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自分が動けば社会は変わるOne Step Forward~越境した若者と考えるSDGs~ 第1回

One Step Forward~越境した若者と考えるSDGs~
本イベントのゲストアレンジ・企画・運営を担当しています、宮川南奈です。私は大学時代開発経済を中心にMDGsなどを学び「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」5期生としてフランスへ留学。
卒業後は総合コンサルティングファームにて人事・組織コンサルに従事。退職後は、社会起点に活動している企業や団体での広報や事業推進に従事し、ソーシャル×未来人材育成を軸としてパラレルに活動を行っています。私のミッションは「社会で自分らしくHappyに働くオトナを増やすこと」。日々の暮らしの中で、自分のペースでゆるく楽しくSGDsに貢献できることを実践しています♪

One Step Forward ~越境した若者と考えるSDGs~

One Step Forward ~越境した若者と考えるSDGs~ は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標SDGs:Sustainable Development Goalsについて知り、考えるイベントです。
SDGsという言葉を聞かない日はありませんが、周りで行われている活動を遠くに感じる方も多いのではないでしょうか。このイベントではSDGsの課題解決に向けてアクションするゲストをお招きし、ご自身が取り組まれていることについて等身大でお話し頂きます。
本イベントへの参加をきっかけとしてSDGsを身近なものとして捉え、活動への一歩“One Step Forward”に繋げて頂けたらと思います。
イベントの前半は、ゲストご自身がチャレンジしているSDGsへの具体的な取り組みを中心に、英語コミュニケーションの大切さにも触れながらお話し頂きます。後半はグループに分かれてインタラクティブな時間とし、ゲストの講演に関する感想のシェアはもちろんのこと、SDGsについて考えていることや興味がある活動について自由にお話いただきます。イベントの最後にはSDGsの課題解決に向けて有志の方に「これからは〇〇する」宣言をしていただく時間を設けています。

今回のゲスト

株式会社イトバナシ代表取締役兼デザイナー

記念すべき第1回目のゲストは伊達文香さん。 奈良県五條市出身、30歳。広島大学に進学後、インドに複数回渡り、女性の人身売買被害などの現状を知る。大学院進学後に「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」2期生として、インド現地NGOとファッションショーを共催し、女性の活躍の場創造を目指す。その際に出会った刺繍に惚れ込み、途上国の刺繍を扱うブランド、itobanashiを起業。ビジコン優勝などを経て法人化後、株式会社イトバナシとして奈良、広島で店舗を運営する。2022年、カカオ豆からつくるチョコレートブランド chocobanashi もスタート。

伊達さんのご講演~自分が動けば 社会は変わる~

あなたの着る洋服はどこから?

講演のスタートは、「お洋服は誰が作っているのか?」というお話から。皆さんが今日着ているお洋服は誰が作ったものなのか。答えられる人はなかなかいないと思います。日本で着られているお洋服のおよそ9割が途上国と呼ばれる国々で生産されているそうです。
経済成長の裏には様々な課題があり、伊達さんはその先にある「地域産業・文化・伝統」の衰退という課題にフォーカスするようになったとのこと。たとえば少数民族の方が一般的な洋服を着るようになることによって、伝統衣装をつくるという技術が途絶えてしまう、といったことが起きてしまいます。
伊達さんはそんな経済の成長の裏にある文化の衰退を防ぐため、「適切な量を生産し、経済の成長も文化の成熟も維持できるようなサイクル」を実現したいと思い活動をされています。

そんな伊達さんの会社のスローガンは
「つくる人とつかう人の暮らしが豊かになる社会を」
まさに、今回のテーマでもあるSDGsゴール12の「つくる責任、つかう責任」に合致したスローガンですよね!

なぜ刺繡なのか?

なぜ伊達さんのitobanashiの洋服では「刺繍」が用いられているのか?
刺繍はその土地の文化や伝統を色濃く反映しているもののひとつであると共に、針と糸さえあれば誰でもどこでもできる!というのが特徴。たしかに言われてみれば、いつでもどこでも誰にでも針と糸さえあればできるものですよね。
なので、itobanashiでは、世界中の途上国でその土地の文化と伝統を反映した刺繍を使った事業をその土地の人々とともに作っています。

そもそもなぜインドに?

