昼公演)を選んだのはマリウスが三浦さん、エポニーヌが生田さん(アンジョルラスが相葉さん)で博多座公演だったからです。
私、三浦さんのマリウスが見たかったんですよ。元々は刀ミュで髭切やってるところから三浦さんに興味を持ったのですが、その三浦さんがマリウスやるなら行かなきゃと思いました。いくちゃんは姉の希望です。
相葉さんはお名前を聞いたことがあったのでせっかくならと言う感じでした。


全体の感想








結論:ギャン泣きした。めっちゃよかった

いや、まあ久々に舞台を見に行けたというのもあったんですけどね。去年からずっとチケット取っては行けなくなり中止になり、幕すら上がらないことが何度もあったので、会場に入って最初の音が聞こえたとき本当に泣きそうでした。

多彩な歌声と生オケによる圧巻のパフォーマンスはこころに響くものでした。

話の展開は毎回少しずつ違うので今回はどうなのかなと思っていましたが、今回一番変わっていたのはマリウスだと思います。
それ以外は割と同じ。あ、でもテナルディエのところが少し変わってた気がします。

1幕からちょこちょこ泣いていたんですけど、2幕の革命終了ぐらいから涙が止まらなくて気が付いたらハンカチもマスクもぐっしゃぐしゃに濡れてました。

そしてなんと

気が付いたらソワレ(夜公演)のC席チケットが手の中に。



はい、終演後速やかにチケットセンターに行ってチケット買いました。席空いててよかった。3階席でしたが真ん中の方の席だったので全体をまんべんなく見下ろせてなかなかいい席でした。

キャスト(夜)

ジャン・バルジャン:吉原光夫
コゼット:敷村珠夕
エポニーヌ:屋比久知奈
マリウス:三浦宏規
アンジョルラス:小野田龍之介
ファンティーヌ:二宮愛
ジャベール:伊礼彼方
テナルディエ:駒田一
マダム・テナルディエ:樹里咲穂

アンサンブルキャスト


各キャラとキャストの簡単な感想(昼)

福井バルジャン
力強くも、オーソドックスなバルジャンといった感じでした。罪への葛藤とコゼットへの愛を素晴らしく表現していました。
エピローグがすごく優しい声でした。


加藤コゼット
バルジャンによって凄く箱入りに育てられた箱入り娘。
きれいな歌声でした。コゼットもあまり解釈が変わらないキャラの一人。


三浦マリウス ※後ほど詳しく感想あり
イケメン、顔小さい、声がいい
一番の目的だった三浦さん。若いいいとこのお坊ちゃんという感じのマリウスでした。
個人的に高い声が特徴的になるのが好きです。
レミゼに関しては戦いのあと仲間の影を見るマリウスと三浦さんの歌声がマッチしていてすごくよかったと思いました。ああいう歌声って何て言えばいいんでしょうね。

生田エポニーヌ ※後ほど詳しく感想あり
可愛い。顔も声も。顔面偏差値で殴ってくる。
思っていたよりも悪くなかったという感じです。お嬢様感は抜けきらなかった。表現するなら「恋って報われないものなのね。あんなに尽くしたのにあの子の方を選ぶなんて(ため息)」と窓際で椅子に腰かけて黄昏ながら言ってる感じ。
恋する乙女エポニーヌ。

相葉アンジョルラス
若いリーダーが、勢いを持って仲間を引っ張っているアンジョルラスでした。いつも通りと思ってたら過去二回見に行った時は両方相葉さんだったらしい。
そりゃいつも通りだわ。

和音ファンティーヌ
どの公演でも一番ブレないのがファンティーヌだなと思います。コゼットのために生きて死ぬというのがファンティーヌなのでそれ以上の表現があまりないといえばそうなのかもしれませんが。
今回は哀れさがより強かった気もします。

駒田・森テナルディエ夫婦
安定のコンビ。テナルディエ劇場面白くていいですよね。今回は、悪人としての顔が強かったかなと思います。

上原ジャベール
初期と今とで割と人物像が変わってきているのがジャベールかもしれません。
職務への忠実さを軸とした憎めない敵キャラです。バルジャンを見逃したあとの葛藤は聴き応えあります。あそこの曲がバルジャンの曲と同じなのがこころにきます。
今回のジャベールはちょっとやさしめ?ガブローシュの死体の扱いが丁寧でした。


各キャラとキャストの簡単な感想(夜)

吉原バルジャン
怖 か っ た 
特にオープニング(仮通行証を破り捨て新たに人生をやり直すことを決意したところまで)荒くれものという感じのバルジャンでした。初めて吉原さんのバルジャン見たと思うんですけど今までの誰より怖かったです。
その分改心後、父親としての顔、そしてエピローグと変化がよくわかったように思います。

個人的にめっちゃ好きだったシーンが、エピローグで燭台に火をつけるシーンです。片方に火をつけたと思ったら元の火を消して、火のついていない燭台を胸元で抱きしめてから燭台と燭台を近づけて火をともしました。
マチネの福井バルジャンは普通に火をともしていたので人によって表現方法が違うんだということを強く感じました。

