不妊治療っていくらかかるの?治療費総額&医療保険の給付金額を全公開


はじめに


2022年4月から、不妊治療が保険適用になりました。自己負担額が減ったとはいえ、それでも不妊治療に具体的にいくらかかるのか、一度にまとまった金額がどのくらい必要になるのか、気になる方は多いと思います。


この記事では、私が受けた不妊治療の内容や治療費総額、また医療保険からおりた保険金の額等を、全公開しています

治療のスケジュール感や薬についてなどもまとめて記載しているので、不妊治療の全体像が掴めるような内容になっています。

不妊治療のことって、周りに相談しにくいし、お金のこととなると余計に話しづらいですよね。私自身、治療を始める前にネットで不妊治療のことを検索しましたが、詳しく具体的にまとめてあるものは見つけられませんでした。

治療を始めた後でも、ただでさえ精神的に不安定な中で、会計の度に金額にギョッとしたり、医療保険に入っているけどどのくらい意味があるんだろう…と不安になったり…。

そんな経験から、この記事には、治療を始める前に私が気になっていたこと、事前に知っておければ少しでも不安が解消できたなあと思う情報を詰め込みました。

リアルな私の体験をできるだけ具体的に数字を交えながらお伝えできたらと思います。



・日付
・会計金額
・診療内容
が分かりやすいように、表も作ってみました。

サンプル


この記事に記載した内容は、
1. 私が受けた不妊治療の概要と治療費総額
2. 通院の流れと各日ごとの費用
3. 加入していた医療保険の保障内容
4. 支払われた保険金・給付金の明細
5. 最終的な自己負担額まとめ

となっています。



簡単にですが私たち夫婦について

2022年11月→不妊治療クリニック通院開始
2023年10月→クリニック卒業

私と夫の年齢は32歳、特に基礎疾患等はありません。

約1年間通院し、卵管造影検査、人工授精、採卵、胚移植といった治療を経て妊娠に至りました。タイムラプスやSEET法などの先進医療も受けています。

領収書


これから不妊治療を始める方で、何にどのくらいお金がかかり、どのくらいの頻度で通院が必要で、どのようなスケジュール感ですすめていくのか、最終的な自己負担金はいくらなのか、気になっている方は是非読んでみて下さい!

あくまでも私が受けた治療内容なので、個人の症状やクリニックによって違いがあることをご理解ください。一例として参考にしていただくようお願いいたします。

では本文へ!



1.私が受けた不妊治療の概要と治療費総額


まず最初に、ずばりクリニックでかかった不妊治療の費用総額をお伝えします。

  • 各種検査

  • 人工授精4回

  • 採卵1回

  • 体外受精2回

  • 上記治療に伴う諸費用

  • 処方された薬代

これら全てを合わせて
42万3470円です。



2.通院の流れと各日ごとの費用


2022年11月から2023年10月まで、通院回数は全部で36回です。
分かりやすいように5つのステップに分けてみました。

通院1〜4回目
不妊治療を始める前に必要な各種検査

通院5~18回目
人工授精(4回)

通院19〜21回目
胚移植準備(採卵1回)

通院22〜33回目
胚移植(体外受精2回)

通院34〜36回目
陽性判定後の通院

これらを表と照らし合わせて、各ステップごとの金額と診療内容をみていきます。


・通院1〜4回目
不妊治療を始める前に必要な各種検査

合計 16,510円

まずは不妊治療を始めるにあたって必要な検査を受けました。卵管造影検査のみ、設備が揃っている総合病院を紹介で受診しました。(ちなみに卵管造影検査が全ての治療の中で1番痛かったです…)
検査の結果、私も夫も特に大きな問題はなく不妊の原因は不明でした。


・通院5~18回目
人工授精

合計 42,340円

人工授精の段階のおおまかな流れは、

排卵日の少し前に、エコー診察で人工授精をする日を決める

人工授精

生理がきた場合、生理2〜3日目に来院

以下繰り返し

といった感じで、だいたい一回の人工授精につき2〜3回の来院が必要でした。排卵日前の診察で人工授精の日を指定されるのですが、翌日になる場合もあるので、働きながら治療される方は仕事の調整をしたりするのが難しい場合もあるかなと思いました。
4回目の人工授精を終えたところで、医師から次のステップ(胚移植)に進むことを勧められました。


・通院19〜21回目
胚移植準備(採卵)

合計 93,150円

来院19回目からは、体外受精に向けて採卵の準備が始まりました。ここからは人工授精のステップとは違い、まとまった金額が何度か必要になります。
4/15の会計が高額な理由は、処方された自己注射(ゴナールエフ)が高額な為です。4/21にも処方されましたが、不足分の追加の為、量が少なかったので金額に大きく差が出ました。
この段階では、薬の自己管理が少し大変でした…。点鼻薬は服用する日付と時間が決められており、忘れるとその月は採卵が出来なくなるようです。自己注射も毎日打たなくてはいけないので、私はLINEのリマインくんを使って忘れないようにしていました!
採卵は、麻酔が効いていたのでそれほど痛くはありませんでした。ただズキズキしてそのまま帰るのは辛かったので、坐薬を入れ痛みが落ち着いてから帰りました。
この採卵でとれた卵は6つです。ひとつは状態が良くなかった為、残りの5つを受精させ、胚盤胞へと育てることになりました。


