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4時間耐久!ローカルバスの旅 -トイレは我慢よ-
スリランカのキャンディにしばらく滞在して古都を満喫した後は、帰国の日も迫ってきていたので、国際空港に近いニゴンボという街へ移動しておくことにした。
移動手段としては車がもちろん便利なものの、こんな行き当たりばったりの旅ができていることに少し興奮していて、ローカルバスに乗って行ってみようかな?という思いが膨らんできていた。
これまで出会ったツーリストや現地の友達は、「スーツケースでバス移動は厳しいかもね。バックパックなら何とかなるけど」と言っていたので、移動手段として考えたことがなかった。
しかし、スリランカに長期滞在していた経験のある旅慣れた友人とチャットしていたら、「私、スーツケース持ってローカルバスでキャンディからニゴンボに移動したことありますよ。なんでもありですよ、いけますよ!」とのこと!
さらに「ただ4時間くらいトイレに行けないですけどね」と。
な、なるほど…!
ローカルバスで長距離移動する、というチャレンジはめちゃくちゃやってみたい!
でも、4時間もトイレのないバスで移動って可能なのだろうか??
どちらかと言うと子供の頃からトイレは近い方だし…
迷い過ぎて決心できず、宿泊先のオーナーである日本人の山さん(男性)に相談してみた。
すると「トイレに行きたくなったら降りれば良いっすよ」とあっさり言われてしまった。
確かにね!!!
これで心が決まり、朝8時に宿を出てバスターミナルへ行ってみることにした。
迎えに来たトゥクトゥクドライバーに「ニゴンボ行きのバスに乗りたい」と告げると、バスターミナルをくまなく走り回ってバスを探し、運転手にスーツケースを格納してくれるように話をつけてくれた。
「スーツケースを持ち込むと別途席料を取られる上に、込み合ったバスでは肩身の狭い思いをする」という噂を聞いていたが、タイミングが良かったのか車体のどこかへしまい込んでくれたらしい。
車内で出発を待っていると、次々と物売りが入って来ては出ていく。
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ジュースや水を売るおにいさんもやってきた。
トイレ問題に怯えて、朝からものすごく水分を控えていたので飲みたくてたまらないが、ここはガマン。
出発時間にはかなりの座席が埋まり、いよいよ出発!
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何せローカルバスなので、ちょくちょくバス停に寄りながら進む。
その度にどんどんお客さんが乗ってきて、乗車率は軽く100%を超えてきた。
気が付けば私は3人掛けの席の真ん中に座り、両脇をそこそこマッチョな男性二人に固められていた。この座席が狭いのもあって、真ん中にいる私はまったく身動きが取れない。
車窓を眺めることもできないし、車内には不思議なスリランカ音楽が爆音で流れている。
これはこれですごく面白い体験だなあ、なんて思っていたら、身体を動かせず安定していたのもあって爆睡してしまった。
気が付けば間もなくニゴンボ。眠っていたおかげでトイレ問題にも直面せず、わりと快適にたどり着くことができた。
バスの切符売りのおにいさんにスーツケースを預けていたことを告げると、ちゃんとどこからか出してきてくれた。
こんな面白いバスの旅は、たったの200円。
ぜひスリランカに行ったら一度は長距離移動に使ってみてほしい。なかなか日本では得られない達成感を得ることができる、かも?
個人的には、勉強や仕事を頑張った時よりもよっぽど大きな達成感を感じてしまって、すごい笑顔になっていたと思う。
でも山さんが言っていた、「途中で降りてスーツケースを降ろしてもらって、トイレを探す」なんて芸当はまだまだ未熟でできないな…と思って、より一層、自分をスリランカナイズするためにこれからも努力しようと心に誓いました。