伊達さんが最初にインドに行ったのは2010-2011年。当時大学1年生のころにスタディツアーで行ったのが始まりだそうです。もともとは心理学を専攻しており、カウンセラーになろうと思っていた伊達さん。東日本大震災の支援などを通じて、そこで出会う人々の経験の多様さに触れ、再びインドに行ってみたいと感じてその後もインドを訪れるように。
そして大学2-4年生の間にインドへ足を運ぶことで見えてきたひとつの課題が「人身売買」。同い年くらいの女性たちが売春婦として働く現実を目の当たりにして、そういった女性に縫製の職業訓練を行うNGOに出会います。そして大学院へ進学したのち、1年間の休学期間にトビタテ!留学JAPANの奨学金プログラムを活用して、ソーシャルビジネスを意識した留学へ。インドで人身売買の被害にあった女性たちがつくった衣装を使ったファッションショーをするという留学計画を立て、その準備過程で刺繍との出会いがありました。
ファッションショーの準備の際にひとりの女性が刺繍をしている時に聞いた、「この刺繍をしていると故郷のことを思い出すんだ」という言葉が胸に残ったといいます。人身売買で売り飛ばされてしまった彼女の境遇からすると、「故郷のことは思い出したくないのでは」という自身の先入観に気づかされると共に、故郷を思い出させる力を持つ刺繍ってどのようなものなのだろうと疑問に思い、様々な土地の刺繍をめぐる旅にも出たそうです。

itobanashiの事業がスタート

インドから帰国後、ビジネスプランコンテストへ応募し優勝し、itobanashiの事業のスタートに繋がっていきました。

従来のファッション産業では流行りの服を安く早く提供しようとすると共に、中間業者が多く、生産者である途上国の労働者たちの賃金は安くなってしまいます。
そのため、株式会社イトバナシのビジネスモデルでは中間業者は介在せず、伊達さんを含むイトバナシ自体が現地の調達などすべてを担うことでフェアトレードを実現しています。それにより、現地のある女性は子どもを学校に通わせることができるようになるなど、インドの方の雇用創出や彼らの生活の向上が実現できているそうです。

コロナのピンチをチャンスに!

皆さんも多くの影響を受けている新型コロナウイルスの大流行。インドからの荷物が届かないといった問題だけでなく、百貨店の休業など売り場も失う時期が続きました。でもそんなピンチもチャンスに!ということで、伊達さんがこれまで捨てられなかった「ハギレ」に着目して、ハギレを使った新商品を作り、クラウドファンディングを実施。
私も実はアンバサダーとして、多くの人に知ってもらうお手伝いをさせていただきました^^

また、インドへの渡航制限も続いたため、日本のものづくりを見直してみるなんてことにもチャレンジしたイトバナシ。私のウェディングドレスの制作にも携わっていただきました!(写真右)

そして、百貨店などの売場が休業してしまうのであれば、自分たちでお店を作ってしまおう!ということで、古民家を改装して自分たちの場所も作ってしまうという驚くべき行動力!
いまは月に一度3日間だけオープンする古民家ショップとして稼働しています。立地的には車でないと行けないような場所、かつ月に3日間しか開けないお店なのに毎月500人ほどの方が来店してくださるそう。それだけの魅力が詰まった場所という証拠ですよね!
 
また、2022年の2月にはカカオ豆から作るクラフトチョコレートショップもオープン!
あれ、刺繡の話からいきなりなぜカカオ豆?と疑問に感じる方もいらっしゃると思いますが、刺繍だけではない途上国の魅力を扱っていきたいということ、そして100年続いたお饅頭屋さんの跡地を地域資源として残して有効活用したいという思いが詰まった新しい事業です。奈良の地域の雇用創出にもつながっているのが素敵ですね。