敷村コゼット
昼と同じく箱入り娘。ぶっちゃけコゼットはあんまりキャストによる違いはなかったように思います。

三浦マリウス
省略

屋比久エポニーヌ
正直こっちのエポニーヌのほうが好み。昼よりもアバズレ感多めで荒々しい日々を生き抜いてきたたくましい女という感じでした。その分マリウスの手の中で死ぬシーンは割増しでやさしく見えました。

小野田アンジョルラス
安定感がすごい。たしかアンジョルラスベテランの方だったと思います。相葉さんが若きリーダーという感じで、小野田さんがベテランリーダーという感じでした。

二宮ファンティーヌ
コゼットと同じくそんなに違いがわからなかったですが、ジャベールに許しを請うシーンが二宮さんのほうが悲壮感あったように感じました。

駒田・樹里テナルディエ夫婦
駒田さんは昼と同じキャストさんで、マダム・テナルディエが樹里さんになっていました。見た目のインパクトは森さんより少ないですが、声は樹里さんのほうが聞きやすかったです。


三浦マリウスのキャラクター付けについて

過去2回レ・ミゼラブルを見た事がありますが、そのときは恋する学生という感じだったと記憶しています。
今回のマリウスは、色んな意味で若さあふれる感じだったなと思いました。

私が強く感じた場面は戦いが始まった或いは始まろうとしている場面です。
民衆の歌の前の曲のとき、マリウスだけが一歩後ろに居ました。その後もどこか不安げな顔で1人浮いていたのが印象的でした。

過去公演と一番違ったのはエポニーヌが死んだあとでしょうか。
マリウスを庇い撃たれたエポニーヌはマリウスの手の中で息を引き取ります。その後革命派の人たちは彼女のために勝利をと立ち上がります。


一方マリウスはしばらく呆然としたあといきなり銃を手に取り、夜になっても休むことなく戦い続けました。
エポニーヌという身近な人が死んだことで自分が戦いの場にいること、死ぬ可能性が高いことをやっと理解したのではないかと思うのです。それまでの顔を見ていても、この戦いで死ぬ覚悟ができていないことは明白でした。
戦いの直前にコゼットと出会い恋に落ち現実感のなかったマリウス。そして、自分をかばってエポニーヌが死んだ事実は彼をヤケにさせるには充分過ぎたのでしょう。
アンジョルラスに止められるまで戦い続ける姿はとても痛々しいものでした。
次の日になって助けが来ないことを知り死体から弾薬を取りに行くときにもどうなるか考えずに自分が取りに行くと言っており仲間が必死に止める始末。
結局ガブローシュが取りに行きましたが彼も死に、マリウスも撃たれて瀕死になったところをジャン・バルジャンに救われます。
革命は失敗し仲間は全滅。気が付いた時には革命は終わり自分だけが生き残ってしまった状態でした。

多分最後の最後まで覚悟が足りないまま革命が終わってしまったのではと感じました。


戦い中、あんなに痛々しいマリウスは初めて見ました。でも凄く納得した部分も大きかったです。
直前にできてしまった恋人。その人のもとに帰りたいと思うのは当然なのですが、そういった人がいる場合

1、生き残る(死ぬ)覚悟を決める人
2、死にたくないと恐怖する人

のパターンに分かれると思うのです。
過去のマリウスはワン・デイ・モアのシーンで覚悟を決めそれが揺らがなかった。
今回のマリウスは恐怖に変わってしまった。それは彼が若いことを考えると何もおかしくないと思います。

三浦さん自身もお若い役者さんということもありマリウスの年齢がぐっと若く見えました。今までの解釈の覚悟あるマリウスもいいですが新しいマリウスが見れてとても楽しかったです。

生田エポニーヌについて

生田さんは個人的にはどっちでもいいかなと思っていました。ぶっちゃけ本人との印象が違いすぎてイメージができなかったからです(どう考えてもエポニーヌではなくコゼットの人間では?)。役者本人のイメージで決めるのはメタいし良くないとは思いますが、溢れ出るお嬢様感がちょっと…と思ってしまいました。
キャスト発表からざわついていたのを覚えています。

見たあとの感想としては、駄目なわけではないがお嬢様感は消えなかったな、と。アバズレ感が足りない。

エポニーヌも女の子で、恋愛だってしたいよね、あんな境遇でなければもしかしたらという新しいエポニーヌの解釈は生まれました。
しかし、ミュージカルとしては何か足りないと感じました。

歌声がきれいすぎると言うのでしょうか。荒れた中で生きてきたにしては、汚れがない。
何様だって感じですけど正直な感想はこんな感じです。

一番残念だったのはオン・マイ・オウンで声が裏返ったことです。エポニーヌの一番の見せ所の最後のロングトーンだったのがさらに悔やまれます。
今まで舞台を見に行った中でこういう生歌であるということを感じることがなかったので新鮮ではありましたが、あらっ、という感じになっちゃいましたね。

