双騎出陣2020 ネタバレレポ
ネタバレ解禁ということで内容に触れながらレポを書いていきたいと思います。
私は現地に行ったわけではなく、家で配信を見ました。
メインは9月4日夜公演の回のレポになります。
中途半端な日に公演を見た理由はこちらの記事をご覧ください
歌の歌詞は♪名前で表しています
1部 ミュージカルパートについて
1部は2019とほぼ同じ内容でした。
ところどころ台詞や動きが違うところはありましたが、話の流れと内容は同じと言っていいでしょう。
この双騎出陣で語られるのは日本三大仇討が一つ「曽我物語」。
曽我兄弟を髭切膝丸の二人が演じます。
加納さん(役名がはっきりしないので中の人の名前で表記します)の語りとともに仮面とお札をつけた二人が運ばれるところから始まります。
このお札には髭切と膝丸の名前が書いてあるように見えました。
このシーンは髭切膝丸に曽我兄弟の霊をおろしているのではないかという感想を見たことがあります。
髭切と膝丸は曽我兄弟の一萬と箱王と成り、私たちに物語を語ります。
始めは幼少期。
2人でとんではねて本当にかわいい幼子のようでした。
無邪気にはしゃぐ元気さと、母親に花を贈る優しさが幼さをよく表しているようでした。
成人男性(平均より筋肉のある体格のいい人)が幼子に見えるってすごいですよね。役者ってすごい。
母親は兄弟に父が帰って来ることを告げ兄弟はそれを喜びますが、父が工藤祐経に殺されてしまいます。
父の死を受け入れることができず泣きじゃくる箱王。一萬は母とともに手を合わせていることと比べると、箱王の幼さが強調されているように感じます。
空を見上げ雁の親子を見ながら、父に思いを馳せる兄弟たち。母は再婚し曽我家に入ります。
曽我家に入った後、兄の一萬は武芸に励み、弟の箱王はずっと悲しみにとらわれていました。
しかし、腕を磨き父の仇を討とうとしている兄の姿を見た弟は自分も強くなり父の仇を討ちたいと兄とともに稽古を始めます。
♪一萬
嘆く暇はない。泣いてはいられない。いつか来るその時のために。
♪箱王
悲しみに寄り添うのはもうやめよう。
…
兄上はきっと知らないだろう。私が追いかけたいのは兄上の背中。強くなりたい。追いつきたい
♪一萬
お前はきっと知らないだろう。私が凛としていられるのはお前のまなざし
しゃんと立つ背中を見せたいのだ
この歌詞は、髭切膝丸にも言えることなのかなと思いました。
お兄ちゃんは弟の視線を気にするんですね。
こうして二人で父の仇討に向け稽古を始めますが、母親は箱王に出家を命じ、2人は離れ離れになってしまいます。
次からは箱根権現へと入った箱王の修行時代のシーンのはずが、ギャグパートかなと思ってしまいます。
箒で剣の練習をしたり読経中もふざけてみたり、最終的に追い掛け回される箱王に心が軽くなります。つかの間のメンタル回復シーンでした。
暗転ののち歌とともに語られるのは兄弟の離れていた時の心情。
♪一萬
ひと時も忘れはせぬ敵討ちの誓い
…
聞こえないのは私を呼ぶ弟の声
♪箱王
…
ひと時も忘れはせぬ兄上との誓い
届かないのは兄上を呼ぶ私の声
2019と何ら変わりない歌詞ですが、今になって一つ思ったことがあります。
ここでは弟(箱王)の声しかないのです。
一萬は弟が私を呼んでいると信じている。呼ぶのは弟の役割で自分が呼ぶ必要はないのだと思っている。
そして弟は兄を呼んでいる。
この超絶信頼関係に気づいた時何とも言えない気持ちになりました。
は???好き
みたいな感想しか出てこないので誰か私に語彙力をください。
そして、この歌のシーンから兄弟の格好が少し変わります。
刀が長くなったり、服の裾や袖が出てきたり前髪が付いたり。
何より二人で同時に髪のお団子をほどくシーンがかっこよくて好きです。
髪が伸びることで時間の経過と兄弟の成長を感じることができます。
このシーンの歌が双騎出陣でトップクラスに好きです。
加納さんの語りとともに、兄弟の仇である工藤祐経が出てきます。
隈取と言いThe悪役という雰囲気の工藤祐経ですが、これまたかっこいいのですよねぇ。
語りののち、兄弟は再会します。
この再会のシーンで本名を確認するシーンがありますが、この時の箱王の反応が2019より弟みがあったように感じました。
成長したものの兄の前ではやっぱり弟なんだなあと。
お互いの剣の腕前を確認したのち箱根の別当との別れのシーンになります。
2019の時はここでやっとなぜ曽我物語を源氏兄弟が演じることになったのかつながり、すごく感動した覚えがあります。
来歴とか詳しくなかったので。
兄弟が仇討に行くことを察した別当が、弟に授けたのは源義経が平家打倒の戦勝祈願に収めたという太刀。
はっきりとした言及はありませんでしたが、これが膝丸であると予測することができます。
ここで思ったことが一つ。
もともと源氏側の勝利を祈って奉納されたというのに、渡した先は源氏側の人間に弓を引こうとしている人なんですよね。
源義経が奉納した目的とは全くの逆であるというのが何とも皮肉な話だなあと。
太刀を授かった兄弟は、母の元へ今生の別れを告げに行きます。
母は兄弟が仇討ちにいくことに反対します。
箱王は仇討ちの悲願達成のため感情的になっていますが、声を荒げた箱王を一萬が諫めます。このシーンなんですけど、2019の円盤副音声で三浦さん(髭切役)と高野さん(膝丸役)が解説してくれています。
母は仇討ちなど認めない、どうしてもなら縁を切ると兄弟に告げます。
兄弟は打ちひしがれながらも舞います。
ここの舞と歌は本当に見事の一言で、これまでの兄弟の歩みと母への感謝と仇討ちへの覚悟を感じることができます。
育ててもらった恩は忘れてはいない。
だがわれらには何が何でも成さなければならい悲願がある。
最期に母に会うことでより覚悟を決めたのでしょうかね。
♪兄弟
果たすべき悲願 例え焼かれに行くと わかっていても これが最後です
飛び立つわれらを この門出を どうか
仇討ちのあと自分たちが生きているなんてことはありえない。自ら死にに行くとしても父の仇は討ちたかった。
20歳かそこらの兄弟が自分の命の使い方をそれと決めてしまったのなら誰にも止められない気はします。
結局母は兄弟の覚悟を受け入れ仇討ちに行くことを許可します。
討ち入りの時の兄弟はそれぞれ赤をメインに使った隈取が施されていました。
多勢に無勢、瀕死になりながらも敵である工藤佑恒と相まみえる兄弟。
弟が殺されそうになったのを兄が庇い刀を受け、そのまま自分を利用して弟に首を取らせます。
兄弟の敵討ちは成功に終わりました。
双騎出陣ではこのまま二人とも死んでしまいますが、原作はもうちょっと違ったはずです。(片方が生き残り後日処刑されたという話だった気がします。)
母は私も子らも愚か者だと泣き崩れ、兄弟の仇討ちの物語を後世に伝えていくことが残されたものに許されることだと言い物語は終わります。
2部 ライブパート
工藤祐経が出て来て、コーレス時の諸注意などを始めに話しました。
普段ならよくやる行為ですが、このご時世声を出すのが難しいので、拍手にて参加してほしいということでした。
1曲目 クロニクル
2019と同じ衣装ですかね。
何回見てもどこの貴族だよと突っ込みたくなりますが、踊っているときの裾のひらみとかすごく好きです。
2曲目 just time
衣装はクロニクルと同じで、振り付けもいつもとほぼ同じだと思います。
間奏の時の膝丸のダンスがかっこよかったです。
MC
日本博についても触れつつ、あくまでこの2020年に遠征に来た刀剣男士としてのコメントと、1部についても少しばかり言及がありました。
そして、髭切が膝丸の名前を呼びました!!!
この辺はたぶん回変わりですかね。覚えてる範囲で書き出してみます。
髭:膝丸はお芝居がうまいね
膝:今日初めて名前を呼ばれた!!
髭:ちょっとほかの役もやってみてよ
膝:今は気分がいいから何でもして見せよう
髭:じゃあ、、、、明石国行
膝:明石国行!?それはちょっと…
髭:なんでもするって言ったよね?
膝:いや、、
髭:お願い。・・・・・膝丸。
膝:演じます(即答)。(←ちょっと笑いが起きる)
自分やる気ないのがウリですから、なーんも期待したらあきまへん
どうだ兄者
髭:うん、まあええんとちゃいますか
ほな次の曲行きましょか
兄者の明石なりきり可愛かったです。いきなり関西弁風になった兄者に戸惑っている弟も可愛かった。
3曲目 えおえおあ
この状況だからこそ選ばれた曲なのかなと思ったり。
今回はコーレスが禁止だったので観客と一緒に盛り上げるというのがなかなか難しい状況でした。
一緒に踊れるこの曲はコーレスと同じくらい会場が一体になるものだったと思います。
4曲目 新曲1 静寂の闘志
ラップ系の曲でかっこよかったです。
この日の膝丸は高音が出にくそうだったけど千秋楽はきれいに出てましたね。
あとはたまにあるへそチラが良かった。
5曲目 情熱のsymphonia アレンジver
膝丸のソロです。兄者は一回休み。
もうね、えrrrっろとしか言いようがなかった。アレンジの仕方もさることながら、振り付けがもうやばかった。
腰の振り方やばくない?鼻血出るかと思った。
6曲目 Endless Night アレンジver
兄者のソロ曲。弟は一回休み。
もとは三日月宗近の曲でしたっけ?
どこの貴族かな?と突っ込みたかった。
兄者の柔らかいけど意外と低くて芯のある声ととても合っていたと思います。
7曲目 新曲2
こちらもかっこいい感じの曲でしたね。
あんなに激しく踊ってるのにきれいに歌えるのってやっぱりすごいと思います。
8曲目 獣
エンディングにおなじみとなった獣です。上の羽織もいいんですけど肌脱ぎした後のインナーのエロさと体の引き締まり方が本当に好きです。
どこ見てんのって言われそうなんですけどペンラタイムが終わった後、背中を見せるシーンがあるんですけどそこの背中がきれいすぎて本当に好きです。
9曲目 加納さんの舞
・・・という名の源氏兄弟のお着替えタイム(なんてメタいことは思ってはいけない)
2019のときとは違う曲で違う舞。舞なんてほとんど見たことがないけど美しくも力強い素敵な舞だったと思います。
途中で衣装の色が赤から白に早変わりしたのはすごかったです。
10曲目 二つの軌跡
双騎出陣でやっと源氏兄弟の髭切・膝丸として出てくるのがこの曲。
踊りがキレッキレでよかったです。
11曲目 刀剣乱舞
今回は花弁がなかったのでちょっと足元がさみしい感じがしましたがこれはこれでよきでした。
刀ミュのメインテーマ的なものだと思ってますが振付がすべて違うのでいつもニコニコ見てます。
最初期のものが一番好きです。
ラスト カーテンコール
工藤佑恒のあいさつの仕方が好きです。
・曽我物語はハッピーエンドなのか
これが私が見ていて思ったことです。
母親の望みは兄弟とともに生きること
兄弟の望みは父の敵を討つこと
兄弟は望み通り父の仇を討つことができましたが、残された母親はどうなるのでしょう。夫を失い、必死に育てた子供たちさえ同じ人に亡き者にされてしまった。
兄弟としては望み通りのことができたのである意味ハッピーエンドなんでしょうかね。エンディングの種類的にはデッドエンドかメリーバッドエンドなのかなと思います。
・復讐に囚われた兄(一萬)と弟(箱王)
なんというか、一萬は確実に工藤佑恒が憎かったんだと思うんです。ある程度記憶がはっきりしているであろう年齢の時に目の前で父親を殺されたわけですから。
でも箱王はどうなんだろう、ってちょっと疑問に思う部分があります。
父が殺されてからというもの兄は仇討ちすることだけを考えて生活するようになっています。そんな兄の視界に入りたかったというのが理由にあるんじゃないかなと少し思ってしまいます。
あれだけ仲睦まじい兄弟だったんです。兄の望みを一緒に、と考えてもおかしくない気はします。
そして兄に寄り添おうとした結果、母の望みと反することになり、兄とさえ離れ離れにされてしまいます。
箱王はただ昔みたいに一緒に兄上と遊びたかったというか、ただ一緒にいきたかったんじゃないのかな、その手段として兄と共通の目標をもって生きていくということになったんじゃないかなという思いがあります。
(2021.5.28追記)
離れていた兄弟の心情を歌ったシーンの引用を上でしましたが、そこの歌詞がまんまこのことを表現しているように思ったので追記します。
一萬の歌詞は「敵討ちの誓い」、箱王の歌詞は「兄上との誓い」。
兄と一緒に父の敵討ちをするという約束を箱王はずっとかなえようとしているように思えます。
※もちろんいいように解釈している部分もあります
終わりに
何回見ても新しい発見と感想を持てるので飽きないですね。
2020は2019とところどころ演出や歌詞がかわっているので照らし合わせながら見てみるのも楽しそうだなと思います。
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どれから書くか、いつ書くかはわかりませんがのんびりお待ちいただければと思います。
それではまた別の記事でお会いしましょう!!