「だからできない」を「だからできる」に変えていく

伊達さんからの講演の最後は、このコロナ禍で実践してきた「だからできない」を「だからできる」に変えていくためのお話。
コロナなどの逆境を乗り越える上で大切なマインドは、インドの人たちから教わったこともあるようです。インドの方は(できないことも)なんでもポジティブに「Possible!(=できる!)」と答えるようで、笑
そんなインド人から背中を押されるように、まずはなんでも挑戦してみる!ということを伊達さんもイトバナシも体現されています。
また、仲間を見つけていくことも大切なこと。イトバナシの副代表とはプライベートでもパートナーとなりご結婚され、いまは地域の若い仲間も増えていっているそうです!
そして最後に”いま身近にあるものにもう一度注目をしてみる”。例えば、イトバナシでは奈良の五條市にある1,300年もの歴史を持つお寺でのお祝いでファッションショーを実施。地元に住む伊達さんも行ったことがないくらい普段は人がいないようなお寺だそうですが、このファッションショーには若手の方から80代の方までプロアマ問わず出ていただいたそうです。「こんな歴史や魅力がある場所がこんな身近にあったなんて」と思うところが、皆さんの周りにもあるかもしれません♪

感想シェア&ディスカッション

後半はブレイクアウトルームで感想シェア&ディスカッションの時間。今回は2つのお部屋に分かれてお話をしました。
ルーム1では、今回のテーマであるSDGsのゴール12つくる責任つかう責任に関しては、モノに対して消費者や生産者の一方だけの視点ではなく、双方の視点で考えることが大切なのではないかといったことが話されました。また、ベトナムに現在留学中の参加者から共有いただいたのは、現地の少数民族の文化を守るためのイベントがあったとか。そういったイベントへの参加を通じて、作り手の想いなど日ごろ感じることが難しいことも気づくことができるいい機会だったと話してくれました。そういったイベントに自ら足を運んでみる、もOne Step Forwardですよね^^
私が入ったルーム2では、伊達さんの「現場に行き現地の人の声を聞く」という行動力に刺激をもらったというお話に。国内外問わず、現場に自分で足を運んで自分の目で見る、感じるということは大切ですよね。また、日本の近江商人の三方よしといった考え方を思い返せば、SDGsのような考え方というのは従来の日本社会にもあったものが形を変えて世界共通のゴールになっているということですよね、なんてお話にもなりました。

参加者の皆さんの宣言パート!

「1人の100歩より100人の1歩」という考え方が好きな私ですが、本イベントはまさにそんな100人の1歩を後押しするためのもの。今回の最後の宣言パートでは4名の方が発表してくださりました!コーディネーターとしては性別や年齢層問わず皆さん積極的に挙手して発表してくださったことを、とても嬉しく思いました^^
・生きるエシカル消費の実践
・すでに日々実践しているマイボトルの活用や長く使えるモノを買う/使う
・明日からいろんな人とSDGsや「つくる責任、つかう責任」について話してみる
…などなど。
皆さんの宣言を聞いて、「One Step Forward」このイベントに込めた私たちの想いが、参加者の皆さんに届いているような気がしました!

当日の様子

当日の伊達さんからのお話や、参加者の皆さんの宣言の様子はこちらから!

あわせて見たい!

伊達さんのご活動やイトバナシの取り組みをもっと知りたい!という方はぜひ下記のSNS等を覗いてみてください♪

▼itobanashiのInstagram

▼HAREGIの公式HP

次回のOne Step Forward

気になる次回の開催は、11/17(木)19:30-21:00を予定しています。次回のSDGsのテーマは ゴール10「人や国の不平等をなくそう」に取り組んでおられる佐々翔太郎さんをお迎えします♪
お申し込みはこちらから!

佐々翔太郎さんのプロフィール

中央大学法学部卒業。大学1年で初めて訪れた海外・フィリピンの心温かい人々から大きな感銘を受け、泣き笑うことのできる人間となる。大学4年次には文科省奨学金プログラム『トビタテ留学JAPAN』を用いてNPO法人『e-Education』の現地責任者でミャンマーに駐在。映像教育を広める傍らミャンマー初のキャリア・進学メディアLive the Dream Co., Ltd.を現地の若者と起業し、ユーザー100万人の規模まで成長させ事業売却。その後株式会社リクルートに新卒入社し『じゃらん』の新規事業であるホテル向けSaaS事業に関わる。その後、ミャンマークーデターを契機に株式会社ASEAN HOUSEを設立。座右の銘は「失敗しても当たり前。成功したら男前。」

次回をお楽しみに^^
皆さまのご参加お待ちしております♪

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