それも含めて生田エポニーヌの感想としては悪くはなかった、です。

コゼットやってほしいです。前回見れなかったので。
あと、レミゼとあんまり関係ない感想を言うなら顔がいい。可愛かった。


ジャベールという男の解釈について

個人的に初見から今現在で何度も印象が変わっている男がジャベールです。

そのまんまとらえるなら、職務に忠実な男なんですけどね。

ジャン・バルジャンの仮出獄時の個人的な恨みがすごかったりとか、法が正しく裁くという割には片方の話しか聞いてなかったりとちゃんと考えれば考えるほどものすごい自分勝手な男だなという感想を持ちます。

バルジャンの仮出獄は正当なものだった気がするんですけど?なぜそれを逃げ出したというのか謎です。
原作については一度読み通していますが覚えていない部分も多いのでそこで読み飛ばしましたかね?どちらにせよ、読んだのは数年前(5~6年前?)なので読み直すと楽しそうです。

あとは、市長=バルジャンであると名乗り出たシーンで、よく知っていると言っておきながら他人をバルジャンと決めつけていたことや、自ら名乗り出てきたバルジャンにやっと見つけたと言ったあたり、まあ都合のいいことこの上ないと思います。

それでもやっぱり、バルジャンとの対決、下水道で見逃したことに対して耐えきれないところは見ごたえがあります。
情に流されず法律の奴隷とばかりに犯罪者をさばいてきたジャベールが、瀕死の人間(革命派)のためにバルジャンを見逃すことはすごく驚く展開であると思います。

だって、革命派の人間なら助ける必要性すらなくてどちらかといえば殺さなければいけない人間なはずです。
おまけに助けるために動いているのは追い続けてきたバルジャン。

コゼットのために動こうとしたときは情を考えなかったことを思えばある意味人間味が出てきたなと思いました。

ジャベールは「結局犯罪者を見逃した」という自分の行為が耐え切れなくなり、バルジャンを追うことなく橋から落ちて死んでしまいます。
法や職務より自分の感情を優先して動くあたり作中の年月の経ち方と人間味を感じます。


ミュージカル レ・ミゼラブルという作品について

この作品の主題は罪との葛藤なのかなと思いますが、ミュージカルではそれと同じくらいマリウスに関わる恋愛模様が描かれているなと感じます。今回は特にマリウスがコゼットという存在ができてしまったが故の戦いへのためらいが強く表現してあったことがその印象を強くさせました。

バルジャンの葛藤については司教との対話、ジャベールを逃がしたとき、マリウスに打ち明ける時、あたりがキーポイントかなと。
司教との対話の後、本当にまっとうに生きファンティーヌとの約束を守りコゼットのために生きた彼が自分のために動いたことはあったのでしょうか。パンを盗んだのだって妹の子のため、マリウスを助けたのもコゼットのため。あるとすれば銀食器と銀燭台を盗んだ時くらいではないかと思いました。(それでも盗みはどうかと思いますが)

死に際に火をつけたろうそくが置いてあるのは司教からもらった銀の燭台だと思っていますが、自分への戒めとしてずっと手元に置いていたのだと思うと涙がこぼれます。

一人でひっそりと死ぬところだったバルジャンのもとに愛娘のコゼット、その旦那のマリウス、そしてファンティーヌが神の使いとして出てくるシーンで涙腺がばかになりました。

ジャン・バルジャンはあの時確かに救われたのでしょう

この辺の話は我が家の女三人によるレミゼがハピエンかバドエンか論争で詳しく書けたらいいなと思います。ずっと書こうと思ってたんですけどなかなか忙しく後回しにしていました。そろそろリアルが落ち着きそうなので書きます。


終わりに

ミュージカル レ・ミゼラブル観劇レポお楽しみいただけたなら幸いです。
今回は三浦さん狙いで行ったのでマリウスの比較はできませんでしたが衝動的にとったソワレチケットによって役者での演技比較をすることができて楽しかったです。同じ公演を何度もリピートする人の気持ちがよくわかりました。

舞台は生ものという言葉をどこかで聞きましたが、こうして二公演続けてみたこと、生で舞台を久々に見たことでそれをより強く感じました。
特に生で見たことに関して配信とは音響が全く違うことが本当によくわかります。立体音響というのでしょうか。銃弾が飛び散る方向、あたった場所や物の質感などはあそこで音を聞いてこそわかるものだと感じました。

もう一回三浦さんのマリウスが見たくてチケットを探したりしていますがこの社会情勢と金銭面で厳しそうなのが残念でなりません。大阪公演に出ないのが本当に痛いです。松本はさすがに遠いのですよ。
円盤が出ることを祈ります。


だいぶ長くなりましたが今回はここまで。
刀鑑賞in姫路、in福岡や先ほど言ったレミゼ論争、青江単騎の感想や部活の試合のレポなど書きたいことはたくさんあるのでゆっくり書いていきます。お楽しみに。

それではまたどこかの記事でお会いしましょう。

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