・通院22〜33回目
胚移植(体外受精)

合計 252,130円

胚盤胞の質にはグレードがあり、育った5つの胚盤胞がどのグレードにあたるのか最初に説明を受けました。この日(5/3)の会計が1番高額な理由は、受精卵・胚培養管理料が会計に含まれていた為です。この管理料は管理される胚盤胞の個数によって変わってくるので、多い場合はより高額になると思います。

胚移植の段階の流れとしては、

エストラーナテープ、膣坐剤でホルモン補充。エコーで子宮の様子を確認。

胚移植の2日前にSEET法(行うかどうかは自由、希望者のみと言われ、私たちは希望しました)

胚移植

採血で判定

という感じでした。
(6/13に再判定をした後、7月を飛ばして8/21まで日付があいているのは、私の希望で1ヶ月間治療を休止した為で、通常はひと月に1回のペースで胚移植は行えると思います。)

テープは1日おきに自分で張り替え、膣坐剤は毎日朝晩使用です。この膣坐剤が地味に大変で、入れてから20〜30分は立ち上がってはいけないのと、日中普通に生活していると膣から薬のカスが出てくるので常に生理パッドを着用していました。

胚移植は人工授精と違い、行う日付を数日の候補から選択可能でした。判定も、自然に生理が来るのを待つのではなく採血で行いました。
一度目の胚移植で着床はしていたものの、hCGの値が低く、妊娠継続の確率は絶望的でした。約10日後の再検査を待つ時間が精神的に辛かったです…。
二度目の胚移植でhCGの値が基準値を超え、妊娠確定となりました。(が、不安すぎて信じられず妊娠検査薬を買い込み、心拍確認まで毎日のように自分で検査していました…)


・通院34〜36回目
陽性判定後の通院

合計 19,340円

妊娠確定後の通院は2回の予定でしたが、10/2に出血してしまい10/3に臨時で診察を受けました。出血と一緒に血の塊のようなものが出てきたので、もうだめだ…と思いましたがなんとか赤ちゃんは無事でした。血腫ができているが、小さいので自然に消えるだろうとのことでした。
そして、胎嚢が順調に育ち胎児の心拍も確認できたので、10/10に無事クリニック卒業となりました。テープと坐薬は妊娠9週まで続けました。


・表のまとめ



3.加入していた医療保険について


加入していた医療保険の保障内容で、今回の不妊治療に関係があったのは、
・先進医療給付特約による先進医療給付金
・先進医療給付特約による先進医療一時金
・終身手術総合保障特約による手術給付金
の項目です。

私の契約していた保障内容はそれぞれ、
・先進医療給付特約による先進医療給付金→先進医療にかかる技術料と同額
・先進医療給付特約による先進医療一時金→5万円
・終身手術総合保障特約による手術給付金→2.5万円
でした。

1ヶ月の保険料は約2,500円程度のものです。


4.保険金・給付金の支払い総額


全36回の通院でおりた保険金・給付金は、

・先進医療給付金→2.7万、2.9万×2
(タイムラプス、SEET法×2)
・先進医療一時金→5万×3
(上記の先進医療3回分)
・手術給付金→2.5万×8
(人工授精×4、採卵、胚培養管理料、胚移植×2)

合計 43万5000円です。

治療費の合計が42万3470円だったので、全額返ってきたどころか少し保険金の方が上回りました。本当に加入していてよかった…。

意外だったのですが、胚培養管理料に対しても手術給付金がおりるようです。
手術給付金に関しては、提出が必要なのは領収書の写真だけでしたが、先進医療の給付金と一時金に関してはクリニックの診断書が必要でした。保険会社に先進医療の請求をしたい旨を伝えると診断書が郵送されてきて、それをクリニックに提出し記入してもらい、保険会社に送り返すという流れでした。


5.まとめ

できるだけ具体的に金額や診療内容を記載したつもりですが、いかがだったでしょうか?
約1年間の通院で約43万円の治療費がかかりましたが、医療保険のおかげで最終的な自己負担金は0円という結果になりました。

不妊治療は、終わりのないトンネルのようでした。
テープでお腹は痒いし、毎日の坐薬で行動は制限されるし、ホルモンの影響なのかいつも顔はパンパンに浮腫んで、薬を忘れたらそれが原因で妊娠できないかもしれないというプレッシャーや、再検査待ちでもう無駄かもしれないのに毎日薬を続けなければいけない虚しさや、自分の些細な行動が不妊に繋がっているかもしれないという不安で、大袈裟ではなく本当に四六時中不妊のことを考えていました。結局その不安はお腹が大きくなっても消えることはなく、無事に出産を終えることができて初めて解放された気がします。
拙い文章でしたが、これから不妊治療を考えている方の少しでも参考になったならと思います。

お読みいただきありがとうございました。





いいなと思ったら応援